72歳で読む資本論 宮川講義 第12講

第6篇 労賃 第17章、労働力の価値または価格の労賃への転化

18章 時間労銀 第19章 出来高賃金  第20章、労賃の国民的相違

労働力の価値の貨幣表現は「賃金」である。しかし、日常の意識では、これは「労働の価値」という現象形態で意識される。これは、搾取関係をゆがめ、おおい隠す。「労働の価値」という表現の中では、労働の大きさを規定していない。労働は売られないうちは、対象的商品の形で存在しない。生きた労働と対象化された労働との交換によっては、等価交換は成り立たず、剰余価値はどこからも生まれない。商品市場で貨幣所有者に相対するのは、労働ではなく労働者であり、労働者が売るのは労働力である。


労働力の価値は、労働の価値をきめ、労賃という転化形態で現れる。この形態は、不払労働部分も支払労働であるかのような外観を与える。すなわち、労働の価値という表現によって、搾取関係が覆い隠されてしまう。


時間賃金

労働の価格=労働力の日価値/労働日の時間 という関連から、労働時間の延長、更なる労働の価格の低下を引き起こす。資本家の脳裏から不払い労働の観念が消えうせる。


出来高賃金

出来高賃金のもとでは、労働強化も労働日の延長もさしあたり労働者の個人的利益にむすびついてあらわれる。労働者の個性、自立性の発揮、自制の発展、他方での労働者間の競争激化、個人の労賃を引き上げる一方では、労賃の平均水準を引き下げる。


資本主義的生産が発達した国では、労働の強度、生産性が高く貨幣の相対的価値も小さいので、名目賃金は高い。しかし、実質賃金も高いということにはならない。


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