70才で読む資本論。

中国訪日団との交流会での 挨拶

117日、宮川先生の資本論講義も終わり、6時より1時間中国学術メンバー訪日団の李先生と蘇先生の講演を聴いた。8時からは立食パーティーがあった。こういう席では、日中交互にマイクの前に立って挨拶するのは恒例。突然マイクが回ってきたので、僕は正直に考えていることを話した。


「30年前、中国には技術交流会で何十回となく出かけました。ある時、政府高官と広州から地方都市に党の高級車で出かけました。高速道路を1時間ほど走った頃から高速道路はすごい渋滞が始まりました。しかし、対抗車線はガラガラでした。ところが、党の高級車を運転するドライバーは 突然フロントガラスに「中国共産党中央委員会」の看板を掲げると、なんと対抗車線に出て、ガラガラの対抗車線を猛スピードで走り出しました。同乗の政府高官は、いつものお決まりのコース変更なのか、後ろ座席で目をつむったままそ知らぬ顔です。


僕は学生時代より、「中国の赤い星」を読み、3000kmの大長征を成し遂げた中国共産党の素晴らしさを尊敬の念を抱いて憧れ続けてきました。しかし今や政治権力を握り、国家権力の頂点に立った中国共産党は、日本では絶対に考えられない渋滞道路の対抗車線を、中国共産党中央委員会の金看板を掲げて、猛スピード走り抜けていく暴挙を平気でやっているのです。あまりにも、人民軽視、権力横暴の実体に驚きました。


これは30年前の思い出話です。現在の中国共産党におかれては 民主主義をきちんと守っておられますか? 」


この話をしたら、早速宮川先生が「すごい話をするね」と、苦笑しながら声を掛けられた。愛知県の日中友好協会の事務局長も名詞を出して、「お話感動しました」と近づいてこられた。


すぐさま中国側代表の1人が起立して、「昔の中国共産党は多くの過ちを犯した。しかし今は正しい思想によって、中国は破竹の勢いで成長を遂げ、今や日本に追いつき、追い越そうとしている」といささか脅しも含んだ内容で回答をされ、座がしらけた。


僕がこんな話を突然申し上げたのは、会食に先立つ講演で、現在中国が進めている資本主義的経営の現実について紹介された講演では、中国が目下進めている財産私有制度とか、公的機関の規制等は、マルクスやエンゲルスの正しい理論に基ずくものだという講演内容にカチンときた僕は、いったい中国共産党はどうなってしまったのかという怒りが、あの対抗車線走行トラブルを思い出させ、皆の前で、常に面子を重んずる中国代表団の方々に少々耳が痛い話だとは気づきながら、マイクを握った機会に お話したくなってしまった次第です。ごめんなさいね。中国訪日使節団の皆様。気を悪くしないでね。でも、民主主義こそ一番大切だということだけは、賛同して下さいね。


ここをクリックすると表紙に戻れます。