70才で読み直す資本論

第5章、労働過程と価値増殖過程  不破哲三ゼミナールで学ぶ予習篇

いよいよ剰余価値の生産に入る。剰余価値は、使用価値そのものが価値の源泉であるという独特な商品、すなわち、労働力商品の消費の過程からしか生まれ得ない。労働力商品の消費の過程は、使用価値を生産する労働過程と、価値を生産する価値形成過程の2つの側面から研究する。


労働は、人間と自然との間の一過程、すなわち人間が自然とその物質代謝を彼自身の行為によって媒介し、規制し、管理する一過程である。これが第5章 最初の文章である。


労働過程を構成するものは、1労働そのもの、2労働対象、3労働手段である。



生産物の立場から労働を考察すれば、労働手段と労働対象の両者は生産手段として、労働そのものは、生産的労働として現れる。


労働が使用価値を生産する合目的的な労働である限り、生産手段として消費された生産物は、新しい使用価値をもった新たな生産物の形成要素になる。


労働は、具体的有用的労働という資格において、労働過程で、消費される生産諸手段の生命を、新しい生産物のうちに再現させる力を発揮する。


資本が労働力を買って、労働過程が、資本家による労働力の消費過程として行われるようになった場合、2つの独自な現象を示す。


第1は、労働者が資本家の管理の下で労働するようになり、それまで労働者自身の意志によっておこなわれてきた労働過程の管理、監督、指揮などが、資本家の仕事になる。


第2は、労働過程の生産物が資本家の所有物に変わる。


労働者に支払われる賃金は、労賃に6労働時間分の価値を支払ったからといって、労働力の支出を6労働時間に制限しなければならないという理由はどこにもない、その日の労働力を買った以上、その日にどれだけ働かせるかは、資本家の裁量で決められる。

労働者と資本家のあいだで売買されるのは、労働ではない。労働力である。

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