定年後に読む資本論 追記:65歳から始めた再読・再学習

英語版 ペリカン クラシックス

上製版 新日本出版社 19982月発行

第1篇 商品と貨幣 第1章 商品

第1節 商品の2つの要因―使用価値と価値

有名な書き出し

資本主義的生産様式が支配している諸社会の富は「商品の巨大な集まり」としてあらわれ、個々の商品はその富の要素形態として現れる。それゆえ、われわれの研究は、商品の分析から始まる。商品はなによりもまず、その諸属性によって何らかの種類の人間的要求を満たす一つの物、一つの外的対象である。

この書き出しを英語版で読むとこうなる。

The wealth of societies in which the capitalist mode of production prevails appears as an 'immense collection of commodities' ; the individual commodity appears as its elementary form.

Our investigation therefore begins with the analysis of the commodity.

The commodity is, first of all, an external object, a thing which through its qualities satisfies human needs of whatever kind.

私は決して英語に堪能ではないが、日本語と英語を比較すると英語の方がはるかに、頭の中にすーと入って来る。矢張りこうした文書には、主語と述語がその位置からして明確な英語の方が判り易いし、哲学的用語に慣れていない自分には、英語の単語の方が身近に感じてしまう。

今回の上製版翻訳ほど正確に、かつ理解されやすいように努力された翻訳は、他に無いと言われているにも関わらず、矢張り英語版の方が頭に自然に入ってくるというのは、日本語と英語の言語上どうにも出来ない文法構造の違いと考える。従ってこれから常に英語版と上製版の2種類を併読していくことを、先ず原則としたい。

資本論は難解な論文だ。きちんと精読しないと理解出来ない。

  • 商品―通用性―使用価値―量と質―富の素材的内容 交換価値の素材的担い手
  • 交換価値―商品交換比率―「変動=注意」―等式の表現するもの 一つの共通物の内在
  • 交換関係―使用価値の捨象―労働生産物という属性の捨象=抽象的人間的労働の残留
  • 価値=商品価値―人間的労働力の堆積
  • 交換=使用価値の捨象 抽象的人間的労働を形成する実体は労働時間で計測される労働力
  • 商品の価値=社会的平均的労働 価値の計測=社会的必要労働時間
  • 商品の価値の大きさはその商品に実現される労働に正比例し、生産力に反比例する。
  • 商品を生産するには、使用価値を生産するだけではなく、他人の為の使用価値を、さらに別の他人に渡ることを前提とする、社会的使用価値を生産する

追記:65歳(2004年5月)から始めた再読・再学習

 

資本論を学ぶに際し、次の格言あり。

    資本論は経済学の書であると同時に、史的唯物論の真髄であり、弁証法の核心であり、科学的社会主義の目であり、現代を知り、未来を学ぶ最適の書である。資本論は「57〜58年草稿」「61〜63年草稿」「63〜65年草稿」を基に、綿密な体系に基づいて書かれている。資本論は書きながら考察されていった書であり、大切なのは全体の論理マップである。これを称して芸術的な全体像という。資本論は難しく書かれているので、資本論の字句に振り回されて、内容が理解されずに進んでいっても意味がない。むしろ自分自身で全体像を追いながら読むこと。そのためにはガイドは必要だが、ガイドだけでは面白くない。矢張り本物の資本論をきちんと読んでいかねばいけない。

     

    第1節のまとめ

テーマは商品から入る。何故商品から入るのか。資本主義社会の複雑な社会の仕組みの土台は、商品の生産と交換からなる市場経済の諸関係だから。勿論研究の対象は、常に資本主義社会である。商品には「使用価値」と「交換価値」があり、「交換価値」は「価値」でもある。「価値」の大きさは、その商品に必要な労働時間の長さによって決められる。

 

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