定年後に読む資本論
13章、機械設備と大工業 第6節、機械によって駆逐された労働者にかんする補償説
機械の導入は、可変資本にたいし不変資本の比率を高める。駆逐された労働者は、労働市場に投げ出される。失業者の増大は、恐ろしい鞭として、労働者を苦しめる。すでに機械化のもとでの労働者は、分業によって不具化されているので、見つけ出せる労働は、低級な、したがって絶えず人があふれていて、賃金の低い労働部門だけである。多くのブルジョア学者は、機械を使う資本主義制度を見ようとせず、巧妙に焦点を機械そのもので曇らす。

しかし、オリバーツイストの殺人ナイフではないが、ナイフは必要品だからといって、ナイフの殺人が許されるわけがない。問題は機械を使い、剰余価値を増大する資本主義制度に問題あり。

この論文が発表された頃の英国紡績工場は、豊田産業記念館に機械展示されて在るごとくまるで玩具の如き機械群であった。しかしマルクスの指摘は、現代社会にも厳しくあてはまる。

但しまだ、不変資本の増加により、購買力の低下が起きてくるところまで、論理は到達していない。これからである。

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