定年後に読む資本論
第6篇、第18章、時間賃金。
本質的形態、すなわち労働力の交換価値とは何か、とか、交換価値が転化して生活手段の総量となるものを名目賃金というというようなことは、あえて繰り返す必要はない。労働力の販売は、常に一定の時間を基準にして行われる。

労働の価格は、労働力の平均的日価値を、平均的労働日の時間数で除すことによってえられる。勿論ここで労働の価格が低ければ低いほど、労働者が平均賃金だけでも確保するために、労働分量を大きくしなければならない。労働の価格が低いことが、労働時間延長への誘因として作用する。しかしその逆に、労働時間の延長そのものがまた、労働価格の低落を生み出す。しかもこの事が、資本家間の競争に利用されて、異常な剰余価値を奪い取られる。製パン業者安売り競争の資本家間の争い記録は、この実態がリアルに浮き出されている。マルクス曰く。資本家の頭脳のなかには、生産諸関係の外観しかない。資本家は不払労働なんて、全然頭にはない。労働力の価値を労賃の形態に転化させることによって、現実的関係を見えなくさせ、俗流経済学のたわごとが始まる。

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