定年後に読む資本論

第1部 資本の生産過程 第1篇 商品と貨幣

第2章 交換過程

  • 全ての商品は、その所有者にとっては、非使用価値であるが、非所有者には、使用価値である。
  • 排除された商品の自然形態=等価形態によって、他の全ての商品の価値が表示される。
  • 貨幣結晶は、種類を異にする労働生産物が互いに等置され、商品に転化する交換過程での必然的産物
  • 人間は奴隷を貨幣材料にしてきたが、土地はフランスブルジョア革命までは、貨幣材料とはしなかった。
  • 貨幣形態は、一般的等価物という社会的機能に生まれながらに適している貴金属、金、銀に移っていく。

金や銀というこれらの物は、地中から出てきたままで、同時に、いっさいの人間的労働の直接的化身である。ここから、貨幣の魔術が生じる。人間の社会的生産過程における人間の単なる原子的な振る舞いは、それゆえまた人間の管理や人間の意識的な個人的行為から独立した彼ら自身の生産諸関係の物的姿態は、さしあたり、彼らの労働生産物が一般的に商品形態をとるという点に現れる。だから貨幣物神の謎は、目に見えるようになった。人目をくらますようになった商品物神の謎に他ならない。

 

65歳から始めた再読・再学習(2004/5/26)

ここまでは、商品形態から貨幣形態が生まれてくる論理的な発展を学んできた。

しかし、ここでマルクスは、商品を所有する所有者を登場させて、商品が交換されていく過程を、歴史的発展過程として明確にする。ここで現れる人間は、経済的諸関係の人格化に他ならない。

商品所有者は、自分の商品を市場で公認された「一般的等価物」(=交換貨幣)と交換し、ついでこの「一般的等価物」を自分の必要とする商品と交換すれば、思い通りの取引を成立させたことになる。この「一般的等価物」は商品交換の発展につれて、もっぱら特殊な商品に固着する。すなわち貨幣形態に結晶する。貨幣形態は、商品交換の広がりおよび深化とともに、金および銀という貴金属に固着する。

「もっぱら社会的行為だけが、ある特定の商品を一般的等価物にすることが出来る。だから、他のすべての商品の社会的行動がある特定の商品を排除し、この排除された商品によって他の全ての商品はそれらの価値を全面的に表示するのである。これによって、この排除された商品の自然形態が社会的に通用する等価形態となる。一般的等価物であるということは、社会的過程によって、この排除された商品の独特な社会的機能となる。こうして、この商品はー貨幣となる。」

「他のすべての商品は貨幣の特殊的等価物にほかならず、貨幣はこれらの商品の一般的等価物であるから、これらの商品は、一般的商品としての貨幣に対して特殊的商品としてふるまう。」

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