定年後に読む資本論
23-5、資本主義的蓄積の一般的法則の例解
この一節は、これまでの資本論独特な論調とすっかり変わって、1846年から1866年、大英帝国 繁栄の絶頂期における官庁文書に語らせることにより、資本主義の巨大な進展を赤裸々にする。

「富者はますます富裕」になったが、貧者もまたいっそう少ない貧困さになっている。(なんという下手な語勢の弱化だ。「いっそう少ない貧困さ」になっているだけだとすれば、彼らは相対的には同じように貧困である。何故なら富裕の極限が増大したからである)。貧民群は産業循環の波とともに増減はするが、公式統計数字もますます欺瞞的になっていくことに注意せねばならない。

低賃金層の飢餓、生活環境状態はますますひどくなり、工業労働者のみならず、農業労働者も状況は同じ。住宅衛生状態のひどさを語る途上、糞尿処理は日本の方がはるかに衛生的だという記述が出てきてびっくりする。

古典経済学者は、過剰人口から貧困が発生するかの如く唱えているが、事実は全然違うことをマルクスはアイルランドの農業労働者人口減少と貧困の増大から彼らの表層的実態把握を指摘する。

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