定年後に読む資本論

英語版 ペリカン 古典叢書

上製版 新日本出版社 19982 32000

第1篇 商品と貨幣 第1章 商品

第4節 商品の物神的性格とその秘密

  • 使用価値(=人間の諸要求を満たす) 神秘的なものは何もない。
  • 労働生産物が商品形態をとるや、独自の生命を持った自立的姿態のように、商品や貨幣が見えてくる。
  • 商品世界の物神的性格は、商品を生産する労働に固有な社会的性格から生まれてくる。
  • 私的諸労働(=有用的労働として社会的要求を満たす)→ 労働の同等性が諸商品の同じ価値対象性
  • 種類の異なる生産物を交換するにおいて、等置し合うことにより異なる人間的労働を等置し合う
  • どのような比率で交換されるか→慣習性まで成熟していると労働生産物の本性から生じるようにみえる
  • 貨幣形態は私的労働者の社会的諸関係をあらわに示さず、かえって物的に覆いかくす。
  • ロビンソンクルーソーの話さえも、生産物の価値は労働時間によって計測され、本質的規定がなされている。
  • 中世農民の素朴な家父長的勤労でも、労働の社会的諸関係の変装はされていない
  • しかるに商品生産においては物神的性格が現れる。人間の労働の社会的性格を生産物そのものの自然属性として人々の目に反映させ、総労働に対する生産者達の社会的関連を、彼らの外部に存在する諸物の社会的関係として人々の目に反映させる。

65歳から始めた再読・再学習(2004/5/25)

ここでは、商品形態と労働の社会的形態の関係を、商品の物神性という言葉をつかって、あくまで商品の裏にある、社会的形態を見抜くことは困難だが、商品形態をきちんと分析することによって、社会的形態の真実を見抜けとマルクスは主張している。

人間の社会的形態とは、互いのために労働することが根底にある。商品形態は、労働生産物を社会的属性として、社会的関係として、反映させている。これは、宗教を作り上げた人間を見れば、理解しやすい。人間の頭脳の産物(=宗教)が、それ自身の生命を与えられ、自立的姿態のごとく、人間社会に君臨する。商品もそうだ。商品は労働に固有な社会的性格を、商品自身の生命の姿態とする。

商品世界の完成形態―貨幣形態―こそ、私的諸労働の社会的性格、社会的諸関係をあらわに示さず、物的に覆い隠してしまう。

この節の最後に未来社会の構想が述べられている。未来社会とは、共同的生産手段で労働し、自分たちの多くの個人的労働力を自覚的にひとつの社会的労働力として支出する自由な人々の連合体。ここに社会主義、共産主義のビジョンがある。

 

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