定年後に読む資本論

ペリカン叢書 資本論(英語版)
PENGUIN CLASSICS ISBM 0-14-044568-4

新日本出版社 上製版 資本論 (日本語版)

テーマ 資本論に挑戦を決意した理由

記入 1998/4/13

資本論に挑戦したい、本格的に決意するようになったのは、矢張り玉川寛治先生を知ったからだと思う。 今日では繊維機械の技術史博物館としては世界トップ水準にあると言われる、名古屋駅前近くにある産業技術記念館を開設するのが、私の当時の仕事でした。

展示業者としては電通が企画を担当しましたが、世界最高水準の博物館を創るには業者のイベント志向だけではとても無理です。そこで、産業考古学会という、技術の歴史を研究する学会に所属する数多くの先生達のご指導を頂くことになりました。有名な「日本紡織技術の歴史」を書かれた内田星美先生に ご指導を頂いた。

しかし実質、具体的な、詳細な検証は、当時ある繊維メーカの技術者であり、産業考古学会の理事でもある 玉川寛治先生のご指導を頂いた。玉川先生の繊維技術史に関する知見の深さは素晴らしもの。しかも自費で何度も英国マンチェスターに出かけられ、多くの博物館を訪ね、現地でなければ集められない資料をどっさりと手元に収集してみえる。随分とお世話になった。繊維の歴史に関しては日本のみならず世界の第一人者は玉川先生だと思う。

ある日先生の人生を伺った。ご尊父は東京帝大を出て、信州大学で教鞭をとっておられたとのこと。皇国史観の大御所で、戦中多くの青年達を戦場に送った。敗戦はご尊父にとって人生の大激変であった。多くの青年達に取り替えしがつかない過ちを犯したことを悔いて、戦後2度と第1線に立つことはされなかった。

そんなご尊父に育てられた玉川先生は、勇気を持って良心的に生きることを人生の大切な信念にされておられる。英語に堪能な先生は、学生時代英語版で資本論を読破、以後人生の道を働く人々のために捧げることに徹せられた。

「会社では何の役職の肩書きにもご縁はありませんでした。しかし素晴らしき友人達に巡り会えたのは幸せでした。」と語られる先生の会社生活には、良心の道を選んだが故に、人知れぬ苦しみや哀しみと対面して来られたのだと思い、そんな玉川先生を自分は深い尊敬の念を抱いています。玉川先生が新日本出版社発行の資本論翻訳委員のお一人であることを知ったのは自分の定年直前。

自分は定年後 人生総決算の意味で世界の古典、しかも現役時代には読めそうもない大作に挑戦したいと定年の日を迎えることをかねがね楽しみにしてきました。定年の年、玉川先生から、資本論上製版完成を教えられ、俄然資本論挑戦への意欲が沸いてきました。

自分も上製版と英語版の2種類の本を併読しながら、世界最高峰登頂に挑戦してみようと自分に言い聞かせました。上製版は直ちに購入しました。英語版に関しては、 ペリカン叢書で資本論英語版(MARX:CAPITAL pemguin classics ISBN 0-14-044568-4)が20ドルで購入できます。

定年後の読書生活、我が人生を総括し、 生きるとはどういうことであったのか、自分自身で考える為に、マルクスが全生涯を傾けて後世の我々に残してくれた資本論を座生に置いて、清貧、知への接近を開始することにしました。65才の目標寿命までに読破したい、それが今の自分、人生第1の目標です。

再読・再学習(65歳から始めた再読・再学習)

この度、不破哲三氏「「資本論」全3巻を読む」をガイドに、資本論を読み返していく決意をした。目標は資本論を兎に角自分の世界のものとすること。その為に、資本論の全体像の中で、この章が今何を論じているか、こうした全体像を不破さんの導きで確認しながら進んでいく。

最終は、2005年12月までに第3巻まで読み終わりたい。これから丁度1年半がある。もちろん自分の体力が持つうるという前提ではあるが。従って資本論そのものに時間をかけるというよりは、不破さんのガイドをしっかりと自分のものにして、その章をわかりやすくまとめていくことが大切。資本論は難しい、しかし難しさは誰でも認識している。その中で自分はどこまで理解できるか。これをこの1年半の間によく確認したい。そして、生涯を閉じるに際して、自分は資本論を通じて、人生を学び、終わったと言い切りたい。

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