文献で学ぶ労働日のまとめ

イギリスにおける労働者階級の状態 エンゲルス著岩波文庫(上・下)各570円
エンゲルスは1820年、紡績工場経営者の長男としてドイツに生まれた。父はイギリスマンチェスターにも紡績工場をもち、1842年よりエンゲルスはマンチェスターに渡り、資本主義的搾取の始まったイギリスの労働者の状態をつぶさに観察、1845年本書を発表している。

エンゲルスの「イギリスにおける労働者階級の状態」の学問的意義は、今なお高く評価され、幾つもの文献に引用されている。

実は5年前、技術史の展開、特に英国における産業革命史の展開を、名古屋の産業技術記念館で企画する際、自分はイラスト入り本書から多くを学んだ。たまたま現地の産業遺跡を訪問する機会にも恵まれ、かってこの地で年少女子労働者達はものすごい搾取に苦しんでいたのだなと胸騒いだ記憶を今もありありと思い出す。

マルクスも本書によって多くを学んだといろいろな本に書かれている。

「資本論」と今日の時代 不破哲三著・新日本出版…1800円
第2章…「資本論」と現代資本主義


  • もうけの追求を生産の第1の目的、経済の最大の動機とするところに資本主義の本性がある。
  • 資本の魂ともいうべき剰余価値の果てしない追求が資本主義社会の運動に貫かれているが、マルクスが究明した労働者を搾取する形態や方法の告発として労働日の章は今日的意味がある。
  • マルクスは、労働者をより長い時間働かせて剰余価値を増やす搾取形態を「絶対的剰余価値の生産」とよび、この搾取形態をめぐる階級闘争―労働日をどこまでも長くしようとする資本家階級と、その生存と生活の保障のために労働日を制限しようとする労働者階級との間の闘争の歴史と現状を、壮大な絵巻きとして詳細にえがきだした。
  • 労働者と農民
  • 中村政則著 小学館ライブラリ…・1200円
工場法と労働者官僚と資本家・・工場法と労働運動
官僚と資本家
  • イギリスで工場法が初めて設定されたのが1802年、日本で紡績女工の深夜業撤廃されたのは1929年、工場法の完全実施までに長い時間がかかった。日本の労働者の階級的成長が遅れていため、闘争力は無く、資本家は容易に工場法の骨抜きが出来た。一方日本的労務管理方式として経営家族主義によって、労働者の権利意識を巧妙に眠り込ませた。
工場法と労働運動
  • 工場法の実現を望んだ労働者の前に治安警察法がたちはだかった 。資本家が工場法の制定に頑強に反対し続け、資本家の猛反対にあうとたちまち腰砕けになってしまう日本官僚の弱腰。労働条件や労働環境の改善は、権力の保護や資本家の慈恵に頼っていただけではなかなか進むものではないことを、労働者はやがて気がついていく。

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