台北・故宮博物院を訪ねる

秋の台北・故宮博物院を訪ねた。中国8000年の歴史を、展示物を前に興味深く解説してくれる学芸員の流麗な英語が実に印象深い。とうとう3泊4日の台北滞在中、実に4回も、2時間の英語による館内ガイドコースに参加した。4回とも、案内してくれたのはアメリカ人、又はアメリカに留学した中国人女性だった。学芸員は展示物ひとつひとつに深い歴史的知見を持っておられ、その話は実に興味深く、事前の書物による学習をはるかにしのぐものであった。


台湾を始めて訪れたのは、1962年、入社3年目の秋だった。クレハナイロン海外技術サービス最初の東南アジア出張だった。あれから45年、来るたびに台湾は驚異的な発展を重ね、もう外省人による台湾支配は終わった。李登輝・陳水篇をトップとする、台湾人による台湾の政治が始まっている。

故宮博物院は常にあこがれの存在、故宮博物院には、中国8000年の歴史が凝縮されている。歴代皇帝の権力下、驚くべき文化の結晶が膨大な量保存されている。展示された宝物をじっと見つめていると、そこには人類の偉大な足跡がはっきりと見えてくる。格調高い人類の知の香りがただよっている。

3泊4日、今回は故宮博物院のみを目的に台北を訪れた。いつ来ても故宮博物院からは、大きな感動が与えられる。中国8000年の知と美が、ここには見事に結晶している。出発に際して、司馬遼太郎氏の「台湾紀行」、古屋 圭二氏の「故宮の秘法」、清水 仁氏の「国立故宮博物院案内」、酒井 亨氏の「台湾入門」、小田 滋氏の「台北帝国大学のこと」を読んだ。司馬遼太郎氏の作品を読みながら、氏の台湾への深い愛情が胸に熱く伝わってきた。



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