定年後の読書ノートより
経済学の終わり 名大教授、飯田経夫著、PHP新書、
名大経済学部で新古典派経済学を教えてきた飯田教授は、何故最近のマル経に元気がないのかと残念がる。

ベルリンの壁崩壊は、経済は市場経済に依存しない限り、決してうまく行かないことを証明したともいえる。 しかし、マルクスこそは資本主義・市場経済に潜む狂気を直感し、これが人間性と相容れないものであることを指摘し人々にこの絶望から如何に脱出すべきかを説いた先駆者ではないかという。搾取、過労死、帝国主義的侵略、環境破壊の無理は資本主義の避けられない宿命であり、この現実を怒りをもって指摘したのはマルクスであり、アダム・スミスは、そういう資本主義批判はまったく無いに等しい。

マルクスが指摘した通り、資本主義体制・市場経済に潜む宿命の狂気は、必ず近い将来、何かの拍子にその狂気はむき出しになってくることは間違いなく、資本主義は決して昔と性質が変わった分けではないと飯田教授は語る。 最後に、日本の知的良心の核でもあった、マルクス経済学が最近すっかり元気をなくしているが、今こそ出番ではないかとエールを送る。

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