定年後の読書ノート
実践論・矛盾論 毛沢東著 世界の名著64孫文・毛沢東 中央公論社
実践論
  • 人間の認識はどのようにして実践から生まれるか。認識の感性的段階から始まり、続いて概念を用いて判断と推理を加え、論理的認識へ至る。
  • 感覚は現象の問題を解決し、理論こそが本質の問題を解決する。知識の源泉は感覚にある。感覚的材料を総合して概念と論理が生まれる。
  • 重視するのは、客観的世界の法則性を理解して、世界を解釈出来ることではなく、認識を運用して、能動的に世界を改造することである。そして実践、認識、再実践、再認識という循環を無限に繰り返していくことである。
矛盾論
  • 認識史では、形而上学世界観に対して、唯物弁証法の世界観がある。
  • 矛盾は全ての発展の始めから終わりまである。これを矛盾の普遍性と言う。
  • 特殊な矛盾が、本質を作る。質の異なる矛盾は質の異なる方法で解決する。
  • 主要な矛盾と矛盾の主要な側面が発展を規定し、影響を及ぼす。
  • 自立、対立する矛盾が反対物に転化する。これを矛盾の同一性と闘争性という。
  • 敵対は、矛盾の闘争形態の全てではない。矛盾における一形態に過ぎない。
毛沢東の論文は噛んで含めるように、素人でも分かり易い。しかもしっかりと、基礎は固まっており、先の見透しも遠くを見定めている。しかし学ぶべきものは、権力把握までの論文であり、あの文化大革命を仕掛けた毛沢東は、歴史的否定の対象者である。マルクスは子供の棺さえ買えなかったという。克己こそ指導者の備えるべき風格だと考える。

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