定年後の読書ノートより
国定韓国小学校社会科教科書、韓国の歴史

石渡等訳、明石書店。。1998年発行、1400

国定韓国小学校社会科教科書1は、小学6年生に対する民族主義史観の確立が主要テーマとして教科書編修がなされている。侵略戦争に反省が少ないといわれる日本の教科書に対し、韓国の教科書では、しっかりと日本の蛮行が糾弾されている。

古代、中世史は人物史。王仁、曇徴は、日本に伝来文化を「教えてあげた」。日本の漢字、法隆寺の壁画、弥勒菩薩がそれである。壬辰倭乱の李水軍の活躍と知識人を中心とした義兵によるゲリラ戦、朝鮮通信使は、日本側の壬辰倭乱の反省から始まった。

近代史は当然ながら日本の侵略がメインテーマであり、抵抗した英雄達の行動を称える。江華島条約、義兵戦争、壬午軍乱、甲申政変、乙巳条約、3.1運動、国権侵奪、8.15光復等自分にはなじみ薄い言葉だった。日本の植民地支配は、韓国民を犠牲にした強制徴兵、創氏改名、物資の収奪、土地の略奪、日本語強制、神社参拝、従軍慰安婦等我々は決して忘れないぞと教科書では何度も繰り替えされる。

しかも歴史教育は、日本の如き受験の為の暗記科目ではない、必ず皆で日本の蛮行を討議させ、詩を創作して感情を盛り上げ集団学習で進められる。こうした教育で育った青年達の間には、生涯を通じてイルボンサラムめという意識は貫徹する。

しかし、正直今まで自分は日韓史をあまりにも知らなかった。これを機会にもっと真剣に学びたい。日本を韓国から見たらどう映っているのか、屈辱の韓国近世史は韓国の視点で学ばねばならないと思う。歴史は感情を交えず客観的に直視すべきではあるが、一方自分が相手にどう映っているのかを知り、自分の正体を学びとる努力も大切だと思う。

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