定年後の読書ノート(極めて固めの本)
有斐閣新書 マルクス資本論入門
中央大学教授山中隆次、中央大学教授鶴田満彦、

福島大学長吉原泰助、 東京大学教授二瓶剛男

有斐閣新書 1976年初版 199524資本論の案内書、入門書として良く出来ている本
大切な個所なので、きちんとメモ。初期マルクス。1843年ライン新聞編集長を辞したマルクスは、ヘーゲルが「法の哲学」で展開した国家と市民社会の関係に関する観念論的把握の再検討に取り掛かる。当時ヘーゲル哲学の思弁性を批判し、キリスト教の宗教的疎外論を展開していたフォイエルバッハからの影響もあって、その唯物論ならびに転倒の方法を駆使し、次のような結論に達しました。

宗教とりわけキリスト教は、もともと共同体存在である人間が、現実において相互に疎遠な利己的個人となっていることから生じた人間の疎外態である。それと同時に、近代国家も私的な市民社会から生み出された人間の共同体的存在の疎外態にほかならない。したがって、近代国家に見られる普遍性、公共性も抽象的幻想にすぎず、ヘーゲルの国家論も実はこの抽象的幻想の展開にほかならないとマルクスは暴露する。すなわち、キリスト教において信者が天国では平等だが地上では不平等であるように、近代社会では人間は政治的法律的に平等でも社会的、経済的には不平等である。このような近代社会特有の政治的疎外の典型を、マルクスはブルジョア革命としてのフランス革命に求め、その研究を深めていく。

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