定年後の読書ノートより
レーニン・人と思想、センチュリーブックス、札幌学院大教授、中野徹三氏、高岡健次郎氏、清水書院
センチュリーブックスは、有名な大思想家の生涯と思想を、当時の社会的背景にふれながら解明してくれる入門書。

今回のレーニンは1970年発行になっており、それなりに、幾つかの問題を抱えている。例えば「プロレタリアートの独裁」について、「懐手でレーニンにおける「民主主義」と「独裁」との矛盾を説く人達は、歴史のもつこの冷厳な弁証法に目を背けるのである。」と思わせぶりに書かれているだけで、かっての一連の人達の印象と同じである。

私にとって興味深いのは、ロシアの如く遅れた社会での前衛のあり方と、ドイツの如き進んだ国の前衛のあり方について、レーニンとローザ・ルクセンブルクの1905年における論争である。

レーニンの、超中央集権的組織に、自覚した革命家を中核として組織していくやり方にたいし、ローザの社会民主党は、労働者階級それ自身の運動に党を位置づけている。ローザ曰く「現実に革命的な労働運動が現実の中で行う誤りは、歴史的に、「中央委員会」の完全無欠に比べて、はかりしれぬほど実り豊かで、価値多い」。ローザの大衆運動それ自身が持つ革命性と創造性に対する、信頼と確信は、革命の必然性、資本主義崩壊の必然性の位置づけ如何が問われる。レーニンは大衆の自然成長性に、ローザのような楽天的信頼をおいていなかった。

ローザ・ルクセンブルグの偉大さを考える時、白色テロに倒れた最後は悔やまれてならない。

しかし、レーニン亡き後の、スターリンの粛清を許した背景、ポルポト政権の大虐殺を考えるとき、資本主義の崩壊理論をもっとしっかり詰めて、始めて党の指導の正しさとは何かが判断出来ると考える。如何なものだろうか。

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