定年後の読書ノートより
絵を創る。
宮崎進、倉田章三著、京都造形美術大学編
絵を描くには、基本的な技法が必要なのは確か。しかし大前提として、何よりも「自分」というものが重要。

自分に何も無ければ、何も始まらない。自らの純粋な目で見て、純粋な自分で絵と対峙していられる、そう言う自分を創ることが、絵画創作の出発点であり。まさしくゴールでもある。

いろいろなことを見聞する中で、ものを書く楽しさが判ってくると良いと思う。楽しさが高じていくことで、

個性、自分なりの見方といったものが芽生えて来る。

色の選び方、構図の作り方は、ものの見方、考え方で決まってくる。見方というよりも、自分自身の哲学と言うべきかも知れない。これは絵に限らず、文学にせよ、音楽にせよ、総ては自らの哲学の目によって始まる。

石膏デッサンも、見ると言うことから言えば、大切な訓練。絵画の基礎は、見えていないものをどう見るか、見える、見るということは、自分という人間との対峙です。絵画理論では、セザンヌがすごい。「自然では、球と円錐と円筒に従って形成される」。

創造というものは、模倣から生まれる。最初から創造というものはない。模倣は全然構わない。ただ自分を失わないこと。自分をしっかり持って、埋没してしまわないこと。

感動するものは、そこにあるものではなく、見えないより深いものです。デッサンし、画面を組み立て、全体を結合しながら一つの表現になっていく。描きたいのは、対象が持っている全体の雰囲気です。

見えないものは、自分の一貫するテーマであって作品を通じて人に判って貰えば、それこそが絵画の楽しみ。絵というものは、自分の歴史でもあるのです。自分の総てであり、透過された自分自身なのです。

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