定年後の読書ノートより

人生は定年からが面白い 京大名誉教授 大島清著 講談社

京大霊長類研究所を64歳で定年、今年68歳になられる大島先生は、定年後の人生を愉快に楽しんでおられる。人間は、かって立花隆氏も取り上げた、快楽を促進させるという謎の脳の分泌物、ベータ・エルドフィン分泌こそ、自分自身を全身から気持良くさせてくれるメカニズムになっているという。

定年になったら、自分を活性化させ、積極的に脳のベータ・エルドフィンを分泌させなさいというのが先生の主張。先生は脳と性の医学者であられる。話は更に進む。人間の脳は、人類誕生から現在までの進化を、人の一生の間に、凝縮して繰り返している。だから脳の発達理論を適応させて、皮膚を鍛えることは、そのまま脳を鍛えることになるのだそうだ。スポーツによる身体リフレッシュは、脳の活性化に即刻結びつくとおっしゃる。

大島先生によれば、ヌルヌル、ベトベトは人類誕生の始発点にまでさかのぼり、性を楽しむことは人類誕生に関わりあうことだとおっしゃる。性の喜びは、ヌルヌル・ベトベト賛歌から堂々と解き明かして下さる。絵画、マウンテンバイク、水泳、バイオリン、チェロ、友達を山荘に集めて料理の腕をふるう。NHK料理教室にも度々登場されたとか。とにかく、合言葉は快感促進。“老いてますます盛ん”な生き方をご披露。しかし、パソコンとかホームページなんての言葉はこの本の最後まで出てこなかった。さすがのゴリラ教授もパソコンは苦手のようだ。ヌルヌル、ベトベトの快楽の世界の対局に、バーチカル現実を想定してみえるのが先生の人生観。

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