定年後の読書ノートより

資本論時代の技術革新、玉川寛治著、新日本出版社

連載第2回目。産業革命を特徴づけるのは蒸気機関と紡績機械である。産業革命という言葉を始めて使ったのは、エンゲルス。産業革命とは@繊維産業における生産機械の自動化。A蒸気機関の普及。B鉄鋼の大量生産。C機械工業の発達。D鉄道輸送網が特徴づけられる。

資本論の時代の綿糸紡績。粗りゅう綿機をスクリブラーという。精練紡機をジャック・フレームという。ミュール精紡機をツイストとウェフトで用途区分。例えば2・3階をウェフトミュール精紡機、4、5階をツイストミュール精紡機を置いた。スロッスル精紡機の糸はチーズ巻きとする。玉川先生、当時の紡績工場職制も詳しく調べられている。

ジフスタとは、絵で見ると篠のようだが、ジフスターサイドをスピンドルサイドとすれば、スピンドルは錘と呼ぶ回転軸だから記述の関係理解出来ない。ジフスターの絵の矢印が違っているのかな。我が国の紡錘車は亜麻の撚糸用のみに限られる。紡車の回転は2000回、フライヤ紡車江戸時代には使われていない。

理由はフライヤ紡車は羊毛には使わず、亜麻用であった為。マルクスはジョン・ワイアトの精紡機は指を使わなずドラフトするというキーポイントを読み取っている。アークライトはジョン・ワイアトの精紡機を改良しウオーターフレームを発明。スロッスル精紡機はウオーターフレームの改良。ミュールとは牡ロバと牝馬の交配種。ミュール精紡機発明によりダッカモスリンが衰退した結果について、衰退させたのはA・ティエール氏の指摘するごとき精紡機の原因であって力織機の原因ではなかったと、玉川先生マルクスの間違いを指摘する。ミュール精紡機は巻き取りが難しかった。ハンドミュールとは、内走に動力が導入され、300錘まで増錘されたものをいう。内走に動力が導入されても巻き取りは手動に頼っていた。リチャード・ロバーツがやったことは巻き取り作業の自動化であった。ここに四分円装置を取り付けた。自動ミュール精紡機をユアは「鉄人」と呼んだ。1785年エドモンド・カートライトは力織機を発明した。1800年頃まで手織り工はマホガニー時計を持つほど金回りが良かったが急激に没落した。理由は極めて急速な力織機の普及。

ニューコメンの大気圧蒸気機関は鉱山排水に活用。ジェームスワットの復水機の発明によって蒸気機関の工場動力化。

ダービーによるコークス製鉄法。銑鉄を練鉄にかえるバッドル法。圧延加工を可能としたヘンリー・ベッセマーによる銑鉄から鋼鉄を生産。トーマス転炉により鋼鉄生産国となった英国。

1825年、オールダムに綿紡績機械と力織機製造工場を作ったプラット社。資本論には、この他、クレイグ・ドナルド社の工作機、ヘンリー・モーズリーのねじ切り旋盤の著述がある。自動化は当時熟練労働者打倒の為であった。世界で最初の鉄道開通。ロバート・スチーブンソンの蒸気機関車ロケット号。産業革命で準備された生産技術が、英国資本主義黄金時代を迎え、その時期に資本論が執筆された。資本家に富が集中し、労働者の貧困が進んだ。

ここをクリックすると読書目次に戻ります