定年後の読書ノートより

文明の衝突、サミュエル・ハンチントン著、集英社
第3部 文明の秩序の出現

世界の政治の舞台は、文化の境界線にそって再構築されつつある。今や文明の断層線を境界として紛争が起きるようになっている。新しい世界では、文化的なアイデンティティが国の連合や敵対関係を形成する上で中心的な役割をはたす。

文化的アイデンティティがが、世界政治におけるその国の立場や、友好国や敵対国が決まってくる。中東における文明の協力関係は、東方正教会系のギリシャ、セルビア、ブルガリア、ルーマニアと、イスラム教徒の国であるトルコ、ボスニア、アルバニアに大きく分けられるが、イスラム教徒の国は未だ中核となる国がない。イスラム教徒としての意識を持ちながら団結しない。これが弱さであり、他の国にとっては脅威でもある。

異なる文明に属する集団の対立が、世界政治の舞台で中心的な役割を果たすようになる。

冷戦が終結しても対立は無くならずむしろ文化に基く新たなアイデンティティが生まれ、文化の異なる集団同志の対立が生まれる。日本は円ブロックを確立してグローバル作戦にしようとしたが、近隣諸国と文化的な繋がりを持たない、孤立した国日本では、実現は不可能である。むしろ中国人基盤によるブロック化が底流となっている。貿易のパターンは文化のパターンに決定的に影響されるだろう。文化的に孤立している日本は、今後経済的にも孤立していくほかあるまい。

日本文化は排他的で、宗教やイデオロギーを伴わず孤立国の文化である。

ロシアは共産主義によって自分達を西欧と区別出来るようになったとともに、西欧との強力な関係をきづいた。

非西欧社会のエリートは西欧を味方にしようとしたものが、民族自決と民主主義という言葉を使い、西欧に対抗しようとするものが革命と民族解放を唱えた。

NATOは西欧文明の安全保障機構になっており、西欧キリスト教世界のアイデンティティである。

ここをクリックすると読書目次に戻ります