定年後の読書ノートより

文明の衝突―第4部―、サミュエル・ハンチントン著、集英社
異文明間の間では、紛争が起こり易い。大きな要因は西欧と非西欧の関係がある。西欧は目下絶大な力を持つ一方、非西欧は着実に力を増している。非西欧から、西欧の価値観を眺めるとそれは帝国主義の価値観に他ならない。非西欧社会は経済・文化・軍事何れの面においても西欧の支配から抜け出したいと考えている。

イスラム・中国・日本・ヒンヅー・スラブ・ラテンアメリカ・アフリカは西欧とは別の文化を持ち、年毎に自信を高めている。これらの一部は共同して西欧に対抗する可能性は高い。西欧は自分達が軍事上の優位を保ち、西欧流の政治的価値観を押し付け、西欧社会の優位性を保とうとする。文明とは人類を分類する最終的な枠組みであり、文明の衝突とはグローバルな広がりを持った種族間の衝突であり、異文化間の紛争であり、異文明間の紛争は、文明の断層線で起こる。

中核国家間の戦争は異文明間で、世界的な勢力バランスが崩れたときに起こる。異文明間の対立を解決する為に、西欧がなすべきことは、まず第一に中核国が他の文明内の衝突への干渉を慎むこと、第二に中核国が交渉を通じて文明の断層線で起こる戦争を阻止すること、第三に普遍主義を放棄して文明の多様性を受け入れ、その上であらゆる分明に見出される人間の「普遍的な性質」つまり共通性を追求していくことが必要である。

ここをクリックすると読書目次に戻ります