定年後の読書ノートより
インターネット自由自在、東大名誉教授石田晴久著、岩波新書
石田先生は、ISOC委員であり、インターネットに関する世界的第1人者である。この本は、インターネットの操作法をマスターするハウツーものではない。あくまでインターネットを体系だったシステムとして理解出来るように書かれた本である。特にTCP/IPの説明は、日本のパソコンの歴史を作ってきたご本人だから素晴らしい。

インターネットの最大特徴は産地直送型データ送信であるということ、全世界のパソコンが一つのネットで結びつけられているということだ。これを可能にしているのが、メールで言えばPOP機能であり、インターネットでいえばTCP/IPである。ところで初歩的疑問として、1本の回線をなぜ大勢の人で共通利用できるか、これこそがインターネットの基本である。それはひとまとまりの情報を小さな断片に区切って送るバケットという仕組みがあるからだ。その技術基盤がTCP/IPというプロトコル(通信規約)である。

データをバケットに区切って1本の回線に集約するのは両端にPADというデータに宛先、送り主、シーケンス番号を書き込む装置が必要となる。シーケンス番号とは、データ送信トラブルチェック機能として信頼性向上に寄与している。

イーサーネットの考え方は、すべてのコンピュータを平等に扱い、中央制御装置は設けない。そのかわり各コンピュータに分散制御装置を儲けることにある。パソコンに分散制御を取り付けるのはLANの基本構成である。複数のコンピュータが同時にバケットを送り出した場合、衝突は分散制御装置で検出され衝突検出型搬送波多重アクセスとして乱数を使用して時間待ちする機構はこのシステムの一番興味深いところだ。

インサーネットバケットの構成は、プレアンブル8ビット、受信先6、発信先6、長さ2、データMAX1500バイト、エラーチェック4ビット構成からなっており、このシステムでバケットはケーブルを流れる。バケットの階層構造は、ホストAからホストBへのデータ伝送には、イーサーネットヘッダーとIPバケットからなり、IPバケットは発信元と受信先にTCPバケットがあり、TCPバケットはヘッダーとデータから構成されている。各パソコンのハードウェアに付いているのは、イーサネット番号でIPアドレスとイーサーネット番号の対応をルータが行っている。

IPアドレス間の中継機(ルータ)の働きは上位3バイトのネットワーク番号のネットにおいて、IPアドレスからハードウェアアドレスを呼び出し、途中経路を有効に通るよう経路が指示出来るようになっている。このIPアドレスを人間が使えるようにしているのがドメイン名である。JPはISOで決められている国別省略記号である。1バイトのデータには、イーサーヘッドの26バイト、IPのヘッダーの20バイト、TCPのヘッダーの20バイトと合計66バイトのヘッダーが付くが、このシステムによってバケットは世界の何処にあるコンピューターにでも届く事ができる。これがインターネットを構成している体系である。

ここをクリックすると読書目次に戻ります