定年後の読書ノートより
20世紀末資本主義−資本主義はどこへいく−井村喜代子著、雑誌経済00/9
著者は慶応大学名誉教授。
  1. 70年代初めの現代資本主義の変質=20世紀末の新しい事態・矛盾の根源

  • 「金・ドル交換」停止→「戦後IMF体制」の崩壊の意味とその影響(80年)

ポイント・基軸通貨国特権を利用したアメリカの国際的投機的資本取引き定着

  • 先進資本主義諸国の持続的成長・高雇用の破綻→経済の停滞・長期的失業

ポイント・設備過剰、投資鈍化、経済停滞、失業長期化、革新技術なき需要拡大政策

  • 新自由主義による規制緩和、福祉削減、競争市場原理至上主義

ポイント・社会主義衰退により脅威軽減、金融覇権強化。アメリカの覇権強化

  1. 2.アメリカの経済的覇権の再構築―情報通信革命とグローバル戦略

  • アメリカの情報通信革命と持続的成長の実現

ポイント・ソ連資本主義化の促進過程で、アメリカは大戦直後の経済力復活を志向

  • 遺伝情報処理システムの開発

ポイント・新産業開発の可能性があるが、倫理問題、有害性未解決

  • 情報通信革命と国際的金融活動の拡大

ポイント・アメリカは、赤字を外国の資本流入で目論む。国際的投機資本取引き

  • アメリカのグローバル戦略

ポイント・規制緩和、市場解放させて、アメリカの輸出拡大、対外進出をねらう

  • 経済のグローバル化における世界的独占再編と対抗勢力の低迷

ポイント・独占の世界的再編・強化に対し、対抗勢力低迷。これが20世紀の特徴

  • 国際金融証券市場の危機の拡大―通貨危機の頻発およびニューヨーク株式の異常高騰

ポイント・実体経済が順調でも、投機失敗があれば、一挙にドル暴落の危険性あり

おわりに

金・ドル交換停止→戦後IMF体制崩壊と規制緩和・競争市場原理至上主義が生み出したものは、国際収支の均衡化、ドル・為替の安定化ではなく、秩序なき国際通貨市場、管理しようとしても管理できない変動相場制である。

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