定年後の読書ノートより

どうやって「資本論」をよんでいくか、吉井清文著、清風堂書店
この本を読んだきっかけは、「高齢者の資本論学習の迫力と特徴」の章に何が書いてあるか読んでみようと買ってみた。その章に書いてあること。1つは、独習指定文献に挙げられているのでプライドから読む。きちんと学習するが、外れることに抵抗を示す。著者曰く。資本論は若い時に読め。老齢では手おくれ。しかしこの国の現実は手後れのかたまり。そうであるからそれをバネにいくしかない。それこそ生の始まりですよ。集中力の高さ、コントロールの巧みさなどさすが高齢者の特徴。その読み方明らかに遅かった。この著者の高齢者の資本論の取り組み方記述読んでみて失望。この著者、1932年生まれ、すでに高齢者なのに、高齢者が資本論に挑戦する意義を全然理解していない。この本の最初の失望。

この本の粘着質の文章にはうんざりする。とにかくひらがなを意識的に使い、資本論など不得意な「労働者」向けを意識したのだろうか、著者の教え込み文章が鼻につく。題名からして読むでなく「よむ」。著者の指摘は、「資本論」は最初読んで判らなくても、とにかく一気に最後まで読め。後ろを振り返るな。とにかく判らなくても読め。これが著者の資本論秘伝入門法。しかし、世の中にはなんとこの手の、自称理論家が多いことか。

しかしこの本の最後の章は味わい深い。1991年、宮本議長の赤旗インタビューから引用「覇権主義と果敢に闘うことが出来たのは、日本の国民の立場に立った自主的な道を行くしかないという方針。これはただ政治的な独立、政治的な自主性ということだけではなくて、科学的社会主義の学説、理論の根本を貫いた態度の結果です。学問的にも、哲学的にも、当然そうでなくてはならないという必然が、科学的社会主義の理論にはあるのです。この必然が貫いたのです」資本論をきちんと学ぶとは、こういう現在の問題にもマルクスが求めた、労働者として人間として、歴史を貫ける態度を身につけることだと宮本議長は指摘する。この指摘はすごい。

資本論を学ぶには、ノートをきちんとつけるとか、繰り返して読むとか、集中して読むとか、皆で読む等の指摘は、読者に参考になる。

資本論の理解し易い読書法として、自分は、ダビットスミスのイラスト版を見ながら考えるが、誰か日本の学者が、根気良く、資本論の一節毎に概念図をまとめてくれるとどれほど助かることか、まとめは概念図が一番理解し易いと思う。

商品の使用価値と交換価値、具体的有用労働と抽象的人間労働、形態と実体、現象と本質、こうした弁証法的に対になっている論理をイラスト化してもらえるとどれほど理解がすっきりすることか。マンガではなく、概念図が欲しい。いつか自分もトライしてみたいと考えているが。

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