定年後の読書ノートより
恐ろしい時代の幕開けードラマと人間―早坂暁著、岩波ブックレット
21世紀になると東京にはもう欅の木はなくなってしまうという。せっぱつまった状況が近づいている。せっぱ詰まった状況で人間は何を考えるのだろうか。

死へのステップには、死の拒否から始る。拒否に続いて怒りの段階があり、回りの人間に怒りをぶっつける。第3ステップは取引き、ひょっとしたらという機会を取引きで得ようとする。第4段階は沈鬱の段階、この時は辛い、しかしここを過ぎると死の受容があり、誰もが安らかに死を受け入れる。人間はせっぱ詰まらないと分からない。

ドラマを書くとは、人間を際立たせて書くことだから難しい。ここ数年、地球は有限だと判ってきた。地球はここ数年で確実に老化の段階、死への段階に入ったと言える。

原子力という偽のエネルギーを手にいれた人類は、これからどうするのだろうか。

先進国を中心に家族がものすごい勢いで崩壊している。国家とか、社会とか、組織は崩れていくかもしれませんが、家族というひとつの単位は、最後にして最強の単位のはずですが、その家族がいま崩壊しつつある。

21世紀になったとき、一番貴重で、尊重される人は誰か。それは、気立てのいい人です。気立てのいい人が宝になります。頭のいいのは一杯います。これから絶対大事になってくるのは、気立てのいい人です。人間関係をうまく処理出来て、相手のことを考えて優しい人、今こそ気立ての良い人が大切です。気立てが良いとは、相手側の視点が判るということ、切り返しの視点を持っているということ。

21世紀は淋しさをどうするかが最大の問題になってくる。人間は本当に孤独に弱いです。人間は地球上のエリートです。しかし幸運のシンボル人間は、かならずしも幸福ではない。人間は幸運ではあるが、それほどバランスがとれているわけではない。自然の方が、はるかに美しく、バランスはとれている。これから地球および人類は老年期に入る。上手に坂を下るのは難しい。地球は生命があふれる奇跡の星。我々は、地球の有限を知ってしまった。そういうことは知らない方が良かったかも知れないが、もう知ってしまった。面白いと言えば、面白い。悲しいと言えば、悲しい。人類は自分の死期を知ってしまった。いまそんな時間を地球は迎えているのです。

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