定年後の読書ノートより
インターネット術語集―サイバースペースを生きるが為に、―

矢野直明著、岩波新書

インターネットに関連して、飛び交う新用語を解説するというのがこの本の目的。しかし、この本の中で自分が一番興味を持ったのは、著者自身のこれからのマスコミとしての、新聞は如何にあるべきかの私見である。

著者曰く。多メディア時代では、情報の幅を狭め、趣味や関心によって、仕切られた範囲内で濃密な、自己充足的な情報伝達が重ねられる一方、それ以外への関心が希薄になっていく。これは社会を束ねる力が小さくなっていくことでもある。今の若者は好きなように生きていくのだから、それで言いのだと言うかも知れない。しかし、社会全体をきちんと見る目を養っておかないと、威勢のいい一刀両断的な意見が幅を利かせ、なるほどそうかもしれない、分かりやすくていいや、などと思っているうちに、一部の権力者によって世の中の動きを牛耳られ、結局はひどい目にあう。歴史がそれを証明している。(そうだ、ナチス台頭の歴史を忘れるな!)社会を束ねる新聞の力は、これから一層重要である。新聞の大切さは読者を総合的な視野に導くことである。それが新聞に求められている。

森総理「神の国」発言で、自民党はマスコミに強い圧力をかけてきている。一方、マスコミをまもる側の勢力は果たして、どこまでマスコミを擁護しているか、我々はもう一度新聞の大切さを自覚すべきだと思う。

ここをクリックすると読書目次に戻ります