定年後の読書ノートより
ほんとうの豊かさとは、暉峻淑子著、岩波ブックレット
硬直した社会の壁の前で、若者達は無力感にとらわれ、自分達が責任を負うべき社会に対して無関心になっています。いままでのようにただつくって売ることだけを経済の活力にしていると、生産力はどんどん高くなって、沢山のものが短時間で作られ、物は余ってくるに決まっています。

カネだけが見えて、社会が見えない企業は、方向を誤ります。人間の心がわからないと、ほんとうの需要を探しあてることは出来ません。お金だけ、或いは企業の中で出世することだけを考えれば、それが良いことだと考えられている。会社の為にいい社員、それは豊かではない。

遊びという経験を通して、自分が自分の主人公になれなかった人は、創造的なことが出来ない。いつも人に指図してもらって動く人になる。人間は、自分の人生の主人公になることによって、他からの強制でなく、ほんとうに自分がやりたいことが何であるかを知り、他人の立場も尊重出来る人間になる。

教育で一番大切なことは、子供が大人になり、いろいろな情報や事実にぶつかった時、自分の良心と心と頭、智恵、知識を総動員して、自分で正しい判断をする力がつくように子供の主体性をのばす教育をするのが、ほんとうの教育です。自分はどんな生きかたをしたら良いだろうということが決められる人間になることが、一番大切なことです。

生活の中にこそ、社会の矛盾ははっきりと姿をあらわしているのです。生活の中でこそ、解決の方向がわかるのです。

ここをクリックすると読書目次に戻ります