禁漁まであと?日・・・の巻き(後編その1)

9月も半ばを過ぎるというのに、まだまだ日中は暑い日が続く。
週末にかけて、接近してくる相次ぐ台風を気にしつつ天気予報のテレビを見入る。
「どうやら雨は避けられないようだ」・・・・・

最終月ということもあり、僚友の鎌田さんと佐藤さんとの3人旅に出掛けた。
今回は、「テンションバーの延長用意しましたから〜」と佐藤さん。
大人の判断?ですんなりゲートを通過し、「前編」で出掛けた2本目の上流」を目指
して林道を進む。
川は遥か眼下左下に時折、堰堤からの水音を響かせて蛇行を繰り返している。
今回は鎌田さんの愛用車での入渓、荒れた林道に、車体の腹が擦りっぱなしだ。

ようやく付いた車1台分のスペースにUターンして停車し、小雨の中で急いで支度
をした。「このまま小雨でいてくれると良いのだが・・・」

入渓ポイントは林道をしばらく歩いて戻り、堰堤で終わり、・・・堰堤の付近を覗きに
行くと ・・・・?????「れれれ?トラロープがセットされている?」
聞けば「堰堤狙い」が入るらしい・・・ まあいいや、初めて入る川だから、楽しみだ

入渓ポイント目指して歩き出す。   
「ここです」と佐藤さん。二人は「・・・・絶句」崖だ〜!「無理無理」
「ここを目指して崖を見つけたら、こちら側から降ります」となだらかに続く藪に入って
行った。「なあーんだびっくりさせやがってー」とは言ったものの、かなりの斜面で
木々に掴まり、足元確認で慎重に進む。途中2メートルほどの段差を必死で下り、
ようやく川に到着。

夜半からの雨で少々の濁り・・・この程度なら問題無いだろう。タックルのセットを
・・・・「あーーーー!」と声の方向を見ると佐藤さんの手塚ロッドのガイドが1ケ折れ
ていた。ブッシュを歩いて来たし濡れた手でロッドをジョイントしようとして・・・
まぁ釣りにはなる・・進もう。

早瀬の流れ込みに鎌田さんアタック!早速ロッドがしなった。と同時に魚体が右岸
に猛ダッシュ!・・・で痛恨のブレーク!  雨が上がり、合羽を撤収中にオイラが
少し上を狙ってフライを流す。
キタ−−−−−−−−−ッ (^。^)v

本日の1匹目ゲッツ!
何故?どうして?の尺レインボーが出た!
ヒレピンでガンガン走り、ジャンプする
パワー溢れる奴でした。

画面向かって、右上の緩いところから出た。

何故?レインボーなのか不思議ではあるが、佐藤君いわく「上でヤマメの稚魚を入れるのに混ざったのでは?」
と言う。それにしても、このサイズまで育つんだから、やはり魚はリリースして欲しい。綺麗なヒレピンだった。

さてと、気を取りなおして進む。今度は鎌田さんと佐藤君、交互にポイントを攻める。
今度はカーブしたブッツケからの流れ出しで鎌田さんヒット!

綺麗な幅広ヤマメに鎌田さんも、ニンマリ! (^。^)v
その後、レインボーを佐藤君が上げ、ヤマメやイワナも22〜25cmサイズが上がり、満足しつつ、とある
ポイントをオイラが攻める。
直角に右に曲る、岩盤へのブッツケの淵、右に深く左に浅く、数ヶ所で巻きの部分があり、
狙うポイントが沢山だ。小さな奴のアタックが有るものの、フックが#10と大きいのか?乗らずにいて、
流れ込みの際を流して、ピックアップの際にフライが水中を引かれ沈んだその時に「ズん!」とキタ。

とにかく、かつて無い重みが手に伝わり、「こりゃー大物だ」と心臓は高鳴り、「バーブレスよバレ無いで」
と思いつつ、ラインを寄せて、リールを巻く、ロッドティップが「くんくん・…!!」と水面へ幾度となく
突き刺さる。
「姿が見えない!?」・・・しばらくの時間が経ち、ついに観念したか?岸寄りに近づいてきたところに
鎌田さんがオイラのロッドを手に、オイラがラインを手で手繰り寄せ、ネットを背から外し、
近づけたら・・・・???
「ヤマメだ! デカイ!!」でも何故か?頭がこちらに向いていない??んん? 
冷静に見たら・・・「スレ」だ。
どうりで引きが強い訳だ!といいつつもネットに納めようと手を伸ばす。
が奴は最後のダッシュパワーでフライごと水中深く消えて行ったのだった・・・・・・無念。

格闘中!のオイラ。  しなるロッドに心臓バクバク、ラインを懸命に巻く。  PHOTO by o.satou

パーマークと、ヒレピンの左斜め後ろからの姿が脳裏に焼きついた!「必ずリベンジ」と誓い今日のところは
負けてやった・・・・ (^^ゞ
雨が強く降り出したので、木陰で休憩。。。。30分は経っただろうか? 小雨になり上流を目指し進み始める
と一気に濁りがキツクナリ、浮遊物も激しく流され始めた。「ヤバイ!上がろう!」

とにかく斜面にへばりつき、木々に掴まり藪を上がり、林道へとたどり着き、車へと戻った。川を眺めると
凄いことになっていた。濁流である。あのまま進んでいたら、上がって来れなかったかもしれない。

もう釣りは無理と判断し、車を走らせて、堰堤したの下流部を目指す。ここで佐藤君はラグビーの練習試合
の為お帰りとなり、鎌田さんと車内で昼食を取り、1時間程休息をして、下流部入渓点を川に向けて降下を
始めた。

水量、濁りともに然程変化は無かったが、堰堤までの区間をポイントを絞りつつ、スピードを上げて遡行を
始めた。

堰堤に近づいてきたら、魚影が濃くなってキタ。空には太陽が顔を出し始めて濁りも薄くなってきて、
木漏れ日の差す流れにフライを浮かべると、果敢にアタックしてくる魚達。

鎌田さんには、ナイスなヤマメが、オイラにはイワナが。行く目前には、魚道の無い堰堤がある。
「おまえ達、元気で居てくれよ!」と願いを込めて、流れに返す。
禁漁まで、あとわずかだ。川から抜かれて居なくならないでくれ!元気で!

日が傾き始めた谷間に冷たい風が吹き出した。 秋の気配が少しづづ近づいてきた・・・・・