常夏のタイ・クライミングツアー

玉井進吾郎

     日 程 20071124日〜122日朝

     参加者 L.玉井進吾郎、井上幸隆(かじか)、朝元浩子(甲山)、湯浅俊治(摩耶)、  新木啓介(摩耶)

 

3年前に一度計画したが、例のTsunamiで流れた。200412月、Tsunamiは中島君がタイから帰った10日後に押し寄せ、周辺に大きな被害を与えた。今回はタイへ3回も行っている井上さんにお世話になった。彼を除くと「お爺・婆クライマー?」と言うタイ・クライミングツアーであった。

出発少し前の寒波で立山一帯には大雪が降った、そこに入山するメラのパーティーを横目に24日、寒い日本から脱出した。タイのバンコクで乗り継ぎクラビ空港に20時過ぎに到着し、車でリゾート地・アオナンに猛スピードで向う。ホテルは1室朝食付きで1泊1000バーツ(日本円で約4千円)、エアコン・ホットシャワー付き。ここで7泊を過ごした。旅装を解いて早速街に繰り出す。たまたま24日は年に1回、11月の満月を祝う

お祭り「ロイカトン」で街中が大賑わいであった。夜空にミニ気球がオレンジ色の星のように漂っているのを見たのも初めてだった。半袖、短パンが丁度気持ち良いくらいの気温である。

 

26日、朝食は8時から。コーヒー、卵2個のオムレツか目玉焼き、薄硬い食パンorクロワッサン、ベーコンorウインナーの炒め、西瓜・バナナ・パイナップルのデザート、結構腹一杯となる。8時45分ごろにホテルを出てビーチに向う。目指す岩場は島ではないが、石灰岩の岩山なので陸続きの道はなくボートに頼るしかない。ボートは最大10人余だろうか?

 

出航の時間は決まってなく、ある程度お客が集まったらである。長い櫂にエンジンを乗せ、それが舵にもなっており、Long Tail Boat と呼ばれている。遠浅の砂浜で桟橋が無いから乗り降りはどうしても海水に浸からざるを得ない。波の高い時は腰まで浸かることもある。

運賃は@60バーツ(日本円で約200円?)。15分程でライレイウエストビーチに着いた。10分足らず東に歩くと反対側のライレイイーストビーチである。この辺りは立派なホテルが立ち並んでいる。ビーチ沿いに歩いて初めて岩場に到着した。ここはムイタイ、次がワンツースリーというエリアだ。時刻は10時過ぎだ。丁度満潮で岩場の近くまで潮が迫って来ている。ここの岩場は潮の満ち干き、日当たりによってエリアを替えて登るそうだ。初めてだからエリア「ワンツースリー」でアップに5を2本登る。次いでエリア「ムイタイ」のツララが垂れたようなルート(Muay Thai b+)にトライするが、2ピン目手前で敗退した。昼の休憩の後に「キープ」のエリアに行く。

左端にあるGengis Bondという6b32mのガバルートで本当に面白い。登っても登ってもという長く楽しい一押しのクライミングだ。帰りに磯を歩いてエリア「ロータイド」を見に行く。大きな岩場だが、ここにはルートは僅か5本だけとか? ライレイウエストビーチに戻り、ボートでアオナンに夕方に帰った。夕食はシーフードのレストランで腹一杯食べる。ビール大ビン2本込みで@1200円だから安い!

 

27日はトンサイビーチに向う。エリア「ダムズ・キッチン」の6bのルートは後半が難しくテンション。上手い外国人の登りを見学して結局1本だけで昼休み。昼からエリア「ファイア・ウォール」に行く。ここのチューブというルートはプロテクションが全てスリングで登り易く楽しい。初級者が安心して取り付ける好ルートである。

28日、今日はレスト日にしてホテルで完全休養をした。

29日、いつものように朝食の後、ボートに乗ってトンサイビーチに向う。アップの後、中島君から見て来てくれと頼まれた「ライオンキング」にトライした。中間部にはフレークを半円形に張り付けた形状。足はスメア、手はアンダーで右トラバースの後にレイバックで直上し、最後が核心ということだ。アンダーで右トラバースにかかったが、スメアが出来ずにあえなく敗退した。グレードが6c+(5.11c)だから登れるわけは無いよね。その後被った6cをテンションしながら登る。午後はエリア「ファイア・ウォール」で6b+のWhite hot herniasを登るが、2回テンションとなった。

 

30日、プラナンビーチの岩場Escher Wallに行く。ここでSさんがShort & Easyをオンサイトトライし、1ピン目手前で失敗し、グラウンドフォールした。幸い左手の打撲だけで良かったが、危ないところだった。

 

ここプラナンビーチは西欧人のリゾート客がビキニ姿で闊歩している。日本人はほとんど見受けられない。昼食後、ギャラリーが見守る中、気合を入れてLittle Shit 6cに取り付くが、前半のガバからハングを乗越すところでテンションになった。これがタイ・クライミングの最後の登りとなった。結局、6bまでで所謂イレブンとなる6b+は1本も登れなかった。最後の夕食は奮発してロブスターを注文した。

 

 

31日、10時半に車でクラビに向う。来る時には真っ暗で何も分からなかったが、タイの風景がよく分かった。クラビの旅行社「サクラ」のオーナーは日本人の奥さんである。街中の中華飯屋でラーメンを食べた後、タイガーケイブテンプルの観光に行った。帰りのフライトの時間調整をした後、空港に向った。1週間のタイのツアーですっかりリゾートクライミングに嵌ってしまった。

 

 

 

 

 

日時

エリア

ルート名

グレード

高さ

備考

11/26

One-two-three

Ling Noi

5

12m

OS(master)

 

 

Giggering

5

12m

OS

 

Muay Thai

Muay Thai

6b+

15m

2ピン手前で敗退

 

 

Nuat Hin

6a+

15m

OS

 

The Keep

Bottom Feeder

6b

16m

OS(master)

 

 

Gengis Bond

6b

32m

OS(master)

11/27

Dums kitchen

Schlingel Max

6b

15m

上部でテンション

 

Fire Wall

For Helga

6a+

30

OS(master)

 

 

The Groove Tube

6a

25m

OS

11/29

Dums kitchen

Schlingel Moritz

6a

15m

OS

 

 

The Lion King

6c+

12m

2ピン目で敗退

 

 

No Name

6c

12m

2回テンション

 

Fire Wall

White hot hernias

6b+

16m

2回テンション

11/30

Escher Wall

Short & Easy

5

13m

OS

 

 

As Far As Siam

6a+

15m

クラックでテンション

 

 

Mekong Crazy

6a+

15m

OS

 

Pra-nang Beach

Little Shit

6c

8m

2ピン目で敗退