登山教室第22回実技報告

 玉井進吾郎

 

日 程:2007223日(金)夜〜25日(日)        

目 的:登山教室実技講習22 雪山の歩行技術とテント生活を学ぶ

山 域:大山 

参加者:CL―玉井進吾郎、記録―有元眞理子、装備―大杖哲司、SL・写真朝元茂夫、

食料・会計伊東一江、井上智雪 (受講生)食糧―大沢律子 

行動記録:2/23 玉井車(玉井、有元、井上、大澤)は2010に元町を、朝元車(朝元、伊東、大杖)は2020にJR西宮駅北口を出発〜南光河原駐車場2325〜テント設営・就寝2400

2/24 0530起床・朝食〜出発0725〜(夏道ルート)〜6合目(08550910)〜大山頂上(10151045)〜6合目から行者谷尾根を下って元谷小屋(12001355)〜大神寺〜下山キャンプ場1430(泊)

2/25 0500起床・朝食〜出発0710〜大山寺〜元谷で雪上訓練(8001120)〜下山キャンプ場〜テント撤収し1200出発〜途中で湯原温泉に入る〜神戸に1800ごろに帰る

行動概要:

23日、朝元車が中国道に入って直ぐに通行止めに遭遇したので勝央SA合流を止めて現地に向かうことにした。天気は気圧の谷が抜けて次第に冬型になり、寒気が入って来ると予報されていた。溝口ICを出て大山の周回道に登るが雪は全くない。しかし油断は禁物だ。下山キャンプ場に向かう下り道が凍結していた。ブレークを踏むと少し横滑りしてヒヤリとする。下山キャンプ場の駐車場が閉鎖となっており南光河原駐車場へと移動した。道路は完璧に凍結していた。6人用テントを設営している時に朝元車が到着した。

24日、お湯だけ沸かして各自が朝食を摂る。井上君は風邪による発熱(38.9)のため車の中で待機となる。天気は予報通り冬型で曇っている。放射冷却もあって道路は凍結している。夏道登山道を登って行く。登り始め、雪はほとんどないが凍結しているので靴の運びに慎重さが要る。これも歩行課題の一つである。一合目辺りからやっと登山道が雪道となって来た。それでも例年に比べるとずっと少ない。五合目を過ぎると尾根通しの登りになり風も出て来る。六合目の避難小屋で休憩を取りアイゼンを履いた。井上君と無線交信したところ気分は少し良くなったとのことで安心する。風が強くなりエビの尻尾は登る毎に成長している。大澤はヤッケのフードも被っておらず、有元がいろいろ指導している。八合目になると急登が終わり木道になる。視界はほとんどない。この辺りの下り、視界が良くないとルートが分からなくなるところである。頂上避難小屋が見え、そのまま頂上に立って記念写真を撮った。小屋に入り休憩を取った。大阪労山のパーティーがおり、今夜は雪洞で泊まるそうだ。六合目の避難小屋を過ぎて夏ルートで元谷小屋に降りた。ちょうど12時に避難小屋に入り井上君と無線交信をした。風邪は治ったと言うのでこちらへ来るように言った。例年だとワカンの領域だが今日は雪面がよく締まりアイゼン歩行が出来るほどである。小屋で休憩の後アイゼン歩行の練習をした。井上君が元気に到着したが20分ほどで下山を始める。南光河原の駐車場から装備を持って下山キャンプ場に移動した。テントを舗装の上に設営し、お茶を飲んでからラジオ天気図を作図した。その後で夕食を作る。食材がたっぷりの「寄せ鍋」をきれいに平らげてしまった。

25日、5時に起床、雑煮を食べてテント撤収。南光河原の駐車場に引き返し準備をする。

大山寺から大神山神社をへて元谷に入る。天気は次第に良くなり視界も開け大山の山頂一帯も見ることが出来た。雪洞は無理なのでイグルーを作ることにした。ザラメを含む雪質だからあまり良いブロックは作れなかったが、約1時間で2人用のイグルーを作ることが出来た。その後、雪崩ビーコンによる遭難者の捜索を行なう。帰り道のよく締まった斜面でキックステップの登下降、斜登下降やトラバースを行なった。12時前に駐車場に帰り、帰路に着いた。

 

反省会(下湯原温泉「ひまわり」食堂にて)

玉井:4月から始まった登山教室も今回が最後の講習で、3月に予定している北八ツを残すだけとなった。今回は寒冷前線が通過し、冬山らしい天気になって、大澤さんはロックガーデン、比良と冬山の天気になった。歩行技術については、この雪の状態なのでワカンは使えなかったが、昨日は登山靴で、出発時は凍結して滑りやすい雪だったが、アイゼンなしの歩行、6合目からはアイゼンを付けて登り、下りも元谷までアイゼンで下った。課題のテント生活は雪がなかったので普通のテント生活になった。これで雪山の歩行技術は終わった。1回だけだが、雪山のテント生活も比良で一応出来た。雪洞は出来なかったが、イグルーを作った。中々チャンスがないので、スタッフも勉強になったと思う。

大澤:この教室を受けたのは、テント生活をしたいと思って。それと自分の会では行けない山行の為。今回はスタッフに恵まれすぎて、いろいろ言ってもらって良かった。

玉井:言われたことは分かった?

大澤:昨日はアイゼンの事。今日はアイゼンなしの歩行が出来て良かった。怖さがあるのか体重がかけきれない。キックステップも自分が思っている以上に踵が上げすぎだったり。大きな課題は体力で、トレーニングで体力をつけたら、いろいろ変わってくると思う。スノープレートのことが分かって良かった。

井上:昨日は熱を出して心配をかけました。体調管理に気をつけます。

伊東:あんな風に吹かれるのも初めてだけど、何とか登れて良かった。この1年間、スタッフとは言いながら、教えられるようなこともなく、自分が一から確認出来て良かった。この経験でこれから違ってくるのではないかと思っている。

大杖:昨日、もっと風が強く気温が低かったら、凍傷になった可能性があった。歩き方が少しはいいが、登りはピッケルを一歩づつついて歩いて、又、ピッケルをついて歩いてを繰り返している。僕もそういうこともあるけど、ずっとそうしていると時間がかかる。

朝元:一応天気に恵まれた。登ったら今日の方が良かったと思うけど。大澤さんの歩き方は比良山の1回目に大杖さんに言われて治っていたのに、今日は元に戻っている。へっぴり腰になって、悪い癖が出たかな。自分の足を信用して。いつもなら6合目からの元谷への下りはブッシュがないんだが今日は雪が少なくて登山道も途中でワケがわからなくなった。普通の年ならもっと快適にトラヴァース出来る。あのスノープレートは良くない。ツルッとしたのは滑る。

有元:2回目の比良では雪の斜面をアイゼンで歩く機会がなかった。風の強い時に風の方を向いて歩いていたが、背を向けるように。又、ピッケルも安全なところでは利き手でなくても風下側で持つように。左手が弱いと言っていたが、誰でも利き手じゃないほうは弱い。使わないといつまでも使えない。安全なところで使うように。足首が硬い。トレーニングしたほうがいい。どうしても曲がらなければ、みんながフラットで歩いていても自分はフロントポイントになる。人の真似が出来ないので、ピッケルの使い方もしっかり覚える。そうなると靴も柔らか過ぎる。プラシューズか底の固い靴のほうが楽だと思う。