西穂〜奥穂縦走報告

有元眞理子

 

日 程:208/9/12(金)夜発〜15日(月)

山 域:北ア・穂高

参加者:L・装−有元眞理子、食・財−朝元茂夫、気―清水玲子、医、記―伊部美穂

S―玉井進吾郎、装―伊東一江、記・気―古久保晴男、医、食、財―山村満寿美

行動概要:9/12(金)JR西宮2010発 多賀SA(休憩)ひるがの高原SA(休憩)

         ななもり道の駅 1150着(仮眠)   

9/13(土)曇り・時々雨

         ななもり道の駅450発 新穂高駐車場620710発 穂高平小屋805着(雨が本格的にふりだし910天気図をとる) 1000発 新穂高温泉駅10401100発鍋平高原駅1104着 しらかば平駅1115発西穂高口駅着(昼食) 1200発 西穂山荘テン場着1305テント張り1314 テン場発1400 独標手前引き返す1500 西穂山荘テン場着1530着 天気図1600 就寝1830 (3時間30分)

9/14(日) 曇りのち晴れ

         起床200 西穂山荘テン場発340 独標501 ピラミッド着?00:00西穂高岳616 間ノ岳725 間天のコル825 逆スラブ(休憩835)天狗岩900 畳岩頭手前1016 (休憩1120 1125) 馬の背手前1210(休憩)奥穂高岳1225着 穂高岳山荘1325着 反省会 遭難救助ヘリをみる 天気図1600 夕食1730 就寝1900? (9時間45分)

 9/15(月)晴れのち曇り 雨

         起床400 穂高岳テン場発520 林道手前648(休憩)重太郎橋751白出沢出合855 穂高平小屋着934  新穂高駐車場着1030 栃尾温泉露天風呂・昼食高速(2回休憩反省会)JR西宮着19005時間10分)

 

9/11 パッキングをしていると無線機の電池が無いことに気付くが、充電器が見つからない。玉井のところへ持って行って充電してもらうことに。駅で会うと玉井は3連休の天気予想をインターネットで取り出してきていた。日曜日が雨という予報だ。3連休のうち前半か後半が雨なら西穂〜奥穂だけでも、、と言う計画だった。真ん中が雨とはねえ。まだ天気図を見ていない。家に帰ったら連絡するわ、と言って玉井と別れる。2200の天気図をとる。そんなに悪い天気じゃないじゃん。予定通り出発します。とメンバーにメールを送る。

9/12 やっぱりぎりぎりになる。清水、伊東はまだだ。少し遅れるそうだ。2000はやっぱりきついかなあ。テント班毎に朝元、玉井の車に乗り込み出発だ。有元は食事をしていないので、早めに止まってと言うが、いつもの通り多賀までだ。みんなと離れて黙々と食べる。20分で食べた。神戸中央の小塩さんに出会う。鋸へ行くそうだ。当初は新穂高まで行く積りだったが、早めに寝た方が疲れが取れるだろうということで、道の駅で寝ることにする。

9/13 0時には就寝。起床は430。新穂高まで1時間ほどと言うことで登山口を700に出発できればいいだろう。500には出発する。途中で大雨が降ったり、日が射したり。道は広くなっていてこれなら夜中でも大丈夫かな。ところが無料駐車場が満員。ええ、、。車から降りて捜す。なんとか2台止まられるところを見つける。装備をつけて出発と言う頃雨が、、。まあ、槍までは問題ないだろう。今降り始めたばかりなんだから。沢をいくつか越えるので、降り続いていれば渡れないかもしれないが。雨の降り方にメンバーは一喜一憂する。今日はたいして降らないはずなのだが、、。山の天気は難しい。槍平小屋に着くと大勢の登山者が休憩している。私達も休憩だ。牛乳を注文する。なかなかおいしい。雨脚が強くなる。朝元は完全に後ろ向き。玉井は危険性が高まるということで、これも後ろ向き。後のメンバーはどうする?と言う感じ。山村は雨の岩場は怖いと言う。玉井の提案で910の天気図を取って決めることにする。

 高気圧に挟まれていはいるが、全体には高気圧を囲む等圧線内だ。高気圧は南東進し、明日はお天気は良くなるはずだ。

 

全員 準備OKだ

 

台風の影響もなさそうだし、、。ただ、今日の雨で岩場は少しは濡れているかもしれない。しかし、核心の涸沢岳へ行く頃には乾いているだろう。今日のこの雨の理由が不明。山では天気図ではわからない雨が降る。それが普通の縦走なら問題ないが、、、。他のパーティーは行く人、戻る人、様々。温泉に行こうという意見も出る。結局ロープウェイで西穂のテント場まで上がり、せめて西穂のピークくらいは踏もうということになる。

 この時期、ロープウェイは意外と空いている。上の駅で昼ごはんを食べる。西穂山荘まで1時間。ゆっくり登る。幸いにも、雨は大したことは無い。テント場も空いている。3連休と言うのに。天気が悪いからかな。お茶を飲んで下見と足慣しに行く。天気図に間にあうように戻ってくることとして、1時間登る。独標くらいまで行けるかなと思ったが、大分手前で引き返すことになった。テント場はいっぱいになりつつある。神戸労山のパーティーも来ていて、同じコースだ。1600の天気図を取る。ほぼ予想通りだ。台風が殆ど動いていない。後は食べて寝るだけだ。いきなり大雨が降り出す。どうなってんの?明日は行けるの?

有元パーティーの夕食はトムヤンクン。タイ料理で世界の3大スープの一つだという。朝元がタイへ行ってスープの素を仕入れてきている。エビやイカ、豚肉、野菜がタップリ入ったスープだ。スープの素を入れたとき、ツンときて咳が出た。食べられるかな?と思ったが、ミルクを入れると味がまろやかになった。玉井パーティーは肉丼。味見程度だけど少しづつ交換する。朝が早いので早々に眠る。ところが隣のテントがうるさい。とうとう清水が注意する。これで眠れると思っていると今度は小屋泊のおじさんが大声で携帯電話をかける。やっと終わったかと思えば、又、他の人にかけ始める。その電話で分かったがお月さんが出ているそうな。やっと静かになって眠りにつく。

9/14 有元パーティは200起床。トイレに行くが玉井パーティーのテントは静か。まあいい。出発が500だから間に合えさえすれば。パーテイーが多いことと、順番待ちが嫌、ということ。そして順調に行けば北穂くらいまで行って、キレットを越えようということだ。日の出は620頃。下見をしているので、暗くても歩けるだろう。独標くらいで明るくなってくれればいい。

 準備が早く430には出発準備が出来た。遠くの山はガスの中だ。独標までは昨日のオーダーで歩く。後続3名がやってきたので道を譲るが、直ぐにここは違うと戻って来る。ウロウロしてるので、先に行こう、と進むが、あれ?ここは違う。道を譲った時に正しい道を見落としたようだ。先行者3名が道を見つける。途中で朝元がザックを直したり、伊部が靴紐を直したり、、。清水はヘッドランプの電池が切れた。皆ザックを降ろして休憩する。空にはガスの間に星が見える。昨日の下見の地点を過ぎたので、トップを変わる。岩稜に入ってからのオーダーは昨日のうちに決定済み。玉井、伊部、清水、朝元、伊東、山村、古久保、有元の順だ。独標手前でヘルメットを付ける。だんだん明るくなって来たがまだランプが必要だ。後続が次々やってくる。先に行ってもらう。独標ピークで休憩している人が多い。私達はそのまま下りに入る。そして右が少し切れたヶ所を通過。玉井が気をつけるように言う。次がピラミッドピーク。そして西穂だ。すっかり明るくなった。

 

西穂のピークで記念撮影

 

記念撮影をする。ギザギザの岩稜が続いている。岩はところによってはまだ少し濡れている。山村にこれから先に行けそうか?確認する。皆さんは?先がどんなんか分からない、と言う返事だ。今までみたいな岩場がずっと続く。行けると思うという返事だ。慎重に下りに入る。ここからはこんなに登り下りがあったかと思うほど。名のあるピークは赤岩岳、間ノ岳、天狗岳くらいだろう。高く聳えて見える。みんな一生懸命だ。下りは全員が安全に降りるまで待つ。登りは急で息が切れる。お天気は曇り。汗があまり出ない。ちょうどいい感じだ。時々上高地が見える。お天気はだんだん良くなる。笠ヶ岳も見える。

 赤岩岳へは一旦信州側へ鎖で下る。長い鎖だ。玉井はなるべく鎖は持つなと言う。なるほど、岩が階段状になっていて手がかりもある。先行者は少し登りすぎて鎖の始点に降りるのに苦労していた。鎖場で後続が追い付いてきた。若い男の子とおじさんだ。昨日隣にテントを張っていた子だ。一旦祖母谷に降りて唐松から白馬へ下りるそうだ。次の連休までの予定だ。先へ行ってもらう。鎖場が終わるとトラヴァース、少し下ってコルへ。このトラヴァースで古久保が少し上をトラヴァースしようとした。前と間が開いてしまったのだ。そして急な登りだ。

 間ノ岳への登りはガラガラ。後続に落石しないように気を使うが、玉井は以前よりは良くなっていると言う。登り終わりに浮石があり、順々に注意して登る。

 

天狗の下り

 

次の天狗とのコルまで下る。間天のコルだ。ここからは逆層の岩が見える。下ってくる人を待つ。鎖がしっかりついているので問題は無い。がここでも玉井は岩を登れと言う。天狗岳からの下りも鎖場だ。ここはよく覚えている。登りだとちょっと被り気味でザックを負っていると中々大変。確かザックを上げてもらった記憶がある。下降は鎖にぶら下がる。コルは岳沢へのエスケープだ。ピークを越えるとジャンダルムが見える。ガラ場場の登りが続く。ジャンダルムを登るか?と聞かれるが、又々ガラ場の登りだ。止めとこう、と巻き道を取る。私達を追い越した女性は登っている。巻き道といえども楽ではない。玉井がえらいしんどそうだ。皆登れるのか?と思っていると鎖や杭がある。玉井はそれを使わなかったんだ。ジャンダルムを越えると奥穂のピークが見える。鎖が懸かるロバの耳を下って馬の背だ。下ってくる人がいるので休憩する。

 

ジャンダルムの下り

 

馬の背は階段り状で登り切ると少し下って、あとはピークまでほぼ平地だ。やっと着いた。握手と思って山村さんを見るとタオルで目をこすってる。あれ?どうしたんかな?感激で涙がでてきたと言う。それにつられて泣いてしまう。がいつまでも泣いている間はない。早く写真を撮らないと。祠前は順番待ち。西穂から縦走してきたおじさんにシャッターを押してもらう。おじさんも興奮状態で、シャッターを切りながらバンザーイと声をかける。

 

奥穂のピークでバンザーイ

 

それにつられてみんなもバンザーイ。さあ、これからまだ下降が残っている。気持ちを引き締めて下る。テント場は結構たくさんのテントが張られている。空いているだろうか?いきなり小屋の赤い屋根が見えてはしごの下りになる。登る人との交差で危ない。小屋の前にザックを置いてとりあえずテントの場所取りに行く。手続きは伊部が行う。なかなか出てこないので様子を見に行くと、メンバー全員の氏名が必要だと言う。手続きをしていると、人が落ちたそうだ、と従業員が話している。外に出てみるとはしごの下のテラスに人が集まってる。落石だとかはしごから落ちたとか、いろいろ言ってる。降りてきた人に聞くと意識はあるそうだ。じゃ、良かった。テント場は長い階段を登っていかなければならない。小屋の前で乾杯するはずだったが人が多いし、飲んでから階段を登るのはしんどいので、缶ビールを買って行くことにする。テントの隙間を見つけて宴会の場所をとる。いつの間にかカンカン照りになっている。みんなが持ってきたおつまみをつまみながら乾杯だ。明日はどうするか?上高地経由か?玉井は白出沢を下ろうと言う。他のメンバーは下ったことが無い。

 

空地で乾杯 暑い!!ここで日焼けした

 

小屋に様子を聞くことにする。そのうち、ヘリが飛んで来てさっきの怪我人を運んで行った。岐阜県警だそうだ。テントはどんどん増えて、あらゆる隙間が詰まっていく。トイレの横や小屋の前もだ。小屋も満員だそうだ。あんまり暑いのでテントに避難する。少しはましだ。今日は天気図が足りなくなったので、伊部と清水が天気図を書く。トイレに行く途中、摩耶山友会の中村さんに出会う。しばしお喋りする。トイレに行ったついでに白出沢の降り口を見に行くとおじさんが登って来た。なにか問題はなかったかと聞くと、えらくて物が言えないと言う。まあ、大丈夫と言うことだろう。夕食だが、ビールのおつまみを食べ過ぎて満腹だ。バラ寿司なんだが、、、。ともかくもお料理を始める。お隣はビーフン。今日も味見し合うことになっている。隣のテントから山村さんが調子が悪いと言う。吐き気と頭痛。本人は高山病だというが、そんなわけは無い。中々戻って来ないので、様子を見に行くと小屋の中で休憩していた。寒いという。外は中秋の満月だ。小屋は2000までということで、時間まで伊東と3人でお喋りしていると古久保が心配して様子を見に来た。山村の調子もだんだん良くなってきた。良かった。

9/15 330起床。5時出発。昨夜の残りで豪華な朝食が出来た。今日はトイレが行列で出発が遅れた。出発時にはもうヘッドランプはいらない。白出沢はガラ場のジグザグ道。

古久保が2回転倒してびっくり。ガラ場が終わって登山道に入っても気が抜けない道だ。左が切れていたり、木の根っこが多い急な下りだったり。滝を巻いて、水平道みたいなトラヴァース。川を渡り樹林に入る。2回目の休憩後、暫くして清水が左足を滑らせる。捻挫か?違和感があるという。念のためテーピングで固定する。歩いてみる。大丈夫そうだ。良かった。林道と合流。穂高平小屋はもと牧場だと思っていたら、牛がいた。牧場にもどったんかな? 近道で林道まで下る。水場到着。まだまだ車がいっぱいだ。駐車場に直行。栃尾の露天風呂に入る。気持ちいい。

 

新穂高の水場でホッと一息

 

御昼はそば屋さんに入る。隣の産直の店で果物や野菜を購入。連休の最終日で高速は少し渋滞があったが、1900には西ノ宮着。山村さんは途中で気分がわるくなって、しんどそうだった。玉井が最寄の駅まで送って行く。残り女4人は3時間ほど盛大に反省会をやって解散した。

 

 

感 想

山村満寿美

 7月から9月までクライミングやボッカトレーニングに加えていただき、そのおかげでジャンダルムに行けたものと感謝しております。はじめ伊東さんから「槍〜西穂の計画書が会で通っていくことになったよ!」と聞いたときには羨ましく思いました。私もトレーニングに来て一緒にジャンに行こう!と言われた時にはとても嬉しくてしょうがありませんでした。私が行ける所とは思ってもいませんでしたから!

一人ボッカしているときにも挫けそうになったら「こんな事ではジャンには行けないぞー!」と思いながら頑張ってきました。でもトレーニングでは足がつったり、体調が悪かってりで満足のいくトレーニングも出来ず焦るばかりでした。ジャンに行く当日は家にいても落ち着かず家の中をうろうろ、ザックの中身を出したり入れたり!

1213日も雨 あーあ!

しかし天は我々を見捨てなかったのです

14日は好天に恵まれたものの、このコースでの転落、滑落は重大事故につながること必死で、とくにジャンダルム、ロバの耳、馬の背など滑りやすく不安定な岩稜帯が続き、約20の大小の頂と垂直に近い鎖場やガレ場、浮石に注意しながら慎重に通過する。行程はきつく全神経をそそぐ所でした。「クライミングを練習していて良かった」と痛感!

馬の背を過ぎ奥穂が見えてきたときには、感きわまって涙が止まりませんでした。

リーダーの有元さんサブリーダーの玉井さん優しく接してくださったメラのメンバーの仲間の皆さん本当に有難うございました。

 

朝元茂夫

3月以降大きな山に行けなかった。今回の山行も有元さんから、今回人数が多いから荷物は持てるから行けば…と、有り難い誘いがあった。それから意識的にトレーニングをする。取りあえず16kg担いでも歩ける自信がついた、心臓にも負担はないようだ。

ジャンダルムは写真で見るかぎりすごい岩場の連続でぜひ行って見たい所の一つだった。

13日は雨で気力は萎えた…が、西穂高だけでも行こうとの玉井さんのアドバイス。後で考えるとさすがやなーと思う。

今回寝る時になって少し呼吸が苦しく感じた。急にロープウエイで登ったからか?ビールを飲んだからか?

 

トムヤンクンに腕を振るう朝元シェフ

 

寝不足からかわからなかったが…(結論は明日に持ち込む)

天気図も書ける人も書けない人も一生けんめい取り組む。天気図ではそう天候も悪くないはずなのに雨が降る…でも明日は良くなると判断した途端また雨が降る。どうなってるんやろー大丈夫かいなー

14日、ガスって居た天候も回復、これなら行けそう…気力も増してくる。幾つもの岩峰のピークを越える、写真で見るよりは、わりと登れるものだった。まーまーの時間で奥穂岳に到着、これで槍穂が完走した。この日は早くからビールで乾杯!呼吸のほうも落ち着いてる。ビールも飲んだ、寝不足もあった、やっぱりロープウエイで急に高度を稼いだからだ。

15日此処からの白出沢のガレ場の下降では足が疲れきった。

今回の山行は、メンバーの和気あいあいとした雰囲気で楽しく、久しぶりの充実した山行だった。メンバーの皆さん有難う御座いました。

反省点はパッキングのまずさから背筋が痛くなった。こんなパッキングをしてはいけない事。そして何年ぶりかに足が痛くなった事、トレーニング不足であると感じた。

 

伊東一江

 以前に槍ヶ岳から北穂、奥穂の縦走があったが雨の為、北穂からとなった。その時は初めての岩稜帯で、一つ一つ足の置き場を指示して貰い必死で歩いた。岩登りをするようになり、少しは余裕も出来るようになったので、槍からのキレットも行ってみたいと思っていた。槍から西穂までの欲張った縦走をしてみたいと企画をお願いした。剣が雨で撤退したので、天気が一番気になった。岩稜帯で雨になったらと思うと自信もない、でも当日は雨となった。穂高平小屋で天気図を取り行動を決める事になった。有元さんの判断では明日は大きな天気の崩れはないと言う。ロープウェイで上がり、西穂から奥穂へ行くことに。西穂山荘で晩には強い雨が降り不安もあった。2時起きで3時30分の出発となった。今思い出しても、はっきり印象に残っている所は少ない。やはり余裕もなく必死だったとゆうことだろう。本当に何事もなく8人パーティが楽しく行動することができ良かったと思う。天気も良くなり言うことがない。

 

老眼鏡3人組

 

個人的には今まで多人数での山行では、いつもアクシデントがあり満足とはいかなかった。それがトラウマになり苦手意識があった。今回しんどいながらも歩き通すことができ嬉しかった。怖いと思いながらも達成感がある。少しずつでも感じ方が変わってきているのは嬉しい。トレーニングを続けている成果だと思う。有り難う御座いました。

 

清水 玲子

今回の計画の第一印象は「なんか凄そう…。行けるのかな?」だった。地図を見ると、コースタイムも長いし、テント泊だから荷も重い。ただ、7,8月に山に行けない自分にとっては、ステップアップのチャンスと思って志望した。

昨年は職場の異動の1年目で、8月は仕事だけで過ぎた。今年の忙しさは去年以上だったが、自分なりにやりくり術を身につけ、8月に3回トレーニングに参加した。また、今年はパンプや外岩のトレの機会が多かったことが、いかに本番役立ったかということは、現場に行って思い知った。本ちゃんのメンバー全員でトレーニングすることがメンバーシップを作るということも実感した。(遅ればせながら、去年なぜ9月山行に参加できなかったかということを今さら本当に納得しました)

初日の雨は、皆のテンションを下げたが、西穂高岳ピークの少し先だけでも見れたらいいなと期待を持っていた。(私は西穂高3回目)初日に片道1時間、先を歩いたことが、翌日早朝の行動の助けになった。また、2時起床も歩いて納得。どの岩場が特に怖かったということはないが、あれだけ長時間、緊張感を持続させるということに疲れた。でも、指先がわずかでもしっかりひっかかると、安心して登ることができた、なんという(?)進歩!?玉井さんが先頭で、「まだまだですよ。岩を堪能してくださいよ!」と声をかけてくれて苦笑い、5時間歩いても半分も行ってなくて…。それがゴールを迎えたときは「着いた〜!」…ただ、それだけ。翌日のガレ場の下りも足にきて、帰って2日ほど階段がつらかった。

 

天狗岳で

 

失礼ですが、私の年齢でもしんどいのに、皆さんはホンマにスゴイ!スゴすぎる!と思います。

今の自分のレベルより、上を目指せる山行に参加できて、充実感がありました。ごはんも美味しかったです。皆さん、ありがとうございました。

 

玉井進吾郎

直前の数日が好天気だったので本番山行の天気が心配であった。13日の朝、道の駅「七森」で想定外に早く雨が降り出した。新穂高温泉で満杯の無料駐車場に車を無理やり置いて小雨の中を出発した。穗高平で天気図を取り、今後の行動について協議した結果、槍ヶ岳からの縦走を止めて西穂山荘に上がることにした。天気を勘案してせめて西穂高岳でも登りたいとの思いからであった。岩登り教室が終わってからは「槍穂縦走」がみんなの目標となり、直前の3週連続トレーニングは本番山行に相応しい内容で取り組まれた。槍穂に向けたみんなの思いと努力を雨で無にしてしまっては次の目標が定まらなくなる、それどころか山登りそのものの意欲すら無くしてしまいかねない。結果的に考えると有元リーダーの気象判断は正解だったのだが「濡れた穗高の岩稜を8名もが歩くことはヤバイ」という考えが先に立ち、気象判断も悪い方に考えてしまう。

14日予定通り、2時起床で340分に出発した。独標を過ぎてから少し明るくなった。天気は申し分ないほど良くなった。西穂高岳からはいくつものピークを登り、下って奥穗高を目指していく。難しいところやすれ違いなどで8人のパーティーだと結構時間が掛かる。それでも後続のパーティーにはあまり追い越されなかった。これはトレーニングの成果だと言えよう。特に問題となることもなく昼過ぎに奥穂高岳に無事に着いた。山村さんの感涙は驚きと同時にいつしか山の感激を忘れている自分を思い出させてくれた。夕日を浴びての乾杯のビールは美味しかった。おりしも今夜は中秋の名月だ。翌15日は白出沢を下って昼前に新穂高温泉に着いた。槍穂縦走の予定が半分になったが、中身のある半縦走だった。予定通りだと相当厳しかったのではなかろうか?

来年は北鎌尾根との声もあるが、もう一度槍穂を予定通り歩くのも悪くはないと思うよ。さあ、11月の岩登り合宿に向けて頑張りましょう。

 

伊部 美穂

槍穂高縦走の中では槍〜北穂高・奥穂〜西穂高は行ったことがなく、気持ちもワクワクしながら参加した。残念ながら1日目朝から雨が降り出し穂高平でルート変更が決められた。ロープウェーを利用して天候がよければ西穂〜奥穂高をめざすことになる。

ロープウェー駅で昼食しながらビデオに映る山景色をみてうらめしく思ったが、晴れたら

いけるかもとかすかな期待もあった。西穂テント場に着く頃には雨も上がってきた。下見後天気図、夕食準備、この日は朝元さん食担、はじめての「トムヤンクンスープ」野菜春雨魚介類たっぷりで本当においしかった。翌朝?2時起床。驚きの時間、雨は降っていない。暗い中ヘッドランプを付け玉井さんの後を歩きだす。途中まで下見にきていたのでわかったが下見していないと見通しがつきにくいと思われた。空を見上げると星が見える。よかった。西穂高に着く頃には明るくなり岩場・天狗岳で鎖場が増えてくる。

 

さあ、出発だ!!

 

玉井さんの後ろで手足の位置を追いながら歩く。2番手だったので後ろを振り返るとみんなも頑張っている。ザックの重さは16〜7kg。裏銀座縦走やトレーニングしたおかげで重さは気にならなかったが、ザックが大きかったのでもっとコンパクトにする必要があると思った。玉井さんからは「できるだけ鎖を使わないよう三点支持で」「自分を信じて」とアドバイス。あせらずあわてず手足の位置を確認してすすむ。8人のパーティーで多いが事前トレーニングしていたのでまとまりがあり、険しい岩稜も越えてきた。奥穂高1225分到着、山村さんの涙に思わずもらい泣き、やったー! 記念撮影ではみんな最高の笑顔。穂高テント場はいっぱい。乾杯のビールを飲むと眠気がおそってきた。穂高山荘手前はしごで転落しケガした人が救助ヘリで搬送されるのを間近で見た。事故がないようにしていきたいと痛感した。

 翌日 曇り ゴロゴロのガレ場、ときどき足を取られながら下る。長かった。ロープウェー乗り場が見えほっとする。全員大きなケガなく下山できた。今回は医療・記録担当だったが時計が途中狂るっていて時間がわからなかったり、テーピングする機会があったが素早く対応できるようにしていきたい。

 天候悪く予定ルート完走できず残念でしたが、今の自分の体力から考えると十分なコースで大満足でした。ありがとうございました。またいつか槍穂高縦走果たせるよう力をつけていきたいと思う。                

 

有元眞理子

 今回の縦走に大杖が参加するはずだったが、トレーニング参加の少なさと共に、パーティシップの不足を感じた。今後のこともあるので、2週間前に3役会議を行い、1週間前に直接本人に会って3役の考えを伝えた。リーダーの判断に従うとのことだったので、今回の山行への参加を断った。メンバーには出発まで間がない時期にパーティー編成が変わり、食糧、装備変更があり、迷惑をかけてしまった。もっと早く決断するべきだった。

 今回の山行は予定の半分の縦走しか出来なかったが、充実感があった。それは、やはり8人という、このルートにしては大きすぎるパーティーではあったが、一体感を保ちつつ、無事に縦走を終えることが出来たこと。これもトレーニングの成果である。又、この縦走に向けてのトレーニングの技術的な成果を実感できたことにあるだろう。トレーニングは有馬トリプルをロックガーデンの岩場歩きのトレーニングに変更して結局、後半3回とも同じコースでのトレーニングになったが、それが、目的の山にあったトレーニングであった。ただ、下りのトレーニングが足らなかったかな?と感じた。次回の課題としたい。

 山の天気は難しい。13日の雨は予想外で、にわか雨ではあるが、降り方が激しかった。

幸い、行動中は大した降りではなくあまり濡れずに済んだ。槍までならあの降りでも問題は無い。翌日の天候判断だが、良くなる方向ではあるが、少しは降られるかもしれないという感じはあった。岩場なので少しでも降って岩が濡れれば嫌だ。そこのところが、絶対大丈夫だということが言えない。15日になれば保証出来る。ということで、せめて西穂まで、せめて西穂から縦走路を見ることが出来たら、、。ということで、西穂山荘まで上がることにした。幸い天候に恵まれてた。みんな奥穂までで岩場は堪能したという感じで、緊張感も切れた。これからさらに先へ、、、というのは無理な話だと分かった。あっさりビールで乾杯した。

 山村さんの感激の涙には驚いた。みんなにその感激と喜びが伝染した。さすがに男の人は泣かなかったが、、、。又、大きな目標を持って、頑張りましょう。

 縦走はもうええわ、と言っていた玉井さん、お疲れ様。荷物は持つから、又、参加して下さい。

病気上がりの朝元さん、荷物は持つわと言ったけど、すっかり復帰。持つ必要はなかった。それどころか、食糧担当として大活躍。車の運転も、、、。全然病人として扱わなかったね。

伊部さん、登山教室の無念をやっと果たせた。初めてアルプス山行を共にしたけど、

体力も技術も問題なかった。これからも病気とうまく付き合って、長ーく山を楽しみましょう。

 清水さん、夏は忙しいのに、トレーニングに頑張って参加して、その合間に白馬へも行って、今年の夏は充実したね。

 伊東さんは、ほぼ自力で歩けている。その上、山村さんを終始、きっちりフォローしていた。

 私は奥穂からの縦走は数回経験があるが、西穂からは初めってだった。下りのややこしい場所か多いように感じた。16日、予備日とはしていないが、全員が休暇を取れていたので、頑張ってキレットを通って、槍まで行こうと思っていた。時間は遅くなるが、15日中にはなんとか下れるのではと密かに思っていたのだが。又の機会としよう。

 

駐車場着