甲ヶ山縦走報告

有元眞理子

 

日程:2007112日(金)夜〜4(日)

山域:大山

参加者:L・装―有元、食・会―古久保、渉―朝元、渉・気―伊東、医―坂上、

記録―山村

コースタイム:

11/3 米子445着 大山寺510532 大神山神社555朝食642

 下宝珠越714 中宝珠越830 三鈷峰分岐855 三鈷峰915

 分岐930 ユートピア小屋935 振子山945分 野田ヶ山1135

大休峠避難小屋1210(泊)

 11/4 635出発 矢筈ガ山725 甲ヶ山850 船上山1105 米子1630

 三ノ宮2005

 

 この山行は朝元が何度か計画して天候などの関係で完走出来なかった。本来なら朝元がリーダーを務めるのだが、中アと続くとしんどいというので替わった。いいのか?こんなの、と思いつつ。今回は天気も良くメンバーも多く、楽しくにぎやかに終えることが出来た。コースは変化に富み、途中ではブツブツ文句も出たが終わって見ればいいコースだったかな。

甲ヶ山の岩場は結構登りが長く続く。下りはイヤだなと思う。米子労山に問い合わせて船上山からの縦走より逆のほうがいいとアドヴィスをいただき、逆走して良かったようだ。道は潅木の枝が道を覆い、土壌は粘土質で滑りやすく、脚に力が入って、待望の景色も歩きながら楽しむなんてこと全く出来ない。紅葉の見頃は800mくらいか。上はもう葉が落ちて晩秋の雰囲気。下はこれからが見頃という感じだった。

 

 2日、三ノ宮からなら割引券があるので全員、三ノ宮発。座席は3列でゆったりしてトイレもあり快適なんだけど、なんか寝にくい。背もたれが身体に合わないというか、もしかしたらこのバス輸入品じゃないか?日本人向けじゃないのかもしれない。肩が凝って仕方ない。朝元や古久保も同じことを言っている。次は空気枕必携だ。

3日、まだ暗いうちに米子駅に着き、直ぐに予約していたタクシーで大山寺まで行く。気温は6℃。予報通りだ。出発と言う時、坂上、山村がペットボトルが空だと言う。この辺が会が違うと当たり前のことが当たり前で無い。メラでは水は汲んで来るもの。駐車場へ戻って水を入れてくる。大山寺からはヘッドランプがいる。ザックの底から出す者あり。電池を入れる者あり。いろいろあるなあ。

 

大神山神社でコーヒーを沸かし朝食を摂る。神社にはトイレも水場もある。知らなかった。ザックを負った人が何人か通過して行く。私達も出発だ。すっかり明るくなりお天気も良く快適だ。オーダーは朝元、坂上、古久保、山村、伊東、有元。坂上とはこの山行に備えて一度一緒に歩いたが、クライミングをしているだけあって岩場の歩き方は問題ない。が荷物が増えるとスピードが上がらない。古久保は雪靴を新調。先日から足慣らしをしている。今回も足慣らしの為雪靴を履いてきている。山村は八ヶ岳で風邪をひいて、まあ病み上がりと言うところか。朝元にゆっくり歩くように念を押す。林道を横切り下宝珠越えを目指す。大きな段差の滑りやすそうな登りが続く。約35分で稜線に出て一息つく。ここが下宝珠越えだ。早いやん。しばらくは快適な稜線歩きだ。日陰で暑くなくていい。右側は切れているところが多い。中宝珠越えで一服だ。途中で2級くらいの岩場がある。登りはいいが下りは嫌なところだ。ここまで意外と時間がかかった。左上して三鈷峰とユートピア小屋との分岐だ。ここで休憩。空荷で三鈷峰をピストンする。3月に見たときにはべったり雪が付き、簡単には登れそうにはなかった。雪が無ければ一部岩場があったり、やせ尾根があったりはするが一般道だ。ピークで山座同定する。お天気は良く360度の眺めだ。ユートピア小屋に寄って振子山へ向かう。ここからの下りが滑りそうでなかなか手強い。親指岩というのがあって、そこはやっかいらしい。少し下るとその親指岩が見えた。トラロープをフィックスした急な下りが出てきたが、ここですれ違いだ。322..3パーティーが続いて登ってきた。親指岩は樹木のホールドがあって問題ない。ピーク直下のトラヴァースもロープがある。あとは樹林の中を避難小屋を目指す。もう直ぐかと思うがちょっと休憩だ。結構時間がかかるもんだ。どんな小屋かなあと楽しみだ。やっと到着した小屋は結構大きくてトイレもある。周囲にはテーブルやベンチもある。ところが満員なんだ。ザックを置くところにも困るほどだ。小屋は?と覗いてみると、もう先着がいる。まず、お茶を入れて昼食だ。時間が早いので、きのこ採りのおっちゃんとおしゃべりする。籠にいっぱいだ。直ぐ側の木にたくさんあるきのこは毒きのこだそうだ。あんまり知らないきのこばかりで気持ち悪い。伊東は少しもらって、朝元は今晩の鍋に入れると言う。私は嫌だ。結局もらったきのこはベンチに置き忘れて翌朝には地面に落っこちていた。食べた人はいなかったんだ。

 

 時間があるので、今度はツエルトの張り方をやる。先日伊東がやって良かったと言うので、山村、坂上に披露する。するとその場にいたハイカーも見学に来る。実際に張るのを見たことがないそうだ。山村はテントを持って行くのなら必要ないのでは?と伊東に言ったそうだが。生地はフライと同じだから、やっぱりフライでいいじゃない?じゃ、ということでフライを取り出し試してみる。ツエルトはツエルトだ。フライではとても代わりにはならないと納得。日が翳り寒くなる。小屋があくまでテントを張って待つことにする。4人パーティーは休憩だけで、そのうちあくことになっている。有元はテントの方がいいけど、伊東、山村は小屋の方がいいそうだ。又お茶にする。小屋の様子を見に行くがいつの間にか、4人パーティーはいなくなり他のパーティーが入っていたそうだ。朝元達も諦めてテントを張りに出る。快適なテン場があるから移動したらどうか?と朝元が言う。周囲は樹林だったけど、どこ?あるある、フワフワ草地のテン場が。ただその前にはイガイガの木がある。すこし邪魔なのは切り取って快適なテン場となる。そしてやっと1600。天気図の時間だ。今日も天気図から言えばもっといいお天気のはずだが。明日は予報通りいいはずだ。そしてお楽しみの夕食だ。古久保の回鍋肉。水がいらない簡単鍋だがおいしい。ビール、ワイン、梅酒、日本酒。今回は水を2ℓづつ持って来ているので、お茶も結構自由に飲める。1週間前くらいから朝元の右手首の調子が悪かったんだが、今日の下りで手を使ってだいぶ炎症しているようだ。保冷材で冷やす。ちょっと腫れている。1900就寝。

 

4日、5時起床だが、早くから小屋でもテントでも声がし始める。仕方なく5時前に起き出す。お天気は曇りだ。どうして?まあ、雨さえ降らなければいいや。朝食はもち入りラーメン。きれいに平らげて、テントを撤収する。トイレが1個しかないので時間がかかる。朝元の手の具合は?無理なら下山しようか?と言うが、個々まで来て、と朝元の完走への思いは強い。オーダーは昨日と同じで出発だ。もう、明るくなってヘッドランプは要らない。出発して間もなく、先頭の二人がマッタケの香がするという。すかさず伊東が「松の木が無い」と応ずる。この道も登りが続くなんか滑りやすい道だ。少し歩いて衣類調整だ。4人パーティーが追い越していく。一人は全くの空荷だ。矢筈ヶ山からは急な下り。次の核心は甲ヶ山の岩場だ。どんなところなんだろう?

 

下るにつれ紅葉がきれいだ。山村が新緑の頃はもっときれいだと言う。そうかもしれない。岩場が出てきた。ロープがある。ここが地図にある岩場か?斜めに下って次に斜めに登る。途中の固定がないので、一人ひとりが登りきるのを待つ。順番に通過する。その後は稜線へ登り返す。かなりの距離だ。ここの下りは嫌だな。滑りやすいところもあるし。登り切って少し戻るとそこが甲ヶ山だ。ガスって景色はイマイチだ。ゴジラの背ってのがあるはずなんだが・・・とおしゃべりしていると、出てきた。ここがゴジラの背なんだ。ここで朝元が補助ザイルを出す。そんなんいるのか?おかしいなあ。一般道なんだろう?坂上、古久保が下る。結構時間がかかる。他に道ないのか?と尾根通しに行ってみると、ある。朝元も逆から見に来て道発見。残り3人は尾根道を行く。ゴジラの背と言うだけあって、切れているので危ないことは危ない。みんな無事通過。後は下りだ。勝田ヶ山は何処だがわからないまま通り過ぎた様だ。道も広く明るくなった。紅葉はこの辺りはまだこれからのようだ。だらだら下って船上神社に到着。そのまま避難小屋まで行って休憩だ。お茶を沸かしてね。ここから駐車場まで、又しばらく歩く。この下りが粘土質が濡れて滑りやすいことこの上ない。こんなとこで怪我するな!と見んな慎重だ。横は偉い景色のええとこで立ち止まって眺める。無事完走!!雨も降らずに良かった。

 

 ジャンボタクシーを30分くらい待ったか。温泉に直行。朝元の手はバリバリに固定。今日の下りも手を使ったからな、手首まで腫れていた。米子駅までバスで行き、食堂でそれぞれの当で乾杯。

 

かんそう 

山村満寿美 

長引く風邪で、体力、脚力が落ちている私は、皆さんに迷惑をかけずに歩けるのだろうか!?不安一杯を抱きながらの、山行参加であった。まだ薄暗い中、大神山神社にて神様にお尻を向け朝食をし(水、トイレあり)6時過ぎ、いざ出発。中宝珠からの大山の切り立った側壁に足が竦む思いがした。三こ山を過ぎ、振り子山を巻いた所から、急なのぼりと、そそりたつ親指ピークが見えてきた。わーすごーい!思わず声が出た。実際ピークに取り付けば、さほど恐怖感はなかった。しかし、登山道は、草が生い茂り藪こぎもあり予想外の道だった。大休峠の避難小屋は、すでに大勢の人で賑わっていた。我々はテントを2張りはり、時間があったためツエルトを張りテントフライの違いをはなしあった。ツエルトの利点は納得したものの、フライでも何か工夫出来るのではないか!と思っていた。ながーい夜が明け4日は曇りがちゴジラの背に向けいざ、出発!甲ヶ山の頂上の岩稜(ゴジラの背)は、両サイドが断崖絶壁にきり落ちている。頂上からの眺望は少しガスがかかっているが、スリル満点。ここで、雨が降らなくて良かった。稜線直下は急勾配。 粘土土、木の根道、苔むした岩で、ズルズルすべりやすかった。何処が勝田ヶ山か、分からぬままに船上山についた時には、ホ!!緊張の連続であった。藪こぎあり、木の根あり、岩あり、サバイバルにとんだ楽しい山行でした。良き山、良き仲間と天候に恵まれ藪こぎあり、木の根あり、岩あり、サバイバルにとんだ楽しい山行でした。良き山、良き仲間と天候に恵まれとても幸せな2泊3日でした。この様な山行に誘っていただいて感謝しております。ありがとうございました。

 

伊東一江

去年は雨で、船上山の神社までだった。今回は天気に恵まれ、大山寺から船上山まで、縦走できた。登山道は崩壊している所が何カ所かあったが、慎重に登れば問題なかった。あまり整備されていないので、藪漕ぎと下りが滑りやすく、太股が筋肉痛だ。大休峠の避難小屋はいっぱいだった。きのこを沢山採ってきていた。テントを草地に張ったので、冷えることなく、初めてテントでぐっすり眠れた。2日目はガスったり、晴れ間が見えたりと、余り良くなかったが秋山を満喫できた。6人のパーティで賑やかに、楽しい山行となりました。

 

古久保正晴

先輩の友人から大山の冬山は、アルプスを凝縮した山と聞いてきた。さすがに、雪崩が多発しそうな沢、雪氷が付けばアイスクライミングが出来そうな岩場、切り立った細尾根、岩稜有りと、変化にとんだ山容をなした山だ。確かにアルプスを凝縮した山容が整っている。

山陰地方は、弁当を忘れても傘を忘れるなと言い伝えがあるように、登山路の石には苔むし、その上に枯葉が積もり滑らないように足元に気をつけながら歩く、ブシュで足下が見えないので切り株に足を躓くので、この山行き足元に気を取られ景色をゆっくりと見ながら歩けなかったのが残念だった。

大休小屋では、この季節、遠く県外(岡山の倉敷)から、きのこ狩り来ている人たちで一杯だ。大山寺〜三鈷峰〜大休峠〜甲ケ山〜船上山コースは、ブッシュ有り、クライミング有り、細尾根有り、岩稜有りと変化にとんだコースで一寸したスリルも味わえ楽しい山行きだった。

 

テキスト ボックス:

朝元茂夫

一言で言えば、「やっと行けた」との思いが強いです。此処を計画すると仕事の都合や、天候不良だったり、何度となく拒まれてきた。長い年月かけて計画していた甲ヶ山縦走が今回何とか完走でき何よりです。今回も前の週に腱鞘炎になり、一時は諦めようかとも思ったが、当日痛み止めの注射しての参加になった。

到着が早いから小屋もあいてると思ったのだが、茸の季節で沢山の入山者もあり、大休み峠の小屋は溢れんばかり。

今回、米子労山の岡田会長にアドバイスいただき、コース変更などもしました。その節はお世話になり有難うございました。

それにしてもユートピア小屋から甲ヶ山迄は藪こぎと、よく滑る足元で気が抜けないコース、崩壊箇所も無事通過出来ホッとしました。

 

 

坂上真澄

伊東さんとハイキングリーダー講習で学び、その後もたまに勉強と交流をかねて一緒に山行させて頂いています。この度、声をかけて頂いて、参加させてもらいました。まず有元さんと二人で六甲トレーニング。六甲最高峰から降りてきて地獄谷へ向かう。普段あまり重い荷物を持たないので足にこたえる。地獄谷でとうとうついて行けなく、水をすべて捨ててもしんどく、有元さんと体力の差を感じた。地図の見方や歩き方など教えてもらい有意義な一日だったが、帰るなりバタンキュー。皆について行けるかなと心配。 

大山寺橋でタクシーを降り、大山寺まで歩いてから朝食を取ることに。食事用の水を準備してなかったので戻って入れてくる。他の方は準備していたらしい。要確認!!明るくなり、大休峠を目指して歩き出す。まず下宝珠越で休憩。少しペースが早かったようで、2番手の私は「ゆっくり歩けばいいよ」と言ってもらえたのでマイペースで歩き出す。地図には危険箇所表記が多く、大丈夫?と心配していたが、朝元さんが地元山岳会に問い合わせてくれていたらしい。見習わなくては!!

三鈷峰とユートピア小屋が見えだした。分岐で荷物を置き三鈷峰へ。ロープ・岩・急登、危なそうなので慎重に。頂上は360°の眺め。大山北壁。日本海も見える。海岸線の形ほんとに弓だわぁ。地図で山を調べ、しばらく景色を堪能する。また狭い登山道を、枝木をかき分け、ささえにして登ったり下ったり。本日のメイン親指ピーク。ロープを頼りに慎重に。視界が悪く、足元が見えないから良かったかも。ちょっとこわがりですんで。そのあと大休峠まで滑るのに耐えながら下った。やっと着いた避難小屋あたりはきのこ狩りなどの登山客でいっぱい。今までのあの静けさはどこに?歩行時間は短いが、足がものすごく疲れていたので今日はここまでで十分。ゆっくり休んで、お茶を飲んだり、ツェルトの張り方を教えてもらったりしてのんびり過ごす。山の中でのこんな時間はすばらしいです。天気図書いて(私書けないです)、おいしい夕食をとる。草のじゅうたん上のテント泊は暖かくて最高。普段の睡眠不足を解消できた。

快晴のつもりが、曇り空での出発。ヘルメット装着で気合が入る。今日のルートも枝木が多く、また滑るので要注意。小矢筈付近(?)の岩場、ロープが張ってあるのでそれを手がかりに渡る。濡れているので滑る。一人ずつ慎重に。他にも岩場がたくさんあり、慎重に登り、歩を進める。通称「ゴジラの背」ではロープを出してもらい下降した。ロープがあると安心だ。紅葉の樹林帯を下っていく。道も広くなり歩きやすくなる。船上山避難小屋で一息入れて終点の登山口に到着。無事に怪我なく降りてこられた!!先週の六甲トレの成果かな。良かったぁ。皆生温泉にゆったりつかり、疲れを癒す。最高ですね。皆さん、すぐに地図を広げられ、確認や復習をし、また気象地図を書いたりを自然にされていたのが、印象的でした。見習わなくちゃ!!またこのコース、今度はリーダーで行けるようになればいいけど、無理りだろうな、、、。楽しかったです。またご迷惑でなければご一緒させて下さい。お世話になりどうもありがとうございました。