雪彦山第二弾・出雲岩+三峰(友人登路ルート下部3P)

                              上田 治

日 程  623()24()

参加者  L.玉井、上田、坂崎(23日のみ)

ギ ア  ダブルロープ、ヌンチャク(各自8)、アブミ一組(各自)、捨て縄(支点補強用)

     その他、夏期アルパインクライミング装備一式

 前回の雪彦では、前腕の引付け力が弱く、A0でてこずった。この一ヶ月間、土日は、外へ出ずにジムのボルダー壁でひたすら鍛えた。その成果を試すため、再び雪彦へやって来た。梅雨の最中、まさか晴れるとは思っていなかったが、執念が実ったのだろうか?坂崎さんが晴れ男なのだろうか?梅雨前線が太平洋沖に下がって、23日は、晴天に恵まれた。前日の雨で、午前中は岩が濡れているので、出雲岩で人工登攀の練習、午後からルートに出た。最高の1日にだった。

 

 23()、お馴染みの夜行バスで6時に三宮に到着。玉井さんにピックアップしてもらい、姫路へ直行した。途中のコンビニで、坂崎さんと合流。8時前に、雪彦山の登山口に到着できた。前日の雨で、路面は濡れている。岩も乾いていないだろう。そこで、前回と同様に、出雲岩でアブミの練習から始めることにした。出雲岩に到着して、玉井さんに「岩が小さく見えるか?」と問われたが、頭上を覆いかぶさるルーフの下に立って、そんな気分にまずなれない。昨夜の雨で、ルーフの縁から水滴が落ちてくる。今回は、坂崎さんリードで、中央のルートを登ることにした。久しぶりとは思えない軽やかさで登っていく(写真)。出だしA2、3〜4ピン後に、垂壁になるが、ピンが遠くなる。上部は、A2の右トラバースを経てルーフへ。さらに、ルーフからリップ()を越えコケで滑りやすい垂壁を登って1Pの終了点に到達。続いて、セカンドで上田が登った。A2は、問題なし。垂壁の遠いピンは、アブミの最上段に立ち込めず、手が届かない。ヌンチャクを掴んで、アブミを掛けた。右トラバース、ルーフもてこずる。ここで、腕力を使い切った。リップの乗越しでは、新兵器として持参したスカイフックも、掛ける所がなく用をなさない。もたついているうちに、ラストで登ってきた玉井さんに追いつかれてしまった。テンションをかけつつ、何とか乗り越えたが、ここでかなりの時間をロスした。終了点で、残置スリング1本追加し、懸垂で降りた。

 

 

 

 

 

この後、予定の左のルートを中止し、右クラックのフリールートを再挑戦した。坂崎さんから、挑戦したが、ムーブを思い出せず、途中でロワーダウン、続く上田は、腕に力が入らずロワーダウン。玉井さんは、見事に一発でRPを決めた(写真左)。最後に。坂崎さんもテンションしつつも抜けた。午前の部は、これで終了。車に戻って、軽く食事をしてから展望台へ移動した。

 

(ルートの全景は、ここをクリック)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後の部は、三峰の友人登路ルートを目指す。基部に着いて、一番にしたことは、ヒルのチェック。靴の中に一匹潜り込んでいたやつを潰した。下部2Pを上田が、続く3P目を坂崎さんリードで登った。

1P目(W、A1):出だしからA1。ピンの距離は、そう遠くない。手ホールドもあり、難なくロープを延ばした(写真下)。途中、ピンが無くなった所で、右手のガバに移った。再びピンのある凹角へ戻る。左手に立ち木がある。立ち木に向かってトラバースするには、ちょっといやらしい。頭上に、ビレイ支点があった。ここで、長めにランニングビレイを取った。バンドをつたって左にトラバース。立ち木の上部を過ぎて、広い草付きテラスに降りた。

 2P目(V+、A0):1ピン目と2ピン目の間は、かなり遠くランナウト。少し緊張する。左にトラバースする箇所が核心らしい。良く見ればホールドがある。フリーで越えた。ボルダームーブの成果か。右上の立ち木に辿り着くと終了点。

 3P目(W+、A1):坂崎さんにリードを交代する。今度は、フォローで登る。バンドを左にトラバースし、左上する幅の狭いランペを登る。右壁、ランペのリッジをホールドにして、体を押し上げる。後半は、バルジ気味(膨らんだような垂壁)のフェース。思い切ってA0で登る。やがて傾斜が緩くなり、終了点に到着。終了点手前の右手には、思わず掴みたくなる岩があるが、これは浮石なので触らぬこと。

 ここで、16時半を回ったので、頂上を踏むことを断念し、ラペルすることにした。50メートルロープを結束すれば、2回で降りられる。再び取付き点に下降。ヒルの住処を下って一般道に出た。ここで、再びヒルのチェック。靴に3匹も付いていた。

 坂崎さんと別れて、その夜は、展望台で幕営。キムチ鍋で一杯やる。夜半、雨が降り出し、翌日のクライミングは断念、パンプへ行くことにした。

24()、朝から激しい雨になった。パンプでの成果は乏しく、華麗に登る玉井さんに感心。帰りは、玉井さんに、西ノ宮まで送ってもらった。毎度、便乗させてもらってありがとうございます。紙面を借りて、お礼申し上げます。

 

坂崎 智明

前日までの雨の予報もあり天気を期待することなく参加する。ところが予報と打って変わって晴れ間も見える天気となる。とりあえず出雲岩に向かう。久し振りのA3、ルーフ部分からの手順が悪い。時間が掛かってしまった。ルーフを越えるか迷ったが、ここの終了点が悪く、この態勢で補強するよりも抜けたほうがいい、またルーフを越えるのが核心であるので、上田さんに登ってもらおうと考え、ルーフを越えることにする。ルーフを越える部分で一瞬コケで滑ってヒヤッとしました。上田さんにも満足してもらえたのではないでしょうか。クラックは全くダメでした。出だしから疲れて核心では気力がありませんでした。気持ちが全く乗っておらずもったいないことをしました。

三峰で3ピッチ目を任されたがなんか時間が掛かってしまった。このまま4ピッチ目まで行くと時間が掛かるので懸垂下降する。順調に登っていても駐車場に着くのは19時を回っていたでしょうからいい判断でした。

今回はアプローチに疲れました。体力回復に努めなければいけません。