雪彦山第四弾・晴天に恵まれ快適クライミング

                              上田 治

日 程  825()26()

参加者  L.大杖、玉井、上田

(25日)9:05三峰友人登路開始(3ピッチから右派生ルート)〜12:30終了点〜13:35懸垂下降で取り付きに〜14:05三峰ダイレクト開始〜16:00に2ピッチ目で懸垂下降開始〜16:30取り付きに着く。

(26日)5:20テント場発〜6:10地蔵正面加古川開始〜紅菱会〜8:50終了点

 雪彦での練習は、4回目になる。今回は、穂高・屏風岩登攀に備えてアブミ中心の練習を行った。雪彦の岩にもだいぶ慣れてきた。その上、天気にも恵まれ、岩が乾いており、快適なクライミングを楽しめた。

 

25日朝8時、三峰の取付きへ向かう。取付きでヒルのチェック。右足の靴下に丸くなった一匹を発見。靴下の中に塩を一掴み播いたのが功を奏したようだ。駄目押しの塩を掛けて落とす。

1本目は、三峰・凹角〜友人登路〜右フレーク〜弓形クラック1P目、大杖さんリード。垂壁、浅い凹角に打たれたボルトにアブミを掛け替えて登る。数メートル登って、右手のガバを取ってフリークライミングに移る。ここは、ピンが少ない。少し登って、再び左の凹角へ。アブミで登ってバンドに上がる。左へトラバースし、立ち木を越えたところに広いテラスがある。支点も良い。2P目、大杖さんリード。頭上やや右手の立ち木を目指すが、ルートは、左に迂回して右斜上する。出だしは、ランナウトで2ピン目を越えたところが核心。ワンムーブがきつい。立ち木の根元が広いバンドになっており、支点も良好。左手の浮石に注意。3Pおよび4Pは、上田リード。右のフレークをカッコよくレイバックで決めようとしたが、脆いところがある。スタンスを見つけて足で登る。ランニングビレイは、ボルトとカムで取る。フレークの上部は、ルートがわかりにくい。A0そしてアブミを使ってピンを求めて左よりに登る。ヌンチャクを使いすぎて、残り3本になった。都合よく古いボルト2本が打たれたビレイ点にたどり着いた。その一段上がったテラスの方がビレイするのに良さそう(30m)4P目。傾斜も緩くなり、段差の多いスラブを登る。右手に白い浮石があるところが、目指していたビレイ点。ここを過ぎて、最上段のテラスを左に移動し、クラックを登る。出口は、かぶっているがガバで登りやすかった。ピンもかなりある。緩い斜面を登って終了点(40m)。立派な立ち木にスリングが巻かれており、これで懸垂下降できる。50メートルロープ2本を結束して、3回で取り付きへ。

 

2本目。ダイレクトルート2P目の草付きテラスの途中まで。上田リード。余計なものはデポして、水とヘッドランプだけザックに入れて、1P目をトライ。A2だがボルトが適度な間隔で打たれているので登りやすい。とは言っても、かぶっているので疲れる。えらくなった頃に、トップロープ用の支点が現れた。これかと思ってセルフを取ろうとすると、下から罵声。止むを得ず、さらに登り続けて、腕が限界になったところで核心が。ここだけ何故かボルトの間隔が広い。見ればポケットがある(中に水が溜まっていた)。アブミの最上段に立ち、ポケットを押さえて思い切って肩を伸ばして次のボルトにアブミを掛けるのだろう。ここのワンムーブは、荷物を背負っていなくともきつい。フィフィをポケットに掛けて、アブミをワンステップ高くして、何とかクリア。あ〜やれやれ。2P目は、見た目ほど難しくない。傾斜が緩くなり、スタンスもある。1Pを登った後だけに、とても登りやすく感じた。左の草付きテラスに移ると、すぐビレイ点が!ここは、下から見えないようだ。支点を作っていても声がなかった。が、セカンドで登ってきた大杖さん曰く、「こことちゃうで。」左に見える凹角をトラバースした先がホントのビレイ点らしい。ここで、16時になったので、終了とした。気持ちよい空中懸垂で下降。下降地点の木々の枝葉に、祝福され名誉の擦り傷をいっぱい頂戴した。

 

その夜は、お好み焼きとビールで乾杯。ビールの上手いこと。つい飲みすぎてしまった。月夜の下でごろ寝していると、やぶ蚊が不浄な血を抜いてくれて酔いがさめる。テントに入って寝直す。翌朝、3時半起床の予定が、4時過ぎに起きた。飯を食って、テントをたたんで5時過ぎに出発。この時間帯は、夏でも涼しい。

 

6時頃に、地蔵・正面壁(加古川ルート〜紅菱会ルート)の取付きへ。天気は、申し分ない。1P目大杖さんリード。はじめ左斜上する。最初、ランナウト気味だが、やがてピンが近くなってくる。このピッチは、長いのでヌンチャクの使いすぎに要注意。左手に立ち木があるテラスでピッチを切る。2P目、上田リード。リングが飛んだボルトのヘッドにナッツのワイヤーを掛けてランニングビレイとする。フェースから左側のバンドに移って終了。ここは、フリーのために、ペツルで立派なビレイ点が設置されている。紅菱会ルートの3P4Pは、玉井さんがリード。驚くことに3P15分以内で登ってしまった。適度な間隔で、リングボルトがつたれており、リズムにのって、アブミを架け替え登る。下部の核心に、新しいボルトが数本打たれていた。浅いハングを2つほど超えて、左のクラックをレイバックで登り、クラックから左のフェースに体を出す。高度感を満喫できる。4P目は、右のチムニーをステミングで登る。チムニーを出たところに、フリー用の下降支点がある。3P目は、ここで切っても良い。やや左に行って、ガバを拾って地蔵の頂上へ出る。陽射しが強く暑かった。ビレイしていると、クライミングシューズの踵のソールが火であぶったように熱くなった。

今日のクライミングは、これで終了。もう1本登りたかったが、無理をせず下山した。帰路は、玉井さんに三宮まで車で送っていただいた。ありがとうございました。

 

雪彦山の感想

                                玉井進吾郎

最近の雪彦山で思うことだが、クライマーをあまり見なくなったようだ。8月最後の土日に屏風岩に向けての直前のトレーニングを雪彦山で行なった。今回は土日とも誰にも会わなかった。多いのも困るが、誰もいないのも寂しい。また、天気は大変良かったが、暑さがもの凄かった。汗臭いシャツとタヲルに自分自身が閉口した。

上田君は春から4回もの参加である。遠い関東から本当にご苦労様である。彼は毎回着実に力を付けていることが目に見えて分かる。今回はヒヤリハットなどもなく、全員が力を併せてクライミングをすることが出来たのではないだろうか。

3人パーティーは二人がツルベで登るのに比べると時間がかかる。特にロープ操作などで結構ロスタイムが出てくる。ロープの結び替えやこんがらがったロープを捌いてビレーヤーに送ることなど結構大変である。これらの作業を皆で自主的に分担しなければならない。雪彦山ではまだまだ時間がかかっていたようだ。

久し振りに登場したお好み焼きは結構好評であり、ビールも美味しくクライミングの話も弾んだ。12夜の月は明るかった。来週は屏風岩が待っている。

 

                                大杖哲司

今月2回目の雪彦トレに行った。屏風岩のホンチャンが迫っているので玉井の提案でアブミ主体のルートにする。

 初日は、最初の2ピッチは大杖リード。ここは久しぶりだ。三峰のなかではこの友人登路が最も好ましく感じられるが3ピッチ目からは右にそれて傾斜が少しゆるくなったアブミルートに向かった。ここから終了までは上田がリード。特に問題なしだがロープがフレークの鋭い岩角にあたるのが気になった。このピッチがもっともおもしろく感じられた。4ピッチが終わって懸垂下降を2回で取り付きに下りた。

 ダイレクトは、このルートが初めての上田がリード。上田は2P目途中でビレイ点としたが、これ以上登ると遅くなるので降りることにした。

 2日目は、加古川を1P目リードする。前回よりも慣れたが下部でランナウトするので緊張する。日常トレーニンができていないのでムーブに自信がもてない。暑くなってきたなかを上田、玉井の順番でリードして終了した。

 アブミを掛けかえるときに腕を通さずにすると落とすことがある。以前にダイレクトを登っていたパートナーが落とした。1P目だったのでそれを引き上げた。当たり前だが落とすと登れない。ホンチャンでの敗退につながるかもしれない。お互いに気をつけよう。