2008年春山山行報告 白馬岳
有元眞理子
山 域:北ア 白馬岳
目 的:3000mの春山を経験する
参加者:L有元、食・財・記−清水、装−
タイム:
4/25 23:00JR西宮集合・出発 多賀・恵那峡SAで休憩 2:55駒ヶ根SA着
4/26 仮眠後6:30起床・朝食 7:10出発 9:00白馬駅近くでパッキングと買い出し、岩岳スキー場近くで小屋のカギを受け取り 10:10栂池着 ゴンドラ〜リフト乗車11:05山頂駅着 11:15大経大ヒュッテ着 雪かき・昼食 16:00天気図 16:30夕食 19:30就寝
4/27 5:00起床・朝食 7:00行動開始 8:30稜線に出る・小休止 10:00乗鞍岳ピーク着 小休止 10:45白馬大池、小屋着 防風壁作り 11:30テント設営 12:00昼食 12:40トイレイグルー作り 14:00〜15:00滑落停止トレ 16:00天気図 16:45夕食 20:00就寝
4/28 3:00起床・朝食 4:50行動開始 5:55小休止 ここから強風に 7:34小休止 8:20最後の直登 8:40白馬岳ピーク 8:55下山開始 9:30小休止(主稜をのぞむ) 10:08看板 10:30小休止 11:30テント着 昼食・休憩 14:00〜14:40 グリセードトレ(雪すべらず) 〜15:40周辺散策 16:00天気図 16:45夕食 20:00就寝
4/29 4:10起床・朝食・テント撤収 5:50行動開始 6:15乗鞍岳ケルン 6:30下りはじめる 7:15祠 7:50ロープウェイ駅 ヒュッテに寄り、林道経由 9:10ゴンドラ駅着・乗車 9:30駐車場着 鍵を返して糸魚川方面へ 10:40道の駅小谷 入浴・昼食・反省会 12:30糸魚川IC 17:50西宮着
出発は有元の都合で少し遅めだが22:30にしてもらった。ところが清水がJRの事故で遅れて出発は23:00になる。それでも予定通り駒ヶ根SAで仮眠する。4時間ほどの仮眠だが横になれるということは幸せ。
白馬駅前のJAに寄る。開店は9:30。待ち時間の間に装備の受け渡しを行う。野菜も肉もいい品物がある。山菜もいろいろあった。山小屋の鍵をホテルに借りに寄る。この辺りは桜が満開だ。ゴンドラ乗場でザックのウエイトを計る。みんな25KG前後だ。なにしろビールが一人4本だからね。ロープウェイの中から小屋が見える。小屋まで下る。先ずは玄関の扉を開けるために雪かきをする。小屋は予想以上に立派な小屋で、電気も通っている。石油ストーブもある。3人は大感激!!古久保さん達が材木を担ぎ上げて作った小屋だ。お茶を飲み、掃除などして早めに夕食の準備をする。外は雪だ。お天気なら外に出て散歩でもしたいところだが。アルコールはたっぷりで、ストーブでサツマイモやしいたけを焼いて当にして飲み始める。16:00に天気図を書き、その後、本格的に焼肉を始める。いい気分になり
4/27 白馬大池まで行くだけなのでゆっくりだ。具沢山のスープとパンの朝食だ。ゴミは小屋にデポして帰りに取りにくることにする。お天気は曇り。積雪はザラメっぽく、少し潜る程度。古久保、清水、
4/28 雪が緩む前に歩きたいので早起きだ。が、お天気はイマイチ。なんで?あの天気図でこんな天気になる?視界は20mほどか?古久保は夏道通しで歩く。まあ、視界がない時はその方がいいか。風も結構強い。いくつかのピークを越える。小蓮華はまだかな?鉄杖が立っているはずなんだが、見当たらない。おかしいなあと思いつつ歩く。視界は相変わらず悪いが、時々ガスが晴れるので歩ける。主稜線に出ると風は一層強くなる。視界も相変わらず悪い。目に前に急な雪壁が現れる。こんなとこ登るのかなあ。巻くんじゃないか?と思う。しばらく視界が出るまで様子を見ることにする。一瞬視界が出た。どうもこの壁を登るようだ。登り切ると見覚えがある景色がある。ピークは意外と遠い。やっとピークだが余りにも風が強いので記念写真を撮ると直ぐ下山だ。このまま視界がないと下りはトレースをきっちり追っていかないといけない。ところが幸いなことに、風は次第に収まり視界も良くなった。小蓮華からは大杖パーティーが登っているはずの主稜がきれいに見える。10人程が登っている。今頃取り付いた頃だろうか?風も収まりお天気はいい。トレースもバッチリだ。快適に登れるだろう。私達ものんびり歩く。テン場跡で休憩だ。緩い傾斜で
4/29 下山日は快晴だ。キムチ鍋の出しで雑炊だが、それにとろけるチーズを入れるというのが一工夫だ。なかなか美味しい。チーズはキムチに合う。テントを撤収しブロックを壊す。トイレのイグルーも壊すがその前に、清水が上に立ってみる。イグルーはかなり雪が締まって壊すのに結構時間がかかった。帰路はケルンを目指す。こんなところだったかな?兎に角まっすぐ登ったらそこにケルンがあって、そこからまっすぐ歩けばテン場があったと記憶していたんだけど。古久保は基本的には夏道を取るようだ。ケルンから大きく左へ向う。ここから天狗原へ下るのだが、結構きつい。祠を目指して下るとなると斜め下りになるので、真横にトラバースして傾斜の緩いところを下ることにする。清水はかなり急な傾斜もドンドン下る。有元はアイゼンがずれやすく、急な斜面は下れない。バックステップでトラバースする。直下降なら大丈夫と思ったがそれも、やや不安。で、再度バックステップで下る。春山も行けると聞いて買った登山靴だがちょっと無理みたい。ザラメのトラヴァースでもアイゼンがずれる。アイゼンを直しながらロープウェイ駅まで下る。当初ここにザックを置いてゴミを取りに行く予定だったが、登り返しが嫌だし、始発まで時間があるので、小屋からゴンドラまで歩いて下ることにする。
林道はきれいに均されている。小屋は林道から直ぐだ。ゴミを分担して持つ。しばらく林道を歩き途中から樹林を下る。締まった雪で良かった。ゴンドラであっという間に駐車場だ。鍵を返しにホテルに寄る。昨日下界はいいお天気だったそうだ。やっぱり山だけだったんだ。帰りは日本海回りで帰ることにする。途中の道の駅で温泉に入って昼食、反省会を済ませる。大杖らも順調に登ったと坂崎からメールが入る。良かった。高速は意外と空いていて明るいうちに西宮に着いた。
感 想
清水 玲子
奇跡的にGWに休みがもらえ、参加できました。食糧担当をそろそろやらねば…と立候補。期間も長いので、定番メニュー+新鮮さで考えました。その感想も交えて。
1日目JRの遅れで遅刻し、皆さんを30分待たせてすみません。快調に運転していただき、駒ヶ根SAにてテントで熟睡。全然寒くなかったです。
2日目白馬駅近くのJAスーパーで肉を買うぞ!とやる気まんまん。開店30分前に着き、パッキングをしながら待つ。
3日目快適な小屋で目覚めもよく、朝食はベーグルにクリームチーズやツナをはさみ、コーン入りのポタージュスープ。ストーブでベーグルを焼けたので美味しかった。いよいよ行動開始、尾根に出るまでずっと古久保さんがトップ。暑くて汗が出る。祠を過ぎて、乗鞍の登り。ラッセルもあり、途中で清水がトップに。重い荷物で息が切れ、足が止まる。「足が止まらないペースで!」と有元さん。牛歩ってこれか、というスピードで進む。上がずーっと見えているのに、なかなか終わらない。上がるにつれて、風が強くなる。内心、「もう代わって〜」。みなさんの励ましで、なんとかたどりつく。今回一番体力的に「がんばった!」瞬間でした。
白馬大池までは少しだが滑るところもあり慎重に。10:45に小屋付近に着きテントの防風壁を作る。スノーソーの威力はすごい。道具は使えると便利。テントで昼食後、今度は「トイレイグルー」作り。仕事で、子どもとイグルーを作ったことがありますが、やはり「プロ」は違う。早い!特に
4日目3時起床、朝食はもちと焼き豚入り棒ラーメンで温まる。少し緊張しながら行動開始、でも荷物がとても軽いので気が楽。昨日午後、小蓮華山方面に6人ほどの人影が見えていたが、その人たちが途中でテントを撤収していた。次第に風が強くなり、身体の右側から吹いてくる。でも、「2月の八ツよりマシ」。小蓮華山頂の印(鉄剣)が見えず、おかしいなあ、おかしいなあといいつつ歩く。ひときわ急な斜面が目の前にそそり立ったとき、視界が真っ白に。「このままだと、ちょっと待ったほうがいい」と
5日目最終日が快晴というのは、後ろ髪をひかれますが仕方ありません。朝食はキムチ鍋の残りにとろけるチーズを入れたチーズ雑炊。お試しください。さっさと撤収し出発。大池の上を歩くとき、古久保さんが「落ちひんかな」と心配していたのがおかしかった。乗鞍のケルンで記念撮影。遠く雨飾山や妙高が見えました。そこから、「壁」下り。最初は何気なく歩きはじめたが、かなりの斜度。2、3度アイゼンが効かず足がずれ、ヒヤッとする。斜面にはシュプールがあり「これスキーですべったら最高やなあ」と思いながら一歩一歩降りていく。景色が球体のように広がり日の光で雪面がきらきらしていて、降りたいけれど降りるのがもったいないような気分でした。
小屋を経由しロープウェイに乗らず歩いて降りるとき、これから日帰りで上がるスノーボーダーや登山者に会いました。「天気がいいから登る」地元の特権ですね。
「次は縦走やな」と有元さん。でも全部の荷物をかついで歩くには、まだまだ修練が必要です。山に3泊もして雪山の行動にもだいぶ慣れることができたし、とてもリフレッシュできました。ありがとうございました。
GWの雪山は4年ぶりでした。剣の赤谷尾根から北方稜線を池ノ谷コルまで歩いて以来になる。やはり春の雪山は良いなあと久し振りに思った。古久保さんの母校、大阪経済大学の山小屋がこれまた素晴らしかった。45年前に古久保さん等が小屋の資材を担ぎ上げて作ったという小屋だ。30人以上は泊まれる大きさで電気とプロパンがあり、快適な山小屋ライフが楽しめる。来年のGWはここを基地に白馬集中合宿だ!と飲んだ勢いで叫んでしまった。
今回のルートは1996年のGWに登り、大雪渓を下ったことがあった。白馬岳への登りは先月の北八ヶ岳山行のような風が吹いていた。この時期としては積雪が多く、視界も悪いためルートファインディングに苦労した。前は楽に登れたのだったが、、、。 4時間足らずで無事、白馬の頂上に立った。下山し始めてから天気が良くなり、上田君等が登っているはずの主稜を眺める。ルートには10名ほどが登っているのを確認できた。
いくら楽な山行とはいっても山小屋ライフを楽しむためには一定のボッカは避けられない。今回は缶○―ルを含めて23キロほど担いだ。これが出来なければ雪山とはおさらばだ。