栂海新道              伊東一江

 

日 時:2007810日(金)〜13(月)晴

参加者:L伊東、有元、朝元、古久保

コースタイム

 8/10:親不知登山口11:51〜入道山13:22〜二本松13:34〜尻高山15:09(泊)

 8/11:尻高山5:30〜坂田峠6:00〜白鳥小屋9:15〜下駒ヶ岳11:24〜菊石山12:13〜黄連山13:32〜栂海山荘15:15(泊)

 8/12:栂海山荘4:13〜犬ヶ岳4:22〜北又の水場4:55〜サワガニ山5:39〜黒岩山6:55〜黒岩平7:37〜アヤメ平9:23〜長栂山10:38〜千代の吹上11:27〜花園三角点13:15〜蓮華温泉キャンプ場17:33(泊)

 8/13:蓮華温泉7:00発バス〜平岩駅8:00〜大阪20:13

 

 

 711分発のサンダーバードに乗り、泊駅からタクシーで登山口まで行く。「海抜0メートルから」この言葉に誘われ、行ってみたいと思った。有元さんは以前に歩いた事があり、お花が綺麗よと言っていた。ますます歩いてみたいと思った。栂海新道を下りに使う方が多く、登りにはあまり使われていないらしい。栂海新道は急登で長いと覚悟はしていたが、蓮華温泉までの道のりは暑くて長かった。

登山口から杉林の尾根道を登る。風もなく汗が噴き出す、タオルではおいつかないほどだ。朝元さんはいつもの調子がでないようだ。暑さと荷物が重いのでしんどいのかと思ったが、近ごろ寝不足気味だったそうだ。坂田峠でテント泊の予定だったが、暑いので樹林の中の方がましだろうと、尻高山でテントを張る。食担は朝元さんで、夕食は肉鍋、リンゴ、マンゴーと豊富だ。食料だけでも大分重かっただろうと思う。     

 

 

11日 朝食は食パンを網で焼いて、黒ごまペーストで頂く。夕べも今朝も豪勢だ。

 坂田峠まで下り、駐車場を見に行くと、栂海新道を作ったサワガニ山岳会の小野さんの車があった。十年あまりの歳月をかけ1971年に開通をした。今もサワガニ山岳会の方達などで整備されている。テントはここに張らないで良かった、アスファルトの上では暑くて寝苦しかっただろう。ここからは金時坂と呼ばれる急登が始まる。今日も暑く樹林の中で風もなく、ハエや蜂に付きまとわれながらひたすら登る。登り切って暫く行くとシキ割りの水場に出る。冷たい水で顔を洗い、飲み水を補給する。この暑さで2リットルのポカリが半日もたない。山姥平まで来ると白鳥小屋が山頂に建つのが見える。ここでゆっくり休憩する、小さいけれど綺麗な小屋だ。暖かいコーヒーでレーションを取りほっとする。連日の暑さで無理をしないように、水分と休憩を多目に取るようにしてきた。白鳥小屋から大きく下り、急な登り下りを繰り返し、ガレ場を通り過ぎると菊石山がもうすぐだ。黄連の水場で夕食と明日の飲み水を補給して、栂海山荘を目指す。地図を見ながら位置確認をする。今どこで、後どれくらいで着くのか気に掛かる。それだけ疲れているということだ。最後の登りがきついと思い、休憩してから登ったが、思ったより短かった。栂海山荘に着くと、先客が小野さんと楽しく歓談中だった。テン場もヘリポートもある。小屋の中にテーブルがあり、ここで食事ができるのだが、一杯なので外で景色を見ながら食事をする。小野さんからビールとお酒を頂き、暫く小野さんの山の話でもりあがる。遠くに黒岩平の湿原が見える。夕日が綺麗だ。小屋に戻り寝ようとすると、古久保さんの呼吸が荒く苦しそう、足が攣ってると言う。股のところから両足攣っているそうだ。朝元さんがテーピングして楽になったようで、寝ようかと戻るともう高いびき、「はやっ!」。

 

 

 

 

12日 今朝は早め目の出発とする。古久保さんの足は大丈夫そうなので良かった。気持ちいい稜線歩き、犬が岳を過ぎ、左側が切れ落ちた尾根を進む。1時間があっという間に過ぎる、昨日とは違い自然と話もはずむ。サワガニ山に来ると朝日岳が見えてくる。

黒岩山から長栂山までは、今回一番の楽しみであるお花畑が広がる。黒岩平で水を補給する。清流が流れる草原は別世界、チングルマ、ニッコウキスゲ、アヤメ、オニユリなどなど(花名が分からない)キヌガサソウは終わっていた。ミズバショウがずっと歩道の脇に続いているが、大きな葉になっていて可憐な花が、こうなるのかとびっくり。

アヤメ平でゆっくり休憩、日差しは強いが広々として気持ちいい。動きたくなくなる。ここから暫く花を見ながら急な登りだが、長栂山は平坦で小さな花が咲いている。吹き上げのコルまでは朝日岳を見上げながら、木道を歩き樹林を抜けると朝日岳と蓮華温泉との道を分ける鞍部に出る。

朝日岳を登り朝日小屋でテントを張る予定だったが、連日の暑さに朝日岳を登りたいとゆう意欲も薄れ、早い時間に着いたことで、蓮華温泉に下りて汗を流したい気持ちが勝ち、下ることにする。この下りがまた長かった。ぬかるんだ場所や木道があり、3人がすべって転んだ。最初の水場では、ソーメンを食べていた。暑い時はレーショが喉を通りずらいので、これはいいなと思った。

五輪尾根は木道が続き、足下を気にして下ばかり見て歩くので、景色を見ながらとはいかない。花園三角点を下った所に水場がある。水場の標識がないので、通り過ぎてしまいそうだ。休憩できるように木の櫓がある。冷たい水を入れ替える。

樹林の中を下り初めの橋を渡り、次の鉄橋を渡った頃には大分、足も疲れてきた。兵馬ノ平からの登りは、あともう少しだと分かっていても、しんどかった。蓮華の森キャンプ場に着いたときは、ほっとした。温泉までは10分ほど先にある。受付は4時までで、5時を大分過ぎていたが、入ることができ、泊まり客は食事が始まっており、ゆっくりと貸し切り状態で入ることが出来た。3日間の汗を流し、テントの中で乾杯。疲れたけど楽しかった。暑かったので水分補給と休憩はゆっくり取るようにしていた。気持ちに余裕もあり、足並みも揃っていたので、しんどさも楽しむことができた。誰一人怪我もなく帰ることが出来て、本当に良かった。

13日 丸一日かけて帰ることが出来るので、青春18切符で帰ることにする。バスで平岩駅、糸魚川から富山へ、金沢で降りて美味しい食事をし、敦賀、大阪とうまく乗り継ぎながら、座って帰れた。

 登山口からの登りでは暑さにまいり、二度とこの道は歩きたくないと思ったが、終わってしまうと、しんどさを忘れ楽しさが残った。これからもそう思える山行をしたいと思う。