直線上に配置

最近見た気になるニュースです。

2004年05月09日(日)

剱岳、3000m峰に復活? 36年ぶり標高再測量へ

 「岩と雪の殿堂」と呼ばれる北アルプスの名峰・剱岳(つるぎだけ)(2998メートル)で、国土地理院北陸地方測量部(富山市)が今夏、標高を測り直す。初測量100周年を07年に控えた記念事業の一環で、新技術を使った測量だ。以前の測量では3000メートルを超えたこともあり、36年ぶりに3000メートル峰の仲間入りをする可能性も出てきた。

 「日本百名山」の一つに数えられる剱岳は、天を突く鋭い岩峰がいくつも連なり、国内で最も険しい山ともいわれる。日本海側に位置するため、特に冬場の天候が安定せず、多くの登山者が命を落としている山だ。

 1907(明治40)年の初測量時は2998メートルだった。当時の測量の苦闘ぶりは新田次郎の小説「剱岳〈点の記〉」にもなった。

 30(昭和5)年の再測量で3003メートルに修正されたが、68(同43)年の航空写真を使った測量で現在の2998メートルとなった経緯がある。30年当時に3003メートルとなった詳しい理由は、今ではよく分からないという。

 今回の測量では、標高の基準となる三角点の石柱を新たに頂上付近に置き、高精度の全地球測位システム(GPS)を初めて使う。北陸地方測量部は「今回はかなり正確に測れるはず。3000メートル台に変わる可能性はある」と説明する。

 地元でも3000メートル峰への仲間入りに期待が高まっている。

 同県上市町の観光担当者は「ぜひ大台にのってほしい」。剱岳を中心に活動する山岳会「上市峰窓会」の濱田賢博会長(61)も「今の標高に戻った時はがっかりした覚えがあるので楽しみだ」と話している。

トップ アイコントップページへもどる

直線上に配置