about poem

2001年3月 冬の美瑛の丘にて

ザックしょい 足元眺め 歩む我 美瑛の子らと すれ違う道
白銀の 笑顔まぶしい あいさつに 顔見いられて そぞろ恥じいる
雪解けの 流る道ゆく 我迎え 白銀の丘に こずえぽつん

 北瑛小学校のみんな、ありがとう。
 自分がすっかり恥ずかしくなってしまいました。
 丹沢の山でしているように、自分からあいさつできなかった自分にも。
 そして、今の自分自身にも・・・

2001年1月 冬の心象風景

思い出の 夏の日のフォト 笑顔咲く ひまわりとともに 凍てつく冬の日
やっと今日おいてきぼりのシャンプーを使い終えたわ残り香にサヨナラ

 冬の日に、過ぎ去りし夏の思い出を見ても、不思議とそれほど思いはこみ上げてこない。
 せいぜいがストップモーションでしかない。
 笑顔さえも凍てついている、そのまま記憶の中にとどめてしまっておこうというのだろうか。

 付き合っていた人の残していったシャンプーを捨てることもできずに使っていた。
 ようやくそれがなくなる、その冬の日に残り香を思い出すこともなくなる。
 本当にサヨウナラ。

2001年1月 冬の名古屋東山植物園にて

吹く風に ゆるりと遊び しなる竹 あらがわずただ しずかにざわめく

 冬、小春日の青空のもと、植物園の丘にある竹林の一角に風が吹く。
 ひとけの少ない中で、ざわめきを聞く。
 大伴家持の「音のかそけき」である。
 よく見ていると竹は風にしなりながら、抗わうことなく、枝葉を揺らしながら音を立てている。

 こんな風に生きたいと思った。竹のように生きたいと。

2000年11-12月 冬の丹沢-塔の岳、奥多摩-陣馬山にて

息切らし たどる山道 楽しみは 積み敷く落ち葉の いろとりどりに
陣馬山 着くいただきの 空高く 風に吹かれて 飲むお茶の味

 初冬の山に早朝から登れば降りた落ち葉に降り敷く霜、山陰に残るゆうべの残雪など、
 おもいがけない発見の連続。息は切れても、楽しいものです。空の高く、遠方まで見渡せる
 この季節、山頂のひとときは格別。やや冷たい風が吹きつける中、小さなポットに用意した
 熱いお茶がなおさらおいしい。

2000年10月 初秋の鎌倉を散策した東慶寺の門前にて

ひんやりと 門前に吹く 風甘く どこから香る キンモクセイ

 あの甘い香りが風に乗ってくると、思わずどこからきたのかと探してしまいます。
 ひんやりした初秋の空気の中だからこそ甘い香りが映えるのでしょうか。

2000年8月 故郷・倉敷の美観地区にて行く夏を惜しんで

お堀端 ゆく夏夕暮れ 蝉時雨 ゆれる柳も 名残惜しげに
夏祭り そぞろ歩きの 浴衣の乙女 瀬戸の夕凪 ゆく下駄の音

 美観地区のお堀場には柳の並木があり、瀬戸の夕凪とはいっても、八月も終わりになると
夕暮れ時には少し涼しい風も吹いてくる。残り少ない夏を惜しむかのように鳴く蝉たち。
夏祭りの乙女のゆく姿を見るにつけても、ゆく下駄のこの夏も、もうすぐ去ってしまうのだなあ としみじみ思う。

2000年6月 北海道・美瑛にて十勝の峰を眺めて

新緑の畝傍(うねび)の丘のつづく果て そびゆる十勝雪を抱きて

 旅の終わりにようやく雲が切れて見え始めた十勝の峰、新緑の畑が続く果てに勇ましくそびえています。
この季節、まだまだ雪を抱いて人を寄せ付けないのです。

2000年4月 春の丹沢七沢温泉に薄墨色のさくらを見て

薄墨の 桜の心は はかなくも そのあわれさや 比ぶるものなし

 はかなげな美しさではさくらの薄墨色に勝るものはないほどです

2000年3月 初春の丹沢「三の塔」頂上より見渡して

息切らし たどり着きたる いただきで 霞の向こうに 見ゆる富士よし

 風の強い山頂にどっしりと姿を見せる雪につつまれた姿の富士のさわやかさ

2000年3月 のどかな初春の休日を過ごして

朝は寝て 昼野球見て 夜Jリーグ見て のたりと過ごす 春の休みは

 野球もJリーグも始まり。春眠、のたりと過ごせる休みのありがたいこと!

2000年3月 深夜降りだした不意の雨に窓を開けて思う

夜半に降る やさしい雨音 窓開けて 空気ひんやり してもふんわり

 雨音の優しさが春を告げてくれ。冷たく張りつめた空気も柔らかに思えます

2000年2月 帰途、澄んだ冬空に浮ぶ月を見て

闇空に ぽっかり浮かぶ 月明かり 落ちてきそうな まあるいお菓子

 童心に帰って見たおおきな満月は仙台銘菓「萩の月」のように漆黒の闇に浮んでいました。

2000年1月 静かな正月を迎えて

小春日の 静けさのどか 二千年 見届けゆるり まなこ幾千

 いつもと変わらぬお正月、この静かな朝を迎えるために、がんばったたくさんの人たち。
この小春日和を見届けてほっとまどろんでいることでしょう。

1999年10月29日 最寄駅からの帰途、中秋の月を見て

コンタクト 初めてしてみる 久々の 月にもちつく うさぎの姿

 試供品のコンタクトをしてみたら、月にうさぎが見えました。目が良かった子供の頃は目を凝らしてもうさぎに見えなかったのに、不思議でした。

1999年7月末 夏快晴の乗鞍山頂にて

見渡せば 遥か山並み幾重にか さえぎるものなし 乗鞍の峰

 東京という街のすごさは、行けども行けども続く街並みです。
 アルプスのすごさは山の向こうにまた山、その向こうにまた山と果てしなく続く山並みです。
  濃飛バスの運転手さんも、こんなぐるりと見えることはめったにないと。

1999年7月 夏の夜、東京の空を見上げて

蒸す夜もひとり涼しげ見上げれば星のひかりは風のまたたき

 今年の夏は東京でも熱帯のような雨が急に降っては、ぱたりとやむことが多いです。
 西日本で夏の雨といえば、バケツをひっくり返したように降るものです。
 その後蒸し暑くなったりもしますが、かえって私は夏らしくてすがすがしいなと感じます。
 雨後は空気も澄むので夏の夜空でもきれいに星が見えます。暑さを気分的に和らげてくれます。

1999年6月 北鎌倉明月院を訪ねて

梅雨寒の雨にうたれてあじさいの映ゆる色どり揺れて響いて

 後で知りましたが、明月院のあじさいは「明月院ブルー」という呼ばれ方をするほどその美しさで有名とのこと。
 そう言えば、赤系統がほとんどなく、ほとんどブルーでした。
 でも、その中でも微妙に色合いが違うところが美しかったです。

1999年1月27日 品川の空を見て

ひさびさの 雨上がりの空 澄みわたり

天(あま)の海深く

白い月映ゆ 小春日和よ

泳ぐ飛行機 銀に輝き

一筋にひく雲

やがて きえゆく

 

赤く染む

ガラスのビルに

やがて 知る

つるべ落としの

冬の日暮れよ

月は震え 輝きはじめる