トウキョウズカップ '99

スタート:7月31日(土)午後12時15
コース:伊豆大島・元町沖〜筆島沖
参加艇:65艇

 今年も夏の恒例トウキョウズカップに出るために大島にやって来た!
行きの回航は南が吹き荒れ、波を被りながら9時間近くかかった。途中、余りに波に叩かれずぶ濡れ&失速するので、真上に向ける機帆走はやめて、スロットル・角度ともに落としてそっと走って来た。風早崎に取っ付いてからは吹き下ろしが非常に強く、せっかく乾いたシャツがまたびしょびしょになって、結局波浮入港は日没近く。宿を取っておいてつくづく良かったと思いながら、お気に入りの宿「オーシャンビレッジ」のプールサイドでバーベキューディナー。その後はデッキで飲みながらくつろぎたい所だけど、みんな疲れてベッドに倒れ込む。

 翌朝は6時起床。夜行の東海汽船で駆け付けた、らんらんとビールせんせいが合流。風も波もすっかりおさまっている様子。午前7時過ぎ波浮港に到着。

 午前9時、鼻息荒い右舷お子様が真っ先に出ていく。サエラ様赤シャツでバッチリ決め、島周りレースに向けて気合いじゅーぶん。どうもお気楽Bコースでお祭りムードのわたしたちとは緊張感がじぇ〜んじぇん違う感じ(^_^)。そろそろ元町に向けてパレードのはずだけど、先導の漁船はずんずん行ってしまうし、波浮沖でウロウロ待っているフネもいてどうもバラバラ。後ろと離れないようにしばらくスロットルを落として進むが、ふと気がつくと波浮を出て随分走ったはずなのに、強烈な逆潮に戻されて、波浮港入口が真横に見える。後ろの方は筆島近くまで流されている。慌ててスロットルをあげて前に着いていく。

 大島の岸沿いを縫うように進む。切り立った断崖の上に緑濃い山肌、雲の中の三原山、深い青の海、入道雲。こんな島が身近に沢山あり、クルージングや島周りレースが楽しめて、そして何と言ってもヨットがいっっっっぱい居る。こんな環境でセーリングを楽しめるなんて、本当に恵まれてるなぁとつくづく思ったりする。
 
 11時過ぎ、レース海面に到着。海上エントリーを済ませ、ライン付近は徐々に賑やかになってきた。島周りAコースとお気楽Bコースで総勢100艇超。こんな光景を見るのもわたしにとってはこのトウキョウズカップくらいだから、なんかワクワクしてしまう。

 昨年は花火の号砲で時計がうまく取れなくて、117艇中ただ1艇のリコールをしでかしてしまった。今年は時計を時報にぴったり合わせて準備万端。

 軽い南風、なんとなく上がってきそうな感じもするけどヘッドセールはNo.1ライトをセット。一番トリムに慣れているセールなのでホッとする。基本的には岸寄りを選ぶ戦略だけど、下でスタートすると早めに返してポートで長く上る羽目になる。皆アウターにごちゃまんと集まって来ている。ラインに近付くとハッとする逆潮。早めにアプローチしないとたどり着けそうにない。Aコースのスタートでも戻されてスタートできないフネが多く居て、ディンギーのようにラインにへばり付いていた艇が良いスタートを切った。赤いのは早速ラインまで行き、下にあるクリアな海面へ落として上手く調整している。HOBBY HAWKは潮流のあまりない葉山の感覚でジブインがちょっと遅れたのと、スタート前に思いがけず風が落ち、周りに水があったにもかかわらず30秒ほど足りない悔しいスタートとなる。アウターは混みあって声が上がっているが、その下からラインを切り一路筆島へ。

 しばらくはフルハイクで順調に進むが、そのうち風の息は深呼吸となり、パフとラルの落差が激しく、シフトも間隔が長く、振れきったか?と思ったらまた戻ったり。少し沖を進むサクラの上り角度がとても良く、一本で入れそうな感じ。どうも吹いている風も潮も違う感じ。HOBBY HAWKと赤いのは岸寄りなので、もうここから沖出しはかなりのロスになる。騙し騙し走りタックなしの最短コースで千波を越えたい所。

 千波のはるか手前で、ついにへなちょこ風になる。下に移動してスピードを読みあげながら進む。岸寄りは強い潮で随分おとされて、このままでは全然岬を越えられそうにない。ぎりぎりまで突っ込み1回目のタック。幸いポートでのミート艇はなし。赤いのと同じ高さに乗せてまた返す。今度は越えられるだろう。
・・・あれ、まただめだ。戻された。タックして赤いのの上まで伸ばす。今度はどうだ?
あれ、景色が変わらない・・・。う〜ん、ヘッダの中でタックしたはずなのに、ども上りきれない。沖から千波崎に向かってかなりの潮流。先ほどのパレードの時の逆潮を考えると千波にぶつかった潮は左右に分かれているはずで、ここを超えれば潮に押されて行くはずだけど、なかなかたどり着けない。赤いのも騙し騙しショートタックを繰り返す。千波を越えてからはアズサに続きやや沖出しを試みる様子。
はじめから沖出しした何艇かも見えて来た。スピンで落としてきている。ずっと先にルージュ、もぎもぎのガイア、日本の心、さくらも見える。

 ビールせんせいにヘルム交代を言い渡される。「だめだってぇー遅れちゃうよぉー、風もへなちょこだし難しいよー」と泣き顔で訴えると、「大事な場面にトリムやられるよりまし」と一言。

・・・・。何も言えない。あーそうさ、その通りさ。(泣)

 緩やかに岸を回り込んでスピンアップ。赤いのが沖出しして下ってくるから間を詰めるチャンス。行きのパレードで強烈な逆潮だったエリアに入る。風はどんどん落ち、艇速も2ノットを切るようなシビレル展開。でも岸をみると景色は見る見る変わる。すごい勢いで潮に押されている。小さな岬を越える度に潮があたって渦潮のような潮目ができている。その潮目を境に今度は川のように流れている。こんな潮流をヨットで体験するのは初めてのこと。モルディブ・アリ環礁のマンタポイント、マディバルもまっつぁお!

 いよいよフィニッシュラインが見えてきて、最後のジャイブ。少し風が前に周り入りはじめる。トップ艇団は遥か前で、後ろも遠くにたくさんいるので、ばらけた第2艇団って感じ。波浮港を越えると先にフィニッシュした艇が機走で戻って来た。いい風が入ってきて、最後はスピンにクランカーがついてフィニッシュ。コースは千波をかわすのにやや苦労したけれど、ほぼ最短でやってきた。スタートが足りなかったのがちょっとくやしいけど。

 成績は、着順13位、修正で第10位!惜しくもシングルには届かなかったけれど、まぁこれは来年の波浮開港200周年のレースにとっておくための演出ちゅーことで・・・。優勝は2年連続サクラ!流石の走りでした〜。

 お気楽Bコースだけど、それなりに難しくも楽しいレースでした。特筆すべきは、60艇以上の参加艇中、葉山から参加した6艇は大健闘で、優勝サクラを筆頭に、ガイア、日本の心、赤いのとシングル4艇、HOBBY HAWK10位、最低でもフータの13位とみんななかなかガンバリマシタ。(自画自賛)
ばりばりレーサーとは元々取り組み方が違うけれど、その下の草レースレベルでは葉山もなかなかのもの?と改めて認識した99年トウキョウズカップでした。

 宿に帰ってプールでひとしきり泳ぐ。夜も涼風にあたりながらプールサイドのデッキでワインなんぞいただく。リゾートライフとクルージングとレースが一辺に味わえるこれがやみつきで、来年もまた参加決定!

というわけで、
99年、これまでの対戦成績
対右舷お子様 7勝4敗  対赤いの 3勝7敗


   HOBBY HAWK
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