TOKYO'S CUP2000ヨットフェスティバル

 8月4日(金)忘れ物大作戦&波浮回航

 前日までバタバタと仕事を片付け、買出し、パッキング、レース段取り等慌ただしく何とか用意を済ませて、2時間ちょっとの睡眠で1日早く夏休みにフライング。約束の午前7:00を随分遅刻してマリーナ到着。やっぱりねぇ、何ごとも余裕をもって行動しないとこういう羽目になるんですよ〜ぅ!と言う事で、いざ車から荷物を下ろそうとすると・・・

ない!ない!
わたしの荷物だけな〜〜〜〜い!
セールバッグ丸々積み忘れているぅ〜〜〜!

 目の前が真っ暗になりクラクラして駐車場にへたり込む。あるのは今着ているTシャツ短パンとお財布と電話だけだ。おまけに朝忙しくて目玉も装着していない状態。ど、どうしよう・・・。コンビニで着替えを買ってそのまま行ってしまおうか、それとも今から1時間半かけて電車で家に戻り午後熱海から東海汽船で大島入りしようか・・・。と、思っていたところビール先生からの名案(迷案)で、車で東京に戻り、HOBBY HAWKは予定通りドッグアウトし、Peanutsを置いてある油壺の京急マリーナに車を置きそこでピックアップしてもらうことに・・・。でもマニュアルを運転できないダサイわたしの為にギャワちにお抱え運転手をやってもらうという何ともはた迷惑な話で「忘れ物取りに行って来い作戦」がスタートしたのであった。ぜぃ、ぜぃ。

 途中第三京浜の上りで渋滞に巻き込まれたけれど、1時間ちょっとで世田谷の自宅に到着!ポツンと積み残されていたセールバッグを無事回収し、折り返す。葉山はクレーンの順番待ちで出発が遅れている模様。横須賀IC通過のあたりで長者沖とのことなので、「丁度ぴったりくらいかな〜」なんて話しながら横々を快調に飛ばす、飛ばす、飛ばす・・・・

きゃぁああぁぁーーー!
なんかパンダカラーの車が追い掛けてくるんだけどぉー!

 と言うワケで、何と言う事でしょう!!捕まっちまいましたよ〜〜〜!ギャワちがパトカーに連行されていった直後、もぎもぎ@ガイアから「今どこ?」と電話。「き、衣笠のICの手前なんだけど、す、スピード違反でつかまっちまいましたー!」と告白すると、後ろの酔っぱらい達笑いの渦。(-_-;;;) はぅーっ。

 大変な困難を乗り越えて(笑)京急マリーナのポンツーンに辿り着くと、今まさにHOBBY HAWKが入港してくるという所。ってことはあの事件は絶妙な時間調整だったのか?ギャワちはゴールド免許に傷を付け、わたしは反則金の納付書を受け取って、超お騒がせ忘れ物騒動は終息したのであった。はふぅー・・・。

 午前11時、何事もなかったように、まったりと回航クルージングが始まる。回航メンバはビール先生、むんむん、キャプテン、ギャワち、ゲストの若人イトウ君、アタシの6人。ドぴーかん、南の風の中を機帆走7ノット弱で快走する。

 「今年も夏の恒例トウキョウズカップにやってきた。」緑濃い大島にとっつくと毎年そう思う。ガイアがはるか前に、フータも岸寄りに見える。その他にも葉山からは右舷お子様、サクラ、魁(赤いの)の6艇で大挙して押し寄せてきた。さーて葉山旋風起こせるか!?。 

 午後4時波浮入港。アルカディア、オフスピリット、イオラスなど毎年恒例の仲間たちとも合流。エントリーを済ませ、早速ガイアチームと宿泊先のオーシャンビレッジに向かい、プールにドボン!その後はプールサイドでバーベキューディナー。いぃ感じに酔っぱらった頃に花火大会。ん〜、これもトウキョウズカップのかなりのウエイトを占めるお楽しみ事項であります。やっぱBコースでしょ、トウキョウズカップはー。ヒヒヒ。

8月5日(土)トウキョウズカップ
今年も結局「沖」だった!?

スタート:8月5日(土)午前10時10分
Bコース:元町-筆島沖マーク回航(15マイル)
参加艇:63艇

  昨晩はすっかり酔っぱらって爆睡したにはしたんだけどー、丑三つ時にイトウ君の「噴火だぁ〜〜〜!」とういう雄叫びの寝言に全員起こされていた。夢に見るくらいだから、よほど伊豆諸島の火山活動が気になっていたのだろう。新島方面の被害が深刻なためか、Aコースは大島と利島を回るコースに変更されていて、開催前には「こんな時期に遊びのレースなんて不謹慎では?」なんていう声も耳に入っていたが、でもここ伊豆大島の人たちは例年と変わらない歓迎ムードでわたしたちを温かく迎えてくれていた。実際この島に100艇近くのヨットが集まるトウキョウズカップは、島の人たちにとっても大きなイベントであり、500人以上はいるであろうクルーや関係者も、一連の騒ぎで客足が遠のいてしまった観光業界に多少なりとも貢献しているはず。とにかく大変な時期に一生懸命準備をしてくださった地元の方々のためにも、思いきり楽しんで、いいレースをして、記念すべき波浮開港200周年のトウキョウズカップを成功させなくてはいけない。そしてまた来年、さらに多くの仲間を引き連れてこの緑の島にやってきたいと思う。

 早朝、東海汽船で到着したサモア人・サワケンと合流し、午前7時波浮港へ。慌ただしく艤装を済ませ出港。風と潮を見ながら元町まで1時間ほどの回航。昨年ほど酷い潮ではないけど、千波に当たる潮は同じようにある模様。風は北、どうやらウェザーマークが打たれそうだ。Aコースには相模湾・東京湾の常連レーサーなど25艇、Bコースは40フィートオーバーから24フィートまでの速いフネ、重いフネ、新しいフネ、古いフネ、と、何でもありありの63艇。地震の影響もあってか例年より少なめだけど、やはりスタートは賑やか。

 HOBBY HAWKの丁稚クルーでもあり某K誌新人編集部員でもあるキャプテン西村は取材も兼ねての参加なので、アウターの外側からAコースのスタートシーンを撮影。でも超、超ド上有利のラインのため、みんな上に集中してしまい遠くの方。10分後にはBコースもスタート。やはり上有利のラインは変わらず、上側のいい位置につける。今回のバウはアタシ。イッチョ前にバウパルピットから身を乗り出してラインを見るけれど、山立てしていなかったのでアウターは隠れてしまいじぇんじぇんわからない。仕方ないから周りの艇に合わせてアップ、ダウンのサイン。本当にいい位置に付けていたんだけど、ハナハナが乗るMarine Dreamに下から突き上げられ、ラフに応じると思い掛けなくスピードが出てしまい数秒前に頭が飛び出してしまう。コミッティのテンダーが手でバックバック!の合図。これであぁ出てるんだなぁと悟り、戻って仕切り直し。もったいなかったけれど、まぁそれほど遅れていないので気を取り直してウェザーマークへ向かう。はじめのうちは上りも悪くスピードにも乗れずしっくり来なかったけれど、そのうち徐々に挽回して真ん中より前でウェザーマーク回航。で、スピンアップなんだけど、ポールがねじくれていて、それを直していたりしてちょっとモタモタする。スンマソン、れんしうします。間もなくスピンアップ。赤いのについて走る。ガイアはすぐに沖出しした模様。風は弱いが、一度目のジャイブでブローラインのエッジに上手く乗り、ごぼう抜き。まわりは大型艇ばかりでかなりイイ所につける。風は徐々に落ちはじめる。

 赤いのが急にジャイブして沖出し。何艇かもそれに続く。「沖か?沖なのかぁー?」とテラさんの決断に随分心揺さぶられるけれど、今イイ所に付けていて走りも悪くないので、何となくそのまま伸ばしているうちにカームに捕まってしまう。うーん、決断は早めにしないとね。ワハハ。

 これには痺れましたよ。ふんとにもー、完全にハマってしまったってやつ。テーザーワールドの最終レースみたい。泣きたくなったあの時の気持ちが何となく蘇って来てしまう。沖はスピンで快走するけれど、岸はいち早く前の風になり、ジェノアをアップするけれど、風は無く潮も逆。おそるおそる後ろの数を数えてみる。な、なーんと8艇しかいないじゃあーりませんかっ!!!もうこうなったら開き直るしかない、と色々な事を試す。後ろの風と前の風が喧嘩していて、またすぐにスピンアップ。大ガマン大会となる。一時は潮に押され明後日の方を向いてしまい、岸を見るとバックしている。とほほぉ〜、ホントに泣きたいよ〜。ガイアのスピンが遠くに見える。

 やっとのことで千波を超えると、少し風が吹きはじめる。上りの風が安定して来て、岬を回り込むと前の艇が見え始めた。ここまで来てしまったら、岸から最短のアプローチをするしか選択肢はない。プロパーを狙いつつ、スピードモードでフネを滑らせることに重点を置く。時折ラルに捕まり苦しい場面もあったけど、丁寧に走って大きく挽回する。フータ、アルカディアがなんと前にいる!!、絶対に絶対に捕らえなければっ!と相当な真剣戦闘モードで必死に集中して走る。

 波浮を超えると風が大きく右にベンドしている様子なので、このエリアで上手くリフトを伸ばせるように、あらかじめ沖へ少しアローワンスを取って波浮にアプローチ。波浮沖を逆タックで走っていた艇をあっさりと4,5艇抜き去ることに成功。ふー、やっと恥ずかしくないポジションまでやってきたよ。最悪の状態は何とか脱出したけれど、まだまだ、もう少し挽回しなければ、と引き続き集中して走る。筆島に近付くとまた風が落ちて来る。フータを筆島沖マーク回航でやっと捕らえる。即スピンアップ。ジャイブセットでも良かったんだけど、アプローチして来るフネとミートしてガチャガチャするのを避けるため、とりあえずベアウェイで行き、ほどなくしてジャイブ。のぼり気味でプレッシャーをキープしつつ、細かくジャイブしながら上側を狙ってフィニッシュアプローチ。弱い風の中でプロパーに向けてしまい失速してしまった何艇かをここでカモり、15:05フィニッシュ!。着順20位と何とか体裁を整える。ふぅー、もぅ一時はどうなることかと思いましたよ。決して満足できるレース内容ではないけれど、まぁ、あのまま終わらなくてホントに良かった。

 疲れ果てて波浮に戻ると着順3位のガイアはもう大宴会中!くぅー。見て下さいよ、この酔っぱらいども!ちなみに岸壁のビットに腰かけてポーズとってる人にも注目!ワハハ、テラさんだ〜!

 今年もやっぱり沖だったか!?、うーん、でも本当に何が起こるかわからない、「これが、トウキョウズカップ」というのがHOBBY HAWKでは合い言葉と化してしまった。あ〜、でも楽しかったよ〜!

 着艇申告を済ませ、宿に帰り、とにもかくにもプールにドブン!うー、これがなくっちゃやってられません。ひとしきり泳ぎ、夜はガイア、フータ、サクラ、HOBBY HAWKの4チームでお寿司やさんで宴会、宴会、宴会・・・。宿に帰ってからも更に飲み続け、葉山マリーナ酔っぱらい集団の夜は更けていくのでした。ちなみにビール先生は酔っぱらってフネに戻り、ツルッツルのフレンチキスのトランサムを渡ろうとして落水!肩を捻挫、時計のバックルを壊し、携帯はお亡くなりになりました。飲み過ぎには注意しましょうってば!まったく!!

 翌日、もっともっと驚くべきことが・・・!最悪だと思っていた成績、なんとなんとクラス優勝していたことが判明!信じられなくてみんなで目をパチクリさせながら、舞台に上がりカップと賞状なんかをもらっちゃたりする。うーん、総合19位でクラス優勝と言われても困ってしまうが、まぁお祭りレースなので素直に喜ぶことに!!わーい、わーい!

 葉山から参加した6艇中5艇が各クラス3位までに入賞してしまい、十分葉山旋風をアピールしたトウキョウズカップ2000ヨットフェスティバルでした。

レースリザルトはこちら。


この7人でドタバタと楽しかったです。

ヘルム:ギャワち&ビール先生
メイン:ビール先生&ギャワち
ヘッドセール:むんむん&サワケン
ピット:キャプテン西村
マスト:イトウ君
バウ:アタシ


   HOBBY HAWK
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