第8回S.T.C.

1998年8月23日(日)
スタート:午前11時20分 
コース:佐島沖上下ソーセージ

 北東の風、朝からとても良い天気。でも心なしか秋の気配。一昨日新しいマストが立ったPort Jr.と一緒にレース海面に向かうと常連の船たちが集まっていた。芦名から出てきたMr.Portを良く見るとなんとニュ〜セイル!ビッグローチでバテンが沢山!近寄って皆で指をさしながら「1本、2本、3本・・・」と数えて冷やかす。(なんと7本、トップはフルバテン・・・)

 ヘッドセイルはNo.1ライトをセット。ラインは明らかに本部艇有利。J/24がスタートラインに貼り付いているので、空いている海面を目指しタイミングをはかり、ややピン寄りでラインを切る。スピードに乗れず上側からJの集団が覆い被さって来た。その殆どがリコールだったらしく、ゼネリコとなる。10分後再スタート。またもや本部艇側がJで混み合うので、ラインを流しスピードを付け思い切って下2番手でラインを切る。頭一つリードしフレッシュウィンドを受けてスピードに乗り出した。少しずつリフトの風が入っていたのでスターボードタックを延ばしていたが、Mr.Portもこのタックを延ばす様子だったので、下先行しているうちにタックして前を切りひとまずゲイン。

 暫く走るとどうもボートスピードが落ちているようだ。辺りを見ると潮で海面がピチャピチャ波立っている。押さえのタックを打ちたいが次々とリフトが入りどうしてもタックできない。落ち着いたところでスターボードに返すが、やはりヘッダーで戻される。引き離したはずのENZOがすぐ近くまで迫って来て、これでは大島の悪夢と一緒だ!と焦る。そうこうしているうちにMr.Portに前を切られ、今度は逆にヒューヒュー言って手を振られてしまう。1上マーク回航の段取りを確認しジャイブセットでスピンアップ。ばら色2号久々のスピントリム、サイドデッキで踏ん張る。プレッシャーグッド!Mr.Portの後ろをぴったりマークして進む。途中で風が大きくシフトし前に回った。この振れで下マーク回航後は即タックだ。前に回航したMr.Portが、不思議といつまで経ってもタックしない。トラブっている様子もなく、平然とクローズであさっての方に走り続ける。え-?コース変更したの?でもマークボートには何も揚がっていなかったゾ。随分走ってからやっとタックした様子だが、これでHOBBY HAWKはトップに。S.T.C.で一番前を走るなんて初めての事だ。

 片上りのまま2上マークを回る。このレグは少し風が落ちたが、潮か?うねりか?船が揺れてスピントリムが難しい。大型艇の後ろのグループにもあと一歩で追い付きそうだが、どうやら最後の上りはコース変更になったようだ。Mr.Portにやられないようにタックで押さえつつ、第2クラスのファーストホームでフィニッシュ。同クラスの参加艇は少なめだったけれど、スタートも走りもコース取りもまずまずのレースだった。

 総合順位はなーーーーんと並み居るレーサー軍団を押さえて37艇中第2位!
サエラ、HOBBYHAWK、ニンジャ、センチュリーファースト、シャラク・・・の順!クラスでは8艇中もちろん第1位

 終了後、「ハーバー森」からHOBBY HAWK Jr.を出港させ、ウインドをなぎ倒しながら(うそ)逗子湾の暴走族と化す。(^_^;)その後HOBBY HAWK海の家に戻り、一部の間では足の裏にキンカンを塗りたくり「スースーして涼しい〜」などと妙な遊びに興じる者あり。裸足で芝生に車座になり七輪を囲み秋の味覚を味わう。もうすぐよい風が吹くベストシーズンがやって来る! 


葉山マリーナカップ

1998年9月6日(日)
スタート:午前10時30分 
コース:葉山沖上下ソーセージ

 今日は年間ポイントが倍になり、立派なカップが貰える葉山マリーナカップ。例年必勝体制で臨むレースだけど、今日は司令塔の麦酒1号が欠席。今の固定メンバーで練習を始めて早2年。そろそろ各々が自分でレースを考え、自分のレースをイメージできるようにならなくてはならない時期?

 スタート時の風は北寄りのガスティーな微風4〜5ノット。混み合う本部艇側を避けて真ん中ややピン寄りでスタート。多くの船が飛び出したがゼネリコにはならなかった。今回もスピードを付けてからラインを切れたのでまずまずの艇速。久々にK村T郎さんが乗る「まれし」を見るとBセールの凶川さんがこちらのセールをじっと見つめている(汗)。バックウィンドが入っているメインが気になるのかな。しばらくしてポートに返したが、走った所が良かったのか、上側に並んでいたいくつかの艇の前を切ることに成功。

 周りを見回すと伏兵Y-30S2軍団に囲まれている。上マークはADONISがトップ回航し、DONNAがアプローチに入った時、急にピタッと風がなくなりヨロヨロと吸い寄せられDONNAマークタッチ。あれれーっと思っているとHOBBY HAWKも潮に流されマークに吸い寄せられて行った。まずい!タック!でも無風でジブも返らず船は横を向いてしまった。こっそり、いや、かなり大胆にラダリングし、なんとか回航してスピンアップ。当然だらーーーんと垂れ下がったスピンにライトシートを結び付け腕を伸ばして広げるが、サワサワと頼りなく揺れるだけで一向にはらまない。10分経っても皆同じ場所に漂っている。

 その後かすかに感じ始めた風は前からだった。南風がやって来た。凪から抜け出しわずか1ノットの風に乗り静かに走る。やっとのことで下マーク(え?でも、もはや上マーク?)回航。コース短縮で残る1レグをスピンで走ることになる。風も2〜3ノット程になり何とかスピンをはらませて進む。潰れている船は止まり、はらんだ船だけが前に進む神経戦となる。のぼり気味で艇速を付け、伏兵アミスタッドに近づき、この艇速を保ったまま抜き去れると思ったが、ブランケットに入り失速、仕方なく落として離れるが当然スピンが潰れ、フィニッシュ直前にのぼり気味で入ってきた赤いライバルにしてやられる。あぁ〜・・・

 全艇フィニッシュしたのは13:20。第2レースは中止だろうとメインもダウンしてしばしお昼寝タイムとなる。突然Port Jr.のMさんの大声で第2レースのスタート時刻が無線でアナウンスされる。しぶしぶスピンパッキングにキャビンに入ると間もなく予告信号が鳴る。ようやくシャキっとしてマニューバに入る。

 風位は南寄り190〜200度、ラインは本部艇有利。混み合っている場所に入り込んでしまいまずい状態。下から突き上げられたが、風位に立てて様子を見たあと、クリアウォーターに入り込む。落とし気味に突っ込んで抜群のタイミングで上一のスタート!(ラッキーでした。このスタートはかつてない程良かったのでは?)
マーク直前でセール屋さんが舵を取るレーサーの前を切り一同スカーッとした、のも束の間(笑)2番手で回航したはずなのに、左右に分かれたスピンランではマーク付近でミートした時はことごとくやられ6,7番に後退。ばら色2号のスピントリムのせいかなぁぁぁ・・・。

 それでも前は3艇のレーサーを除けばまずまず上位の方でフィニッシュ。シングルは固いと思っていたけど表彰式では思い掛けない結果に。26艇中の総合優勝は流石の走りだったADONIS。HOBBY HAWKは準優勝びっくりして目をパチクリさせてしまう。1レース目で負けたライバル艇はなんとリコール、前を走っていたのも大型艇が多かったのが幸いしました。クリスタルで出来た立派な準優勝カップとウーロン茶1ケース(笑)グラスなどをゲット。タナボタ的ではあったけれど、本日のクルーにしては上出来の成績でした。

 


 

第13回初島レース

1998年9月19日(土)〜9月20日(日)
スタート:午後10時00分 
コース:葉山〜初島〜葉山(48マイル)

レース前にラダーの修理を行うため、朝から、オーナー、らんらん1号、麦酒1号、ばら色2号改ピット女1号の4人でマリーナへ向かう。台風の余波が心配されたが、海は穏やかに晴れ上がり真夏の様な暑さ。午前中に修理を終えて一息付くと、マストの上のウインドメーターが周りの船と全然違う方向を向いている亊が判明。マスト登らなくちゃねぇ、と皆でらんらん1号の方を見る。

 午後から運転手1号が合流。船を下架し、らんらん1号レストラン客の熱い視線を浴びながらマストトップへ。次に航海灯のチェックを行うがここで両色灯が付かないことも判明。配線などをやり直し、結局休養できないままオーバーナイトレースに突入することになる。

 HOBBY HAWK海の家の近くのそば屋で天ぷらや焼肉定食などスタミナの付くヘビーなものを食べまくる。その後海の家にて30分ほどテレビを見て過ごす。カメラがとらえた決定的瞬間!みたいな番組で、演説中のおじさんの口から入れ歯が飛びだす場面があり一同爆笑。眠くなったらこの入れ歯おじさんを思い出す亊を約束し、再びマリーナへ。

 参加艇は18艇。長袖に着替えライジャケとハーネスを着用し午後9時過ぎ一斉に出港。今日は大潮の新月。そして久しぶりのナイト。何となく緊張しながらマリーナを出ると目が慣れず真っ暗でシートの色もわからない。ナイトってこんなに真っ暗だったっけ?と思いながらも辺りを見回すと湘南の街のあかりをバックに一列に続くマスト灯がゆらゆら揺れていて何とも幻想的。海面は南寄りの風10〜12ノット、ヘッドセールはNO.1ミディアムをセットし、午後10時、長めのライン、アウター寄りの隙間から余裕を持ってスタート。気温が下がり北に振れる亊を予想して落としたのか、多くの艇がやや岸寄りのコースを引いたため、上り気味に沖出ししたHOBBY HAWKは周りの艇団中上1となる。

 順風、新月、満点の星空の元、夜光虫をかき分けながら進む。ナイトと言えば時化ばかり、いつも「泣きっ面に波」というコンディションばかりだったピット女1号は、こんなに素敵なナイトセーリングは初めて・・・なのに出航前に食べた天ぷら定食で胃がもたれて気分は最悪。しかも昼食もカツカレー T_T; 辛い時は入れ歯おじさんを思い出して一人ほくそ笑んで消化されるまで何とか凌ぐ。(教訓:スタミナは付ければいいってもんじゃない!ロングの前の揚げ物は慎みましょう)暫くすると徐々に西に振れ始め、ほぼ真上りとなる。岸寄りよりもだいぶ高さの貯金を得た。遠くの大型艇らしき先行艇を数えると4艇。まずまずのポジション。その後徐々に風が落ち始め6ノット程になったので、暗闇の中ライトジェノアにセールチェンジ。

 午前0時、東の空からオリオン座が見えてきた。いつも見慣れたオリオン座さえも目立たない程の星、星、星・・・。流れ星を数えながら、寒くなってきたのでお湯を沸かしコーヒーなんぞ頂く。楽しくて全然眠くならない。オーナーの鼻歌がいつのまにかカーペンターズから賛美歌(い〜つくしみふか〜き〜)に変わっていることに気付いてしまい、口を曲げて必死に笑いをこらえる。その後ヘッダーで徐々に落とされ、下にいた艇と並ぶ。たぶんPort Jr.だろう。レース委員長なのに両色灯が付いていない(笑)タックしてスタンを交わして行った。

 午前3時過ぎ、後々まで語り継がれるであろう事件と遭遇。初島手前3マイル弱、8ノット程の風で順調にセーリングを続けていたその時、鈍い衝撃を受けジャバジャバと波を立てながら船が止まった。「網!?」「座礁!?」「そんなはずない、潮目??」何が起こったのかさっぱりわからないが艇速はゼロを表示したまま。ライトで海面を照らしてみると木やゴミのようなものがキールに絡み付いている。急いでボートフックを取り出し引き揚げてみるが、ものすごい重さで全く手が付けられない。流木にそこいらじゅうの木の根っこや枝やゴミが絡み付いた、直径約3メートル!?重さも1tは越えそうな巨大かた焼きそばみたいな玉だ。今度はセールを出してバックしようと試みるが上に立てようものにも船が全く回らない。ピット女1号、船を止めようと前でジェノアを抱え込むが上に立たないのでセールがはらみ体がバーストしそうになり手を離してしまう。仕方なくジェノアダウン。ボートフックで持ち上げ、少しずつ手で掴んで遠くへ投げるしか為す術がなく、かた焼きそばとの格闘が始まる。最後には2,3メートル程の大木が外れやっと船が動き出した。時計を見ると3時半を回っている。もうビリかもしれない・・・。その後もまだペラかキールに何やら残っているらしく、ヒールするとコツコツコツと何かがハルを叩く音がするがこの漂流物はその後「キツツキ君」と名付けられ葉山まで連れて帰ることとなる。

 午前4時15分、初島灯台を0度に見たので本部に連絡する。(他の船はとっくに回ってしまったと思い、はずかしいから無線ではなく電話で。)スピンを揚げるが、キツツキ君のせいか?集中力が切れたせいか?艇速が出ない。疲れと諦めムードで猛烈な睡魔に襲われる。もう入れ歯おじさんを思いだしても吹き出さなくなった。ところがオーナーがPort Jr.のMさんに電話してみると、すぐ前を走っていることが判明。まだ諦めるのは早い、と気を取り直す。辺りが明るくなると周りに船が沢山いる。無線でも後続艇の回航の連絡が入って来る。「なんだ、事件さえなければすごくいい所を走っていたんだ!ぐやじ〜」、すると暫く黙っていたはずのキツツキ君がリズミカルにコンコンコンと応答-_-;・・・。これで吹っ切れて、もうキツツキ君の亊は気にしないことに決める。

 午前5時30分、辺りが金色に染まり東の空から太陽の光が現れる。長い夜が明けて航海灯を消す。なんと、レーサー何艇かが後ろに見える。ライバル艇も照準圏内だ。気持ちだけは張り切るが、どうも体がついて行かない。運転手1号ダウン、らんらん1号も舵を持ったまま、もう首がグニャグニャになっている。だんだんと陽射しが強烈になって来て、立ってスピントリムをしているとクラクラ目まいがして来た。徹夜明けにこの日照りでは干物になってしまう・・・。

 午前7時、次第に風が落ちて一時ライトシートでのスピントリムとなる。岸寄りに行った何艇かが凪に捕まっている。小型艇DALTONと並んで走る。ボートスピードで負けてはいけない相手だが、キツツキ君が居るので仕方ない。ペラに絡み付いているとしたらエンジンは掛けられないので、先に入って待っていて曳航してもらおう!と勝手に決める。逗子湾に近づくとまたいい風が吹き始める。10時ちょっと前、HOBBY HAWKを置いていってしまったPort Jr.のMさんのフィニッシュの連絡が入る。無線でも超・ごきげんな様子。

 午前10時30分、DALTONから辛くも逃げ切りフィニッシュ。12時間半に及ぶレースで放心状態。上に立て3人でブームを押してセールを出し、キツツキ君が取れるかどうかもう一度トライしてみる。待つこと30秒、杖ほどの大きさの流木が3本流れていった・・・こんなに簡単に外れるならレース中ももっとやってみれば良かった・・・でも後のまつり。エンジンをスタートしたが、バッテリーが弱くかからず、結局ゴキゲンなMさんが同乗するマリーナの漁船に曳航される羽目になる。

 成績は18艇中着順6位、修正6位、星空の下でのゴキゲンセーリングに始まり、巨大かた焼きそばとの遭遇、最後は眠くて暑くて辛いレース。たまにはロングもいいかな〜。たまにはですよ。

  


第13回山口杯

1998年10月10日(土)
スタート:午前11時45分 
コース:葉山沖大三角(7マイル)

 空は朝から爽やかに晴れ上がりいよいよシーズン到来!と言いたい所だけれど、風が・・・ない・・・。スタート海面に到着した時は殆ど無風。当然スタートは延期となる。風を待つこと1時間、わずかに南が入り始める。

 参加艇はいつもよりやや多い31艇。ちょっと短すぎるラインに困惑しながらマニューバに入る。3分前を切りスターボードでラインを流していると、何故かポートでラインを流し本部艇に向かっていく船あり。???近づいても一向におとす気配なし。あまりに堂々とポートでやって来るので思わずラフしてしまう。(草レースだし・・・)スピードを付けたい所で失速、ラインまでの余裕もなくなってしまう。前方には沢山の船が折り重なるようにいてアウターも見えないので見切り発車。X旗が揚がり何艇かがリコール解消のため戻っている。

 前方上のライバル艇、デルフィナの乱れた風を受けながら走る。これから逃れ、沖のパフを拾う為に後方スターボード艇が返すのを待ち、ようやくタック。フレッシュウインドを得る。艇速は順調に上がり岸寄りの艇団を少しずつ引き離す。上には何故か?今日はとっても速いTさんのデルフィナ、HOBBY HAWK、すぐ後ろにさきがけを従えSWING3艇がフリートをリード。何艇か出ているレーサーはリコール解消後パフを拾えず後方にいる。SWING夢の上位独占か?!なーんて浮かれていたら佐島沖マークの手前でアプローチをややミスし、さきがけ、スケジュールにリードを許してしまう。

 スピンを揚げ江ノ島方向へ向かう。徐々に良い風が吹き始め、程好くはらむリーチングのスピントリム。かつての2トンレーサーと並んで走るが艇速は互角。えらいぞアタシ。下にいたデルフィナとスケジュールがブランケットに入り失速、順位を奪回。先頭のさきがけを2番手で追う。そのうち2トンレーサーは本来の艇速でHOBBY HAWKの上側をかわし、さきがけとは付かず離れずの距離のまま江ノ島沖マークを回航。ジャイブしてスピンのまま名島沖マークへ向かうが、始めマークの方向を誤りやや上り過ぎてしまい手痛いロス。さきがけとは少し離れてしまう。しかし後続に当分小型艇は来ないし、前は2艇の大型レーサーと、同型艇さきがけのみだ。船上では早くも2位を確信し「ビ〜ル行く?行く?行っちゃうぅ〜?」などと浮かれまくり・・・^_^;

 気持ち良くフィニッシュし、缶ビールを飲み干す。表彰式はいそいそとあぶずり新港へ。パーティーではハイエナと化したセーラーが、焼きそばの鉄板をぐるりと囲み、焼き係の手先を凝視しながら焼き上がりを待っている。その威圧感に思わずのけぞっていたら、まばたきしている間にもう鉄板は空っぽに・・・。(あぁいつもの光景)ピット女は皆の分をゲットすべくスタンバイしていたが、気が弱いので箸に絡んだ3本の焼きそばとキャベツの芯しか収穫なし。(うそ、本当は闘志みなぎらせて挑んだが、見知らぬおぢさまとの箸バトルに破れてしまった。うーん、もっと箸技を鍛練しなくては・・・)

 そうこうしているうちに成績表が配られる。ぎょーーーっ。準優勝だと思っていたが16分差でフィニッシュした小型艇にCT Secで41秒(も)及ばず第3位。予定よりちょっと小ぶりのカップに・・・
(教訓:レースはフィニッシュのホーンが鳴るまで真面目に走りましょう・・・)

ところで、毎年やっている山口杯ですが、・・・
山口さんて誰? 

 


第22回オーシャンカップ

1998年10月25日(日)
スタート:Race#1=午前10時50分 Race#2=午後12時50分 
コース:上下ソーセージ(Race#1=3.5マイル Race#2=5.3マイル) 

昨日までの北の強風と寒い雨が嘘のように晴れ、今日はTシャツ日和。でもまたしても北寄りの微風。何とか風向が定まった所で20分遅れの第1レースの予告信号が鳴る。本部艇有利だがクリアウォーターを求めて真ん中よりややピン寄りのポジションを取るが、潮がきつく多くの艇が押し出されゼネリコとなる。再スタートは1分間ルールが適用され、ラインまで戻れない艇や押し出さた艇もちらほら。HOBBYHAWKは1度目とほぼ同じポジションでスタート。

 飛び出したのは「ADONIS」すぐ上にはHセールのTさん率いる「デルフィナ」がいる。スタート直後に風は東に回り始め、片上りとなる。1上マークに近づくにつれ風は更に振れ、後方の艇からスピンを揚げ始める。ウィンドアングル100度となったが、HOBBY HAWKはマークまであとわずかだったのでスピンは揚げずにアプローチに入る。4番手で1上マークを回航。左海面の風を拾おうと前方の2艇に続き、HOBBY HAWKもスターボードに返す。すぐ下にいたBセールの凶川さんが乗る「日本の心」もすかさずタック。ガティーな海面だが、所々にある小さなパフを拾いながらの走り。1下マーク(でも風上)回航時には左へ伸ばした艇の前に出ることに成功。徐々に風が安定し始め、スピンを揚げて上マーク(笑)へ進む。小型艇とはそれほど離れていないため油断はキンモツだ。ピット女1号、スピンダウンでつまずきウインチに力いっぱい頭突きを食らわす。目の前は星だらけ、毛根からは火を吹きながらすごい形相でスピンを引きずり降ろす。(コ・コワ〜・・・)

 最後の上りレグでコース取りが良かったのか?あのTさんの乗るデルフィナを抜き2艇のレーサーに続いてのフィニッシュ。う〜ん、このレースは会心の出来。着順3位、修正第2位!

 第2レースはガストで10ノットを超えてきたのでNo.1ミディアムにセールチェンジ。ラインを流すが少々タイミングが早すぎる。同じようなポジションで下にいるデルフィナとともにセールはシバー、しばらく上に立てる。20秒前でジブを入れベストスピードでスタート。(当たり前のセオリーだけど、最近ようやく思い通りに出来るようになったのであーる。練習の成果?えっ?最近練習なんてしてないって?そう、HOBBY HAWKはレースが練習の全てです、ハイ・・・)

 飛び出したのはやっぱりADONIS。さすが!多くの艇が即タックで右海面へ返したが、HOBBY HAWKはそのまま伸ばすことに。そう決めた直後からラッキーなリフトがいつまでも続き、ほんの2,3分で大きく高さ貯金を得る。2上のレグで宿敵Port Jr.とミート。スタンをなめてから返すつもりが距離をあやまり慌ててしまい、思わずミート直前で下タック。はぅ〜っ(泣)これで少しずつ調子が狂いだす。はやる気持ちが空回り、2下レグでも無理に上突破を試みて失敗。その後もマーク直前でセールチェンジを強行し、ジャイブが間に合わない、スピンは下りない、ジブは揚がらないなんちゅー凡ミスでもぉドタバタ・・・。やっと落ち着くとを揚げた伏兵がもうすぐそこまで迫っている。

 考えてみればそのまま走ればPort Jr.にもレーティングで勝利なのに、チグハグな戦術で自滅の道を辿ることとなる。最後のタックでを押さえてフィニッシュ・・・の予定が、ジブシートのキンクというおまけ付きで10秒先にフィニッシュされてしまう。うーん、最近の好調振りに調子に乗ってしまったか?それとも2レース目は気力体力ともに持たなかったのか?着順6位、修正7位・・・

 でも総合は第3位。HOBBY HAWK海の家で使う電気ストーブをゲット!今年のHMYCのレースも残す所あと2レース。今日はちと調子に乗り過ぎて失敗もあったけれど、最近絶好調のHOBBY HAWK、あと取っていない順位は「優勝」だけ。頑張りましょうー!ボォォー、ボォー(注:燃えている音)

 




Pre Nippon Cupプロアマセレブリティレース

1998年11月8日
スタート:午後12:00
コース:葉山沖・上下ソーセージ(2レグ)

 今年もまたニッポンカップの季節がやって来た。マリーナのあちこちを外国人セーラーが闊歩し、報道陣やスタッフが忙しく動き回る。この雰囲気を身近で味わえるのも葉山セーラーの特権。それに今年はニュースキャスターや世界のプロセーラー達と一緒に葉山マリーナヨットクラブがプロアマセレブリティレースに参加できるという。これはもう、参加しない手はないのであーる。

 それにしても今年は本当に天気に恵まれている(風は別として)。今日だって青空と南寄りの軽風で11月とは思えないぽかぽか陽気。信じられないけれど、こんな時期でも短パン・Tシャツが丁度気持ち良い。ポンツーンで出港準備をしていると、隣に舫うマッチレース艇に乗り込んできたのはピーター・ギルモア率いるピザーラセーリングチーム。ミーハーなので(私だけか・・・^_^;)艤装のやり方、艇のチェックの仕方を一つ一つを見物する。それにしても皆岩のような大男。遅れて乗り込んできた10チャンネルのキャスターと比べるとまるで親子のよう。カメラマンも乗り込み各艇出港。

 逗子湾はブラインドセーラーの方々のレースや、ヘリコプター、コミッティボート、プレスボート、観覧艇、などでなかなか賑やか。う〜ん海外のレースみたいでイイ感じ。今回のレースは、ヨットは初めて!なんていうスポーツニュースキャスターが舵をとるということで、残念ながら短い上下の一往復のみ。でも例年は平日知らないうちに行われていたセレブリティレースが、今年は日曜日にしかも地元セーラーも混じってのフリートレースということで、試みとしては大変すんばらしいことなのではないでしょうか?

 午前11:50定刻どおり予告信号が鳴る。マッチレーサーたちのマニューバに絡んで目立つ?という手もあったけど、スターボードでピンに向かう艇でアウター付近はごった返している。空いている本部艇側なら思い切ってポートスタートもいい案だったが、ライン中央付近まで十分な水があり下艇もなしということでスターボードで流して楽ちんスタート。もしかしてマジになっていたのはうちだけ?それともみんな美人アナに視線釘付けでピッタリマークだったのか?もぉー、やだなぁみんなー、困っちゃうなぁ真面目な正統派セーラーHOBBY HAWKとしては。(笑)

 高さの差はあるものの、トップ3艇には入っている様子。マッチレーサーの艇はFirst317でこの軽風の中ダクロンのレギュラージブ、しかもヘルムはキャスターの方々。不公平この上ないのは重々承知の上だけど、でもいいなぁ、すごいなぁ、世界ランキング第1位のギルモアがあんなに後ろにいる〜(うっとり)。しばし写真撮影などしてはしゃぐ。レイラインに近づき上後方にいたPort Jr.がタック。風の振れを考えてもう少し伸ばそうとするとリフトの風。次のヘッダーで返し、スターボードでばっちりのマークアプローチに入ろう・・・としたところでポート艇とミート。先日のレースでもスタート前ポートで突っ込まれた相手なので慎重に様子を伺いながら「スターボ!」と権利を主張。だが落とす気配なし。どてっぱらに穴を開けられそうな勢いなのでラフして先に行かせる(泣)スキッパーズミーティングでは「親善レースなので抗議は受け付けない」とのお達しが出ているし、う〜ん、まいっか。(でもぐやじい)スピンを揚げてフィニッシュに向かう。途中ブランケットに捕まり艇速が落ちたのでジャイブして逃れる。後ろを見るとマストトップスピンを揚げたマッチレーサー達がもうすぐそこまで迫ってきている。さすがにフリーは速い。HOBBY HAWKは4着でフィニッシュ。

 表彰式ではプロ5チームの中で優勝した8チャンネルの美人アナが、ポンツーンから海に放り込まれるという見せ場もあり、大いに盛り上がる。ワインでいい気持ちになった頃、クラブ艇の順位発表があり、HOBBY HAWKは第3位!チュウチュウ吸って船の上で幾度となくお世話になっている「ウィダー」1ケースをゲット!(笑)前に走っていたがリコールだったらしく、ケースのことは残念だけどまぁまぁラッキーな結果に終わった。1位、2位の賞品はG-SHOCKだったが、ケンカになるし3位で良かった、と日記には書いておこう・・・

 このようなセレブリティレースに参加出来ることは本当に恵まれているなぁと実感。スタッフの方々に感謝感謝である。このようなレースを通してニッポンカップやヨットレースがさらに身近なものとして盛り上がって行けば素晴らしいなぁ、なーんてたまには真面目な締めくくりにしてみますです。

 


城ケ島レガッタ

1998年11月22日(日)
スタート:午前9時
コース:城ケ島南西沖浮標回航

 昨日の南西の風が一転して今朝は北寄りの風、時折20ノットオーバーと久々にスプレーを浴びそうなコンディション。今シーズン初めての木枯しセーリングということで皆カッパを着込んで8:30出港。ウェザーマークは設けずスピンスタート。方位から考えてポートスタートか、スターボードで出て即ジャイブか・・・。メインだけでラインを流す。スターボで流す船は当然本部艇に向かって集まり、アウター側はぽっかりと水がある。ポートスタートに決めて、10秒前からスピンハリを引きジャストスタート。スピンはすぐにきれいにはらみ(ふぅぅ〜)DANNA、ADONISに続き3番手の好ポジションでスタート。即ジャイブ失敗でブローチングする艇、シートを飛ばしスピンを破く艇を右後方に見ながら徐々にプレーニングを始める。力持ち!運転手1号がクランクに入り、ピット女がタイトリーチのスピントリム。だんだん握力がなくなり泣き顔になる(笑)

 その後佐島沖あたりから落とし気味に走りクォーターリーで快調快調。しばらくしてレイトエントリーで追いかけて来たMelges24「早起き鳥」がもの凄いスピードで上を突破。ヘルムスマンもディンギースタイルのハイクアウト。凶川さんカッコイイ〜!

 城ケ島の橋が見えてきた頃、南西沖ブイは目指した角度より更に沖にあることが判明。いつもの漁船団がたまたまもっと上にいたのと、先行の2艇がどんどん上っていくのに惑わされちょっとオーバーセイル。手痛いロスだが、進路を正してもぎりぎりジャイブなしの角度で行けそうだ。先行の2艇はしばらくしてジャイブ、1艇がタイトでブローチング気味になりカーボンスピンポールポッキリいったようだ(合掌)。早起き鳥がトップ、3艇のレーサーに続き5番手で回航、帰りは風が落ちることを予想して、ややきついがNo.2ジェノアをアップして上り始める。スタート時よりは若干落ちてきたものの瞬間的には18〜20ノットを越える値がちらほら。5人のウエイトでは明らかにオーバーヒール。ジェノアのトリムもいろいろ変えてみるが上りも悪く艇速も出ない。そうこうしているうちに後に廻ったPort Jr.と赤い同型艇に抜かれる(T_T)。動くジェノアリーダーに交換してからNo.2で走るのも考えてみれば初めて。トップをやや逃がし気味にして、艇速がやっと出始める。

 名島の手前でHobieCat全日本のフリートにミート。知り合いのKomさんが乗るフライングバナナフィッシュ号を見つけフルハイクしながら手足をじたばた振っていたら「船を揺らすな」と叱られる。しゅん。暫く並んで走る。乗ってみたいなぁかっ飛びHobieCat。

 その後名島の3つ岩の至近を一列になって通過する。前の2艇がかわしたあと、にわかにラフィングマッチを始める。今だ!とベアし、下から前へ出ることに成功。ラッキーにも見つけたフィニッシュマークはどう見てもこちらが近い。Port Jr.には負けたけど、最後はちょっとだけ気持ち良くフィニッシュ。

 成績はレーティングで有利だったクルージングボートや小型艇が上位独占。優勝はシオッケたっぷりのエングルボーン、HOBBY HAWKは第6位(小さい声で)。城ケ島のジンクス破れたり?

 明日もレース!夜はHOBBY HAWK海の家で合宿。掘り炬燵の炬燵をどかし、代わりに七輪を置いて簡易囲炉裏の出来上がり!部屋中をけむだらけにして手羽・砂肝などを焼いていただく。う〜ん、ウマイ!明日もグヮンバロー!

 


クリスマスレガッタ

1998年12月20日(日)
スタート:Race#1=午前10時50分 Race#2=午後12時30分 
コース:上下ソーセージ(Race#1=4.8マイル Race#2=6マイル)

 いよいよ1998年の最後のレース。晴れそして北のドン吹き。今年のレースのコアメンバーとなった6人+Bセールの凶川さんの計7人が乗り込み9:45出港。

 レース海面に着く頃にはどんどん吹き上がり、風速計もMAX28ノット表示。全艇ライジャケ着用が知らされ、スタート前にデスマストする艇まで出たが、ワンポンリーフにNo.3で何とか参加。ラインまでの距離を誤り10秒程遅れてのスタートとなる。ホープレスポジションから脱出すべくタック。その後風が徐々に落ち始め、ヒールも安定しスピードに乗る。3回目のタックではなんとDONNAの前へ出ることに成功。すぐ抜かれたけど(笑)

 その後5番手で1上マークを回航。がーっ、トッピングが遅れ、ガイとスピンハリのタイミングも合わず、まず提灯をやらかす。ハイ、アタシの責任ざーます、間違いございません(-_-)。すぐに開くが、開いてみるとど真ん中に三角形の大きな穴が・・・。とりあえずこのレグは騙し騙し走る。風が落ちてきたので落ち着いたところでリーフ解除し、まもなく1下回航。

 今日はちょっとずつポジションがシフトしていて何となく落ち着かない・・・と思いながらパッキングを任せてハイクアウトに入ると、なんと、スピンハリがびろろーーーんと遠くで泳いでいるではあーりませんか。あぁー(*o*;)。凶川さんの顏も怒りで歪み出す(笑)。仕方ない、ゆっくり目にタックを試みてスタンから何とかキャッチして事無きを得る。そんなことしてるうちに風は更に落ち、すっかり順風となり、2下で流し込みフィニッシュ。第1レースはいろいろ曲芸をやらかしたけど、リカバーもうまくなったの?3艇のレーサーとPortJr.に続いて着順5位、修正ではPortJr.に続いて第2位!

 2レース目は15ノット程に風は落ち着き、No.1ヘビーをセット。スタートは混戦で、下から突き上げられて本部船の外に追い出されかけたが、先に行かせてからベアして何とか滑り込む。結果的に前の艇団がリコールだったらしくHOBBY HAWKがジャストスタートとなる。ラッキ〜。先頭集団にはリコールくさいのも混じって6〜7艇、それに続いて進む。1上マークを回った後、風が悪く後ろの大集団にすぐそこまで追い付かれる。集中力が何となく途切れていると、凶川さんに喝を入れられ再びスイッチON。Tさんのデルフィナがジャイブでトラブっているのを横目にジャイブしてかわす。2上ではジェノアをミディアムにチェンジし、岸寄りでいい風を得る。順位も徐々に挽回。

 2下マーク回航で慣れないスピン上降ろしを試みたが、回航後案の定ポールとジブシートが何だかややこしい関係に陥る。そんなことはここで言わなきゃ誰も知らないからまぁいいとして、でも応用力には難アリ。着順7位でフィニッシュ。2レース目が修正で4位として、「総合だと3位ぐらい?まぁまぁだねえ」なんて言っていると表彰式では2レース目は前の2艇がリコールしたことが判明、
修正3位、総合成績なんと優勝!

うーん、何と言いますか無欲の勝利と言いますか・・・(絶句)はじめはリーフしていたし、何だかちょうちんとかとかびろろーんとか色々あったので、思い掛けない結果で有終の美を飾ってしまいました。

 1998年のレースもこれで終わり、今年はとにかくレース・レースの1年で、ボロボロの結果から尻上がりに良くなり、最後やっと手にした優勝。オリジナルクルーでやってきたということもあり、大変意味ぶかぁ〜い1年でありました。皆さん1年間どうもありがとうございました。