DSRV(深海救難艇)
Deep Submergence Rescue Vehicle
内容は潜水艦救難母艦「ちよだ」及び訓練装置のパンフレットを参考にしています。)

クレーンで吊下中のDSRV(1号艇左と2号艇右)

DSRVについて
 DSRVは、沈没した潜水艦からの乗員を救出するために作られました。
 海中の潜水艦から人が海水に触れることなく、救出移乗させることのできる機能を持った潜水艇のことです。

 海底観測用の潜水艇に比べ優れた航法機能があり、機動性が高く海中を自在に航走できます。

 日本では1985年に1号艇が1999年に2号艇が神戸川崎重工で作られ、海上自衛隊の潜水艦救難母艦「ちよだ」(母港横須賀)に1号艇が、「ちはや」(母港呉)に2号艇がそれぞれ搭載されています。

 「原子力潜水艦浮上せず」、「レッドオクトーバーを追え」なんていう映画の中に米海軍のDSRVが出てきます、海上自衛隊のDSRVもこのDSRVをお手本に作られました。
 米海軍のDSRVは細長くスマートです。飛行機に積んで世界規模で潜水艦救難活動ができるそうです。

 DSRVは沈没した潜水艦からの乗員の救出が主な任務ですが、これ以外にもいろいろな方面で活躍してます。
 


DSRVの主要目
 (1,2号艇とも同じ)
全  長 : 12.4m
  幅   :  3.2m
排 水 量 : 約40ton 
水中速力 :  4.0kt
操 縦 者 :   2 名
収容員数 :  12 名


DSRVの構造

  DSRVの外板は薄いグラスファイバーで作られていて、
チタン合金製の骨組にビス止めされています。
 中心には鋼鉄製の中空の球を団子上に3つ並べた内
殻があります。

  この中は人の入るスペースがあり、人は球の間を移動で
きます。
  球形にしてあるのは、海中の高い水圧につぶされない
ようにするためです。

  前部の球は操縦室中央の球は救難室、12人が座れるス
ペースがあり、後部の球には機械の入った機械室があります。
 潜水艦乗員の救出時も含め潜航中の艇内気圧はほぼ
1気圧です。

  中央の球の下部にはスカートと呼ばれる、潜水艦とドッキ
ングするための半球状の球があり、底が開(あ)いていて潜
水艦と触れる部分は、ゴムパッキン付きです。
 スカートは潜水艦の乗員がDSRVに乗り移る際の通路とな
ります。
 潜水艦の乗員が乗ると艇が重くなるので乗員の重さの分の
水をゴムの袋に入れて救難室に積んでいき、乗員を救出する
際に潜水艦に捨てます。

  内殻と外板の間には色々な機器が装備されていて、水圧で
つぶれないように油が封入された機器もあります。

  DSRVの前面には遠おくの目標を見つけるためのソーナー
装置が取付けられていて、ここから超音波を出して目標に反
射して帰ってきた音波の状態を操縦室のモニターに表示するこ
とで、周りの状況を知るのです。

 DSRVは基本的にはおもちゃの潜水艦と同じで、特殊なバ
ッテリーを電源として、モーターを回して水中を走ります。

 長い距離を走るときや、深い海中に潜るときにはシュラウド
リングと呼ばれる尾部に取り付けた舵で左右上下の姿勢を制
御して航走します。
  舵の効かない低速時は上下左右に推力を出す、スラスター
装置を使って姿勢や位置の制御を極めて緻密に行います

 傾いた状態で沈んでいる潜水艦にドッキングするために前
後左右のバランスを崩しやすくする必要性から、重いバッテリー
を高い位置に搭載しているところも、普通の潜水艇にないDSRV
の特徴です。


DSRVの操縦

(DSRV操縦室内)
 DSRVの操縦は正副2人操縦士が行います。

 正操縦士はソーナーやテレビカメラの映像を見ながら2つの操縦レバー(ジョイステック)を操作し、DSRVを操縦します。
  副操縦士はソーナーやテレビカメラ等のセンサーを操作し、正操縦士に操縦に必要な情報を伝えるとともに、艇の重量調整やマニピュレータの操作を行います。

  計器類はどれも小さくて、腕時計の文字盤のようです。

  操縦室はとても狭く、操縦席に座るためには知恵の輪のように座り方の手順があって、順番を間違えるとどこかに挟まって動けなくなります。

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