3.神戸市灘区福住通7の道標

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神戸市灘区福住通7丁目1−1 福住小学校東北角、福住公園内に東を正面に建つ
自然石 75x43x37
N34.713589 E135.218563


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東面
┌─―――――――――――――――――┐
│まやみち              │
└――――――――――――――――――┘

北面
┌─―――――――――――――――――┐
│天和二壬戌年二月日         │
└――――――――――――――――――┘

西面
┌─―――――――――――――――――┐
│愛里難や華能臺尓糸津介て      │
│飛きあけたまへな満い多(ゞ)    │
└――――――――――――――――――┘
((ゞ)は「く」を長く伸ばした踊り字
 「なまいた、なまいた」「南無阿弥陀仏」か)

南面
┌─―――――――――――――――――┐
│  大坂四橋            │
│ 銅屋(善)兵衛          │
└――――――――――――――――――┘
(( )部は『神戸の道標』より)


(天和二(壬戌)年二月1日とすると、西暦1682年3月9日月曜日となる。)
(『神戸の道標』山下道雄、神戸新聞、1985年刊では灘区15)
(明治の地図で当地を見ると上野の集落南端に当たり、東から篠原、畑原、当地、南に向かい原田、岩屋への道が通
 る所へ現阪神の西灘駅北辺り(旧西国街道)から当地、上野集落中に続く南北の道の四辻となっている。集落を抜
 け北に進むと、現在の摩耶ケーブル駅西に摩耶山への「十七丁」丁石がある地点に繋がり、南側は池である。
  依って東面「まやみち」とするのはもっともであるが、向きが90度反時計廻りに変えられていると思う、現東面
 が南面して置かれていたとしたい。(当辻から南への旧道は阪急北側迄痕跡もない。))
(国立国会図書館デジタルアーカイブの『攝津名所圖會』. [11]のコマ番号48の絵図には「摩耶山」が描かれており
 十八丁からの丁石があるとしている。(十八丁丁石はケーブル駅にあるがこれは移設されていると思う。)
(「銅屋」江戸期には一般名詞で「あかがねや」と読むらしく、『近世日本の銅と大坂商人』に銅屋善兵衛が載る。)
(西面の詩であろうか、「難、華、臺」を除きかなで書かれているとして、「有難や花の台(うてな)に糸付けて、
 引き上げ給へ、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」ではないかとした。
  これを見た時芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を思い出した。どんな糸かは分からないが、当時から極楽に引き上げる
 と言う様な説法であろうものが、一般的に広まっていたと出来るものか。後ろの「なまいた、なまいた」は「なん
 まいだ、なんまいだ」の訛りで「南無阿弥陀仏」と唱えたものと解釈した。)
(この南の道は西國街道の岩屋辺りから繋がっていたとしたが、『蜀山人全集.巻1』吉川弘文館の『革令紀行』
 「自是敏馬神社道」石の次に書く「摩耶山道」に当たると思われ、岩屋以西の人々は多くこの地を通過したものと
 思う。
 前述の書でも「秀吉より十石の禄を宰領した岩屋村から摩耶山へ米を運んだ道で、閻魔堂迄を島田道と呼んだ」と
 しており、通行量は多かったと思われ、その結果上部に盃状穴が幾つか確認できる。よって道の傍にそのまま置か
 れ丁度触り易い高さであったと想像できる。又「戦後婦人会により再建」とあると共に、福住小学校が池を埋め立
 てて昭和七(1932)年に建てられた後の地図でも辻の位置が変わっており、何度も移設されていることが分る。)

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【1.道標を北に望む 【2.道標を西に望む 【3.道標を南に望む
 右奥(北)摩耶山へ  奥(西)西郷川へ  奥、阪口石屋川線へ
 左、王子動物園へ】  左、阪急王子公園駅へ】  右(西)西郷川へ】

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【4.道標東面拡大 【5.道標北面年号部分 【6.道標北面年部分
 「まやみち」  「天和」と読めるか  「二壬戌」のうち
 「山」が付いていない】  「天」に疵がある様だ】  左下「戌」が見難い】

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【7.道標西面拡大 【8.道標南面拡大 【9.道標上部拡大
 「阿里かたや…」  「銅屋」の下が  盃状穴があり
 ほぼかなのみ】  「善」が読み難い】  低位置にあったか】

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【10.神戸市東部の道標】
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