Architects & Architecture 世界の建築 見て歩き
Luis Barragan  ルイス・バラガン

-by tomoko-



Casa Luis Barragan バラガン邸
in Mexico City




バラガン邸で撮影を許されたのは屋上のテラスだけ。
ここの写真だけで伝わるものもあるだろうか。

メキシコシティという車と人で溢れかえっている都市にあって、
バラガン邸の内部空間の静かで豊かな広がりは、
木の入口と縦格子の嵌った窓のほかはただ白い壁という極めて素っ気ない外観からは、およそうかがい知れない。
白を基調に、ピンクや黄色といったいくつかの色で鮮やかに塗り分けられた高い壁。
そこで生活する人や来訪者人の動きを意識し感じることを可能にする空間構成。
その位置によって変わる、光によってもたらされる壁の色の反射を計算し尽くした扉。
さまざまな色のおおきな壁で構成される空間のなかで、自然に存在するやさしい木の建具や家具。
風の流れ、光のうつろいは、この建物を介して彼の手中にある。

案内をしてくれた青年が、
急用で観覧客たちから離れなければならなかったとき、
繰り返し繰り返し、「絶対、写真は撮らないで」と念を押していたのが印象的。

2008.02



Casa Gilardi  ヒラルディ邸
in 
Mexico City



ヒラルディ邸はバラガン邸から歩いていける距離にある。
個人住宅でありながら、アポなしで突然訪ねていっても内部を見せてくれるのだから
100ペソも高いとは言えないか。
ここも内部の撮影は禁止されている。
ここに載せた内部写真は、、、ごめんなさい!目をつぶってください!!

よけいな照明などいっさい使われない。
壁の色、窓ガラスの色、そこに差し込む日の光。
それらは、空間の色そのものをつくりあげる。
刻々と移り変わってゆく天窓からの一筋のひかりの効果は神業か。

2008.02



Convento de las Capuchinas Sacramentarias  カプチーナス修道院礼拝堂(トゥラルパンの礼拝堂)
in 
Mexico City


残念ながら、ここ、トゥラルパンの礼拝堂も撮影禁止。
いちばん美しく幻想的な空間は、ここには載っていません。
ごめんなさい。それから、シスター、少しでも内部を撮ってごめんなさい。

色というものは、差し込む光のあたる角度でこんなにも変わるものだろうか。
礼拝堂の奥の壁はピンクともオレンジともつかない、彩度が高いのに深い色をしていた。
90度に向きの違う二つの壁は、脇からのステンドグラスを透した金色の光を受け、
同じ色でありながら全く違う表情を放つ。
そして、その手前に立つやはり同色の十字。
明度の違いと陰影を伴い、それは、決して壁に融けることはない。
エントランスを入ってすぐのパティオの白い壁に施された十字も
壁と白一色でありながら、陽の光によってもたらされる影によって、その姿をしっかりと主張している。
ちなみに、空間を隔てる格子のグリッドは常に200mm。
木の扉は建具というにはあまりに大きな幅をもち、ヒンジは4分の1のあたりにあった。
それは大きいが故に存在感を消している。

写真がないんじゃあ、伝わらないよね。。。

2008.02



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Last updated:
Mar 20, 2008
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