■ 3月の戯言 ■

3月1日

高橋夫婦、カッヘでお茶を飲み「そろそろ帰るべ」と車に乗り込む。すると4,5分後、妻が叫ぶ。

「しっこ! しっこしたーい!」

「でたっ。またかよー。なんで帰る前に店のトイレで絞り出してこなかったんだよー」

そうなんですよ、いつもなんですよ。店を出る瞬間は、尿意なんてこれっぽっちもないんですよ本当ですって。厠へ行けないとゆー強迫観念が、きっと尿意を誘うんですってば。で、あぁ、便器なんかを頭に思い描いちゃダメだわ、なんて考えれば考えるほど、猛烈に行きたくなるんですってば。イヤよイヤよも好きのうち、とかそゆこと?(違う)

「しっこーっ、しっこしっこしっこーっ」

叫んだからって、いきなり車を側道に停めて「ほら、ココでしな」と言われてもできないことくらいわかっちゃいます。

こゆときは、別のことを考えるんダ!

気を紛らわす為に、ラジヲを聞きながら「んなアホな、なぁー」と突っ込みを入れてみる。

ダメだ。意識が朦朧としてるから、突っ込みにもキレがない。

「何か喋れ」

そう運転中の夫にリクエストするが、うーとかあーとか唸るばっかで単語すら出てこない始末。

「あと、数分で家に着くから」

そか。頑張ってみるよ。

…え? あーっ!

なんでソコでブレーキ踏もうとするかなぁー。自宅まであと数メートルっつーところなのに。黄色は進め!でしょ?

「うぅぅぅ」

ブレーキを踏み込んだ瞬間、シートベルトが程よく膀胱を圧迫してつい噴射させそうになるも、眉間にグっと縦皺を刻み、歯を食いしばって堪える妻。

「でもさーハァハァ、こんだけ我慢してるとさーハァハァ、家についてトイレに走りこんでパンツ下ろして便座にフゥ〜っと座ったとしてもねヒィヒィ…数秒間、なーんにも出なかったりするんだよねーハァハァ。でもって、こんだけ我慢してるから、凄い勢いで出そうなのにアフアフ、チョロチョロとだらしなく出るだけなんだよねーハァハァ」

自宅の駐車場に車が滑り込み、停車してないにも拘らずドアを開けて飛び出ると玄関へ走る妻。少しでも衝撃を与えないようにと、両膝をピタリと合わせて内股で走るので、5歩で辿り付ける玄関扉が地球の裏側程遠く感じられる。

「それはきっとさー」

背中越しに夫が叫ぶのを右手で制し、無造作に靴を脱ぎ捨て、ズボンを下ろし、パンツをずりさげ、尻丸出しの状態で室内を走る。アウアウアウッ。

「あんまり我慢しちゃったからさー」

便座にドッカと腰を下ろし、フゥと溜息。

1秒、2秒…。ううむ、やはり今回も瞬時には出ない。

「ちんこの先っちょが、正座し続けたときみたいに痺れて麻痺するんだよ、きっと。そうに違いない」

そうトイレの扉に向かって叫ぶ夫。妻のちんこが正座できるほど長いとおっしゃるのか!

つか、なんで車の中では、「ア」と「ウ」だけだったくせに、妻がトイレに入った今頃になって饒舌に喋りだすんだ。

3月2日

「え?」

不思議そうな顔をした奥さんをみて、慌てて言い直す。

「いや、ダ、ダッシュ。間違っちゃったよデヘヘ」

知ってるんですよ本当の名前。娘さんに聞いたし。TOKIOのダッシュ村からとったんでしょ。でも、わたくしはコヤツのことを、しばらくはジャーと呼ばせてもらうことにしたのですよ。だから止めんでください。気にせんでください。今日は奥さんの前で思わず口にしてしまったけれど、普段家主がそばにいるときには絶対にジャーとは言ってないから。今日は言い間違ったけど、ちゃんとダッシュって呼ぶから。まぁ、心の中ではジャーって叫んでるけどね。

あ、名前が二つもあるのがおかしいなんて、思わないでくださいよ。北野康行だって有栖川宮殿下っつーニックネームを無理矢理自分でつけてたし、松本智津夫に至ってはショーコーとかグルとかキョーソとかソンシーとかいろんな呼ばれ方があったしね。なーも、おかしいことありませんって。

それに、コヤツだってけっこう気に入ってるみたいで、ジャーと声をかけたら尻尾、ブンブン振って笑っとりますよ。

奥さん、以前言ってたぢゃないですか。

「うちのダッシュったらね、米食べちゃったみたいなのよー。精米したてのお米。床にこぼしちゃってね。でね、やっと出てきたの。ウンコと一緒に。それがさー、なんだか炊き立てのお米みたいにふっくらしてたのよー」

って。

スイハンキーとかでもよかったんですけどね。呼びにくいからジャー。

今朝、散歩から帰ってきて、玄関先で2匹の足を洗っていると、そのジャー、ことダッシュが奥さんと一緒に坂道を上ってきた。我が家の前ののり面でジャーことダッシュは背中を丸め力みだす。その仕草を見て、奥さんは慌ててビニール袋の中に手を突っ込み、いつでも糞を拾えるよう尻を突き出し前屈みに。

が、糞を掴もうと右手を差し出した瞬間、ジャーことダッシュの長い鼻先がその手を押しのけパクリ。

「ギャーッ! んもぅ、またーっ! なんでよーっ!」

奥さんが怯んだ隙に、全ての糞塊を口の中へ入れてしまいました。

なんとゆー早業。グルメ(?)犬、ジャーことダッシュの、新たな名前を考えねば。

3月4日

ミスドでポンデリングの醤油を購入し4個一気食いしたら、胃袋ムカムカーです。でも、どうしても一気食いしたかったの。一度でいいからやってみたかったの。ハンバーガーのように4段重ね食い(アホ)。

数日前から、我が家の郵便ポストには3月6日のわたくしの誕生日を祝って、続々とバースデーカードが投げ込まれております。あぁ、世の中のいろんな方々に祝ってもらえる幸せ。クリーニング屋とか眼鏡屋とか車屋とか肉屋とか。日ごろからポインツカードを後生大事に持ち歩いてた甲斐があったネ。「お誕生日割引セール実施中」なんてゆー、心温まる嬉しいメッセージまで添えてくれちゃってるし。つか、プレゼントくれるどころか、金を使えと?

舌打ちしつつ、片っ端からゴミ箱に捨てていると電話がかかりました。

「アンタ、もぅすぐ誕生日だよねー。何かほしいモンとかある〜?」

母親からです。

あぁ、愛。

「何が欲しいかゆーてん」

うーん、うーん。そういわれると…。

「若さ」

いや、賢さとか上品さとか数え上げたらキリがないんだけど。何故か、口をついて出たのがコレ。

「ふーん。それならさ、顔に注射してもらうやつ、その回数券みたいなのを10回分送ろうか」

「え?」

「皺とかなくなるっちよ。今はね、病院とかでも1回千円くらいでやってくれるらしいよ」

えーとえーと、もしやそれって菌でしたっけ。クラミジアとかトリコモナスとか、体に悪そうな…。いやだわっ、そんなの顔面に注入されたら、鼻が落ちちゃいそうだし。あ、鼻が落ちるのは梅毒か。え?梅毒って何が原因なんだっけ?トレポなんとかだっけ? 淋病は淋菌による隣人のための感染症なんだよねー。あれ?何の話だったっけ? そうそう、顔に注射ね…えっとサルモネラを打ち込むんだっけか? サルモネラ〜? それって食中毒になるやつだわよね。顔面腐らしちゃうのかしら? え? 違う。そうね違うわよね。うーんうーん。

「んもぅ、どーでもいいっちゃ、菌の名前なんて。ソレソレ、なんか、そんなの。そんなやつよ!」

ボツリヌス菌っつー言葉が出てこず、結局最後まで親子の間では「ソノ菌」という名前で話が進んでいったんですが…。

「あら、その注射、うちの近所の奥さんたち、みーんなやってもらってるらしいよ。A病院とかで。S外科でも千円くらいでやってくれるらしぃし。あんたの家の近所の病院でもやってくれるんやないと?」

「…うーん、うーん、なんだったっけその菌…」

「やりすぎて、顔が変になって皮膚科に通っとる人もおるけどね」

うわっ!ダメぢゃん。いや、最初からそんなトコに行く気はないけど。それより、欲しいのはやっぱ記憶力っつーことで。

3月8日

いやぁ、沢山のお祝いの言葉、ありがとう。トシの数を思えば、あまり有難くもないんですが…。

その昔、まだ結婚すら考えられなかった頃、占いのおばちゃんに「アンタは、40歳くらいで笑いが止まらんくらい男にモテますよ」と言われました。他人の言葉を鵜呑みにしてしまう人の良いわたくしは、当然、この言葉をずーっと信じてきたんですが…。

ここ数日間、オダギリジョーとか、ちっとも好みではないのに織田祐二とか伊藤英明とか要潤とかに言い寄られまくって大変です、夢で。

昨日の夢では、酔っ払って道端で倒れている山口達也を軽々と肩に担いで自宅へ連れ帰り、介抱と称して犯そうとしている夢でした。その唇、奪ったりー!と吸い付くと、向こうもそれに応えて舌をねじ込んできたんですが、何故か彼の舌は絞った雑巾でチューチュー吸うたびに雑巾の絞り汁が口の中に入ってきます。あぁ、それでも構わぬと洋服を毟り取り、さてこれからダ!とゆーところで目が覚めてしまい、かなり悔しい思いをしました。病気ですか?

今日は、やっと会えました。愛する妻夫木クンに。「やはり、大人の女性は比べ物になりません。優香なんて屁ですよ」とすがり付く彼女を足蹴にして洋服を一枚ずつ脱ぎ捨てながらわたくしの元へ走り寄る彼。「いや、気持ちは大変嬉しいのですが」などと一応困った顔はしつつも、嬉しさのあまり時代遅れのゴーゴーダンスをしている自分の姿がありまして。「キミも今の気持ちを体で表現するんダー!」と叫び、糸巻きダンスを強制するわけです。狂ったように全裸で踊る二人。やっぱ病気ですかね。

ある意味笑いが止まらんくらいモテてるんですが、目覚めると虚しさ100倍でかなり病んでます。

3月9日

久しぶりにQUEENのCDを引っ張り出して聴いてみる。「THE SHOW MUST GO ON」のメロディーが流れたら、うんこしてる最中だって泣けますね。歌詞の意味は全くわからんけど。いやぁ、やっぱンマいよー。惜しい人を亡くしました、フレディー・マーキュリー。彼が亡くなって、もぅ10年以上も経つなんてね。訃報を知ったときは、正座をして号泣した記憶があります。因みに、わたくしが歌手の訃報を知って号泣したのは過去2回。彼と、美空ひばりが亡くなったときです。

スペインのオペラ歌手@モンセラ・カバリエと競演している「バルセロナ」で流れる彼の声を聴くと、その歌唱力に改めて感動して鳥肌が立つほどですよ。

などとQUEENのフレディーを持ち上げてるわたくしですが、メンバーの中で一番気になるのは、ギタリストのブライアン・メイ。天文学の学位を修得した賢さとか、ちょっと音程を外した甘い声とか、ギターの巧さとか音色が好きなんぢゃなくて、ええと腕がね。

捲くった袖口から伸びた、太くもなく細くもないあの腕。

ピック代わりに硬貨を操るピッキング。その度に、肘から手首にかけての筋肉がピキピキと隆起するあの動きがたまらんのです。

「起用に動く指先とかならわかるけど、腕? 腕なの〜?」とか何度も聞くな。腕なんぢゃ。

握りこぶしを作ってグィっと力を入れたときなんかに、ほら、ココんところに段ができるぢゃろ…あ!出来ないわね、ミーの腕には…。肉のつきすぎ?

ビデヲクリップとかで映る彼の腕のどアップは、わたくしのヲカヅですよ、ヲカヅ。つまり、その映像で白飯が3杯食えちゃうってことですゲフーッ。

でもそんな彼も、今年7月で57歳。顔も随分皺くちゃになってしまいました。魅力的だった腕にも、多分幾多ものお迎え斑@老人性斑点があるんだろうなぁと。キャー、いやーーーーん。

そんなわけで、どうもわたくしは腕フェチのようです。正確にいうと、腕橈骨筋&総指伸筋フェチ。わんとーこつきん。そーししんきん。響きもエロチックで素敵。

おっさん同様、薄着の季節を待ちわびるわたくしなのでありました。

3月11日

尻に火がつき、やっと車の免許の更新に行ってまいりました。

手続き料を支払っていると、該当する箇所の□にレ点を記入して提出しろと紙切れを渡されました。

症状等の申告書です。

□病気を原因として、又は原因は明らかでないが、意識を失ったことがある

□病気を原因として発作的に身体の全部又は一部の痙攣または麻痺を起こしたことがある

□十分な睡眠時間を取っているのに、日中活動している最中眠り込んでしまうことが週3回以上ある

□病気を理由として、医師から免許の取得又は運転を控えるよう助言を受けている

1番目の問いに「意識は失ったことはないけど、自分は完全に見失ってるね」などと軽い突込みをいれ、2番目の問いに「ないない、アル中の症状はそこまで悪くなってない」とスルーし、3番目の問ではたと手が止まる。レ点を付けたくなる正直者の自分がいました。ぐっと堪えましたけどね。ここに印をつけたばっかりに、免許もらえないと困るしー。

上記の何れにも当てはまらないという箇所に大きなレの字を書いて窓口へ提出した後、写真撮影へ。

美容院に数ヶ月も行っておらず、加藤純のようなボサボサヘアー(ハゲはまだないですよ念のため)を両手で撫で付けていざ出陣。

「はい、そこに腰掛けてくださーい。あ、眼鏡取ってもらえますか?」

「げ、なんで?」

あ、さっきの人も、眼鏡のレンズが光を反射するから外してくださいっていわれてたよね、それなのかしら?

「色付ぢゃないですか、そのレンズ」

「ええまぁ。茶色」

「人相悪いから」

ええええーーーー!? ちょっと聞きました? 人相悪いですって! 断言されちゃいましたよ。わたくしの顔の造作、あるいは顔に表れる性格や将来の運命までもが完全に否定されちゃったわけですよ、24,5の小娘に。全くナニふざけたこと言ってるんですかっ! この眼鏡のお陰で寝起きで腫れぼったい瞼だって隠せるっつーのに(アレ?)。イヤよ、絶対イヤ。死んでも外さないんだからー。

「はい、おっけーです、この後、1番教室で講習受けてください。次の人〜」

外しちゃいました。言われるままに。

そして1番教室の中へ。

訛りが強くて何を喋ってるのかわからんおやぢの講習が始まると、3分後に激しい睡魔がわたくしを襲ってきました。イリューヂョンですよ。ふと目を覚ますと、周りの受講者の殆どが船を漕いでます。わたくしの隣に座ってたおっさんなんて、鼾までかいてたし。集団催眠なんでしょうか。

こいつらの中の、何人が正直に3番目の項目にレ点をつけたのだろうか…。

ヲトナってみんな嘘つきだぁーーー!

講習後、古い免許証と交換で新しい免許証を渡されました。

乱れた髪、腫れぼったい瞼、半開きの口。

ギャー!この人相悪いやつ、誰? 

3月12日

レジで前に並んだおばちゃんの籠の中身を覗く。

卵1パック、ネギ、春菊、糸こんにゃく、生しいたけ、焼き豆腐…。

おぉ!やったねパパ、昨晩ホームラン?それとも今晩がホームラン?すき焼きでしょー、そうでしょー。すき焼きのときの肉選びは大事ですよね。奮発して松坂、神戸、近江の三大高級和牛にチャレンヂですか?いや、東北に住んでるからには、やっぱ前沢ですかね。かっちゃんの実家あたりでも「名物!金成牛」とかゆー看板がありましたけど、知らないっすよね、金成牛なんて、ワハハ。

東北の牛ってのは、もともと比較的小ぶりだったらしいっすね。寒いから皮下脂肪タップリつけて他県の牛よりデカいんぢゃないかって思ってたのに。「大きいぃことはいいことだ〜っ♪」なんて故山本直純氏がチョコのCMで歌ったりするもんだから、鹿児島の小錦級のデカ牛と交配させて今のとーほく牛を作り上げたんでしょ。あ、あのCMは関係ないんですか、そうですか。

ま、神戸牛と焼印押された牛だって、元を辿ると輸入牛の精子だか卵子に世話になってるんですよね。日本には田んぼ耕したりする農耕牛しかいなかったんですから。だから、オーヂービーフ選んだとしても、気にしなさんなって。メリケンビーフぢゃないんでしょ? ま、わたくしは毎日神戸牛とか松坂牛とかの高級和牛を食してますけどねヲホホ。空想の世界で(自分の籠を隠してみたり)。

店員がレジを打とうと、籠から肉のパックを持ち上げました。

オーヂーなんでしょ? どれどれ。野次馬根性丸出しです。

『豚切り落とし肉 200グラム』

えーっえーっえーっ!?ぶた〜?豚でいいの〜?しかもたった200? すき焼きでしょ?そうなんでしょ? 足りなーいっ。

こうやって、他人の籠の中身でメニューを想像するこの癖が…治る薬があったら誰か教えてください。

3月15日

車を転がしているとラヂヲから牛タンの歌が流れてきました。歌の最後の部分の「ここまで聞いてくれたなら わかったはずだよ 牛・タンパワー 今日のおかずはこれで決まりさ 牛・タン・タン・タン♪」ってところで、まんまと洗脳されてしまった高橋夫婦。

「おっしゃ、今日は牛タン食いにいくべー」

午後の営業時間を狙って店に突入しました。一番乗り。こゆところで1番とらないことには、他で1番なんてとれませんからね、ヘヘヘ。

お座敷に案内され、座布団の上に腰を下ろすや「牛タン定食1人前を二つー!」と満面の笑みで叫ぶと、店員に「いや、先にお飲み物を」と言われる。オーノー、先走るなよ妻。そう、ランチタイムぢゃないんだから。

飲み物だってよ、どーするどーする?

わたくしは、今月19日に受ける健康診断に向けて付け焼刃の禁酒を宣言しておったのです。宣言するのはもっと後でもよかったなと後悔もしてるんですが。

「呑んぢゃおっかなー、ブヒヒ」

「禁酒してんだろ?」

やんわりと釘を刺されて、しょぼくれる妻。

「んぢゃ、オレ、ビール」

手元にあった割り箸で両目突いてくりぬいた後、炭火で焼いてタレつけて食ってやろうかと思いましたよ。この鬼め(どっちが)!

こーゆーとき、呑みたいとゆー欲求をどう抑えるかとゆーと、見ないようにするわけです。我が家の愛犬BJが飯を目の前にして「マテ」をかけられたときと同じような状態。それが長時間続くと、酒(飯)の存在すら忘れてしまうわけです(アルツ)。なーんだ、簡単。

店内の壁には、旬の魚の刺身なんかのメニューも貼ってありました。

「のれそれ ○○円」

乗れ!ソレに!っつーくらいデカい物体なんだろうね、クジラとかトドとか象とか女とか(おい)。

店員が蔑んだような硬い笑顔で応えてくれました。アナゴの稚魚だと。そいつの刺身だそうで…。知らんかった。

それではと、海鮮サラダのほかにコイツも注文。

途中、夫が飲み干して空になった瓶を指差し(目は逸らしたまま)「もぅ一本頼むんだったら、頼んでもいいよー」と余裕の妻。

なんか、肉の味が変わった気がする。もしかしたらBSEの影響で今までと違うトコの牛さんの舌なんかもしれんな、と首を傾げながら牛タンを口に運ぶ夫。えー、そう?そうかなぁー?と夫よりも倍の速度で口に運ぶ妻。くずきりのような心太のような、山葵と醤油をつけて口に入れると山葵醤油の味しかしないのれそれも堪能し、そろそろお会計。

よっこらしょと立ち上がり、店員が揃えてくれた自分の靴を履こうと下を向いて初めて気づきました。

親指と人差し指と中指(多すぎ)、透けてるやん。しかも両足。クワーッ!貧乏くせー。

と、顔を上げたところで、薄ら笑いを浮かべた店員と目が合う。

「あー、今、アンタも貧乏くせーって思ったんでしょ!そうなんでしょ!貧乏なんだから、1人前の牛タンを分け合って食べてりゃいいものを、無理して他にも注文しやがってとか思ったんでしょ!キェーッ!」

一瞬殺意が芽生え握りこぶしを作ったのに、上半身とは逆の行動をとる下半身。シースルーになったつま先を隠そうと足はグーになってました。

「お会計、5千とんで335円になりますー」

えへへ、足りなかったら、夫よ…援助よろしくね、援交だよエンコー♪などとほざきつつ妻は財布を開ける。たしか、5千円札は一枚入ってたんだよ。小銭の分だけでも援助しとくれ。335円のエンコー。あれ?援交って、こんなでいいのか?

「あ! 俺、財布持ってきてないー」

「な、な、ナヌ!?」

「持ってきてないよぅぅぅ。車かなぁ。車においてきたのかなぁ。家かなぁ」

妻の小銭入れを開ける指先が震える。動悸が激しくなり、胃袋に押し込んだ牛タンやらのれそれが逆流しそうになる。

「100円、あうあう、銀色のお金、銀色のお金ー、200円、あうあう」

かろうじて、ありました、335円。

「ふぅー」

335円、耳を揃えて店員に渡すと、残金は23円。

ビール、もう一本、いっとく!?などとよく言えたもんだ。どの口だ!?どの口がそんなことを言ったんだ!?(自分の口) いや、ほんと、禁酒宣言しといてよかったよ。普通だったら、妻、ビールを1本開けたら、調子こいて2本目3本目って頼んぢゃってたからねゼィゼィ。

シースルー靴下に嘲る様な目を向けたあの店員の顔が、店を出た後蘇ってきました。

「貧乏なんだから、1人前の牛タンを分け合って食え〜」

そ、そ、そゆことは、食う前に、言え!(そもそも言ってない@店員)

3月17日

マイコンプーターに入っているマイピクツァーをランダムで表示するとゆースクリーンセーバーにしとります。いつパソコンに向かっても、モニタには愛する我が家の2匹が写し出されるわけですよ。幸せなわけですよ(って、今までこのスクリーンセーバーが仕事してるところを殆どお目にかかったことないんですが)。

今朝も、起きてすぐPCを立ち上げ、あれこれと慌しくやっておりまして、何気なくモニタを覗き込むと…。

画面一面に裸の館ひろしが! 股間には広範囲に渡ってモザイクがかかり、「勃ちひろし」などとゆータイトルまでついとります。しかも、無意味に笑顔だし。ウギャー!。叫んだ拍子に別の画像に切り替わりましたが、今度は顔はジョニー・ディップなのに首から下が伊集院というジョニー・デブのパロディー写真(これも裸)。

ナンぢゃこりゃー! アウアウアウー。

いえ、写真には見覚えあるんですけどね。

某写真掲示板に書き込みをする際に、お土産としてハリコするつもりだった写真の数々です。

スクリーンセーバーを設定した起動時間10分の間、いやぁ、出てくる出てくるエログロ写真。

設定するときに「参照」キーできちんとフォルダを指定すればよかったんですが…手を抜いたのが原因です。こんなことでは、イ遅漏写真とか亀円ライダーとかの写真まで出てきちゃいますよ、見たくなーいっ。

愛犬の写真が見たいのにーっ。

やっと設定しなおしました。日付をフォルダ名にして保存しているので、去年の某日のものをチョイスしてみる。完璧です。

スクリーンセーバーが見たいがために、うんこしにいきました。

うーんうーんうーん。

出産後、期待に胸を膨らませ身軽なステップで階段を駆け上がりモニタを覗くと…。

な、な、なーいっ!真っ黒ぢゃないかーっ!

10分以上も身もだえした難産が原因で、確認できませんでした。ガックシ。

3月18日

3本入り98円で購入したベニアズマを食ってやろうと袋から1本抜き出し、水洗いした後ラップに包んでレンジに放り込む。蒸しあがるまでの間、回覧板を広げ「引きこもりがちなお年寄りのために、第二集会所を茶飲み話が出来るサロンにすることにしました〜」という記事を読み、ヒッキー老人予備軍としては覚えておかなきゃいかん情報だなと頭にインプッツ。回覧板に印をつけ、サンダルを引っ掛け次のお家へ持っていきました。

で、このお宅で愚にもつかない世間話(ヒッキー老人予行練習)。

「あぁ、そういえばさつま芋、レンヂでチンしてたんだった」

途中で気づき、ヨダレを垂らしながら家へ戻り、玄関の扉を開けると何やら焦げ臭い。

台所へ走ると、オーブンレンヂのケツからモクモクと白煙が上がっておりました。

ひょえー!

またやらかしてしまったようです。時間ボターンの押し間違い。

「チッ、ラップが溶けて貼り付いてやがるーっ」

茶色く変色したラップの部分に鼻を近づけると、一瞬でアホになってしまいそうな、強烈な異臭が。

「うわー、こりゃ食えたモンぢゃないですね。アホエキスが芋にまできっと浸透してるよー」

1本目のベニアズマに別れを告げ、2本目を迷うことなく取り出し再びレンジイーン。

今度こそ、失敗しないようにと1分〜2分〜と声に出しながらボタンをプッシュ。間違いなーいっ。

2階へ駆け上がり、PCで友人に「でへへ、レンジ操作失敗した」などという報告をしていると、次第に目がかすみ頭が痛くなり、意識が朦朧としてきました。

「なんか、臭い…」

フラフラしながら立ち上がり、階段へ移動すると白い空気が上ってきてるぞナンダコリャ。1本目ベニアズマが放ったアホ臭よりも、もっと強烈な超ウルトラドアホ臭が階下から香ってきます。

えー?ええーっ!?

時間、間違ってないのにぃー。なんでなんでなんで? 目の前の煙を仰ぎつつ、台所へ走る。

台所のオーブンレンヂのケツからは、SL機関車並の煙が吐き出され、今にもシュッポシュッポと走り出しそうな勢い。

なんでなのよー!

思い切って扉を開けると、それまで行き場に困っていたドアホガスの塊がブハーっとわたくしの顔面に殴りかかってきました。

時間セットして3分もたってないのに、トレイの上のベニアズマは馬糞のよう。

アホに感染したこの頭で、検証してみます。

ええーっと、1本目で溶けたラップの塊がトレイにこびりついとったんですな。確認もせず、2本目をこの溶けたラップの上に置いたのがいかんかった。ご愁傷様。つか、トレイ、洗えよアホ。

3本あるうちの2本分、つまり69円と、芋を洗った水道代と何十分使用したかわからんほどの電気代(1分使用したとして0.7円くらいか?)を合わせると30円くらいで、計99円もの小銭をドブに捨てたことになるわけです。ぎゃー!「3本入って98円なんてお得ぢゃ〜ん」と飛びついたベニアズマ料金を既に上回ってるぢゃないですか。

ええと、3本目に手をだす勇気はありませんでした。腹も膨れず、本当に99円を捨てただけ。

ついでにいうと、わたくしと愛犬2匹がアホになったとゆーオマケつき。あ、こっちは元からでしたっけ…。

一夜明けた現在も、アホ臭の残り香に包まれてます。洋服もタオルも洗濯物も。このアホ臭から逃れるために、ドブ臭に近いBJの口臭を嗅ぎ続けるわたくし。目がシバシバして、頭が痛いのは、どっちの臭いが原因なんだか。

3月20日

昨日、やっと健康診断が終わり、長い禁酒生活も終焉を迎えました。辛かった検便、大変だった検尿、さようなら。

いや、ホント、便秘糞をしかも2度採取しろってのと、検査当日の慌しい朝に検尿しろってのには参りましたよ。

無理矢理ひり出した鹿の糞のような小さな物体に、耳掻きのような検便棒を突き刺すと、チャプンとブルーレットに染まった青いトイレ水に沈んでいくし。気にせず底まで沈んだところをブスリと突き刺して採取しましたけど。

病院から渡されていた検尿グッズは、尿を入れるための蓋付試験管と脂取り紙のような四角い紙切れのみ。この紙切れ、随分と厚みがあるなぁと思ったら尿を入れるための紙コップですという。使いましたよ、使いましたけどね…。早朝尿の、しかも中間尿だけを採取するように、なんて難しいことを言うんですよ。チョロリと出したら括約筋に力を入れて小便を止め、そして紙コップをあてがいジョロジョロとコップに注ぎ、頃合をみてまた止めろと。

ウングー(止める)。

「ウム、ココカ? イヤ、コッチカ? ノンノン、ココダナ、ココガニョードーコーダ!」

紙コップの口をピタリと当てて、「カモーン中間尿!」と掛け声をかけると…でないぢゃん。我慢しすぎて尿意自体を尿道口が忘れてるやん。どうしようどうしようと検尿コップを股間に当てたままオロオロする妻。すると、排尿の感覚はなかったのに、チョロチョロと流れ始めました。しかも、妻がココガニョードーコーダ!と断定した場所以外から。要するに、紙コップを持った右手の指先が己の尿まみれになったっつことです。

「まぁ、でも全然採取でけんかったわけぢゃないし、こんなもんでよか」(なみなみ)

さて、パンツはいたら試験管に注がなきゃ。

と思っても、右手には高々と掲げた尿入り紙コップが。少しでも動かすとせっかく採った尿がこぼれてしまうので慎重です。でも、二つ折にされただけだった紙コップには底がない。底がないから置けやしない。底が平らぢゃないから飲み干さないと手放せないとゆー酒器「そらぎゅー」みたいなモンですよ。残された左手だけで、どうやって股間拭いてパンツあげろと?

ひとまず試験管に、採取したこの尿を移し替えよう。

パンツやジーンズが膝までずり落ちたまま立ち上がり、試験管に目をやる。

アワワ、蓋、外してないやん。

そうこうしているうちに、紙コップにほどよく尿が滲みこんできてるのか、暖かさと湿っぽさが指先に伝わります。

早くぅ早くぅぅぅぅー。

ジョーーーーーー。

焦ったので、半分以上試験管の口の外から流れ落ちてしまったぢゃないですか!

朝っぱらから、なんでこんなスカトロチックなプレイをしなきゃならないんですか!

ま、終わったことなんで、いいんですけど。

そんなことより、どれだけ下剤を飲んでも、バリウムが下からコニチワコニチワしてくれないのにはかなり苦しみました。出てくるのはガスばっか。座っていると、己の屁力で空中浮遊できちゃうくらいでしたよ。

「出さないと、胃の中でバリウムが固まって大変なコトになるゾ」

脅されたって、出ないんだもん。

午前2時。突然腹が痛くなり、便所へ駆け込みました。

やっと、白蛇にお目にかかれるのかっ!

ニュルニュルー。

茶蛇です。夫の分まで横取りして飲んだ下剤で、出てきたのは検便前に溜め込んでいた便秘糞。

朝一で夫が、最終兵器を買ってきました。

今から、浣腸プレイにレッツトライです…。

3月23日

散歩から戻り、玄関の前で愛犬の足を洗っていると通りかかった近所の奥さんに声をかけられた。

「あらちょいと、それ、どーしちゃったの?」

奥さんが指差したのは妻が履いていたズボン。膝の裏側部分が鋭利な刃物で切りつけられたようで、パックリと口をあけて見事に破れていた。幸いその冬用ズボンは2枚仕立てになっており、刃物が足に到達した様子はなかったが。

「うわっ!いつの間に!?」

スパイであることが見破られたのか(何の?)。ヤバい、誰かに命を狙われているっ!

背後から近づいた犯人は、ナイフを振り翳しわたくしの膝の裏の静脈を狙ったのか。いや、それにしてもナイフの当たった場所は膝の高さ。中腰で近づいたのか? ううむ、随分難儀なことを。こんな体勢では、標的を50メートルも追えないではないか…。あり得んな。てことは、もともと身長50センチ程度の人物が犯人か?

あたりを見回すが、コロポックルは見つからない。

身の危険を感じた妻は早々に2匹を抱えて家の中に入り鍵を掛け、カーテン越しに辺りの様子を窺う。双眼鏡が見つからないので、とりあえず両手を丸めて両眼にあてがい代用だ。

「ちくしょー、それにしてもいつだー!いつやられたんだーっ!」

深夜、帰宅した夫に事の顛末を話す。

「誰かに狙われているようだが、身を挺して妻を守ってくれるか」と。

「どら、ちょっとそのズボン見せてみろ。あー、なんだこりゃ。ハハハ。日曜日、犬連れて公園行ったべ。あんときフレキシブルリード(のびーるのびーる8メートルリード)つけて遊ばせたべ。で、リードが絡まってお前、ずっこけたべ。あんときシュッってなったべ。摩擦で破れた跡だコリャ。ほら、ココ、膝の内側のところにも破けそうになってるとこあっけど、摩擦で溶けたみたいになってるし。やーっぱ、安モンのズボンはダメだっちゃなーハハハ」

ちょっと待ってくれ。妻は昨日もこのズボンを履いていたんだぞ。既にそのときは破れてたとゆーのか。この破れズボンで郵便局行ったり銀行行ったりクリーニング屋行ったり買い物しに行ったんだゾ。握りこぶし入っちゃうくらい破れた上に、白い裏地がベロンチョと出てるこのズボンで街を闊歩したんだゾ。

「はっ! そうやって安心させておいて…」

もしかすると、夫も妻の命を狙うコロポックル集団の一味、いや、一番デカいからリーダーなのかもしれない。

3月25日

近所でも綺麗好きと言われるKさんという奥様がおります。何事においても一生懸命で、一度決めたことは最後まで遣り通すという徹底ぶり。よく言えば几帳面、棘のある言い方をすれば神経質。そんな彼女は、雨の日は必ず全ての窓とガスレンヂ台を掃除する日と決めているそうで、これからやってくる梅雨を思うと、いやぁ、頭が下がりますね真似できん。

築13年になるご自宅は、少々ガタがきてはいるものの、当然室内は塵一つ落ちてない美しさ。

このKさん、ちょいと前までハムスターを飼っておりました。

つがいで飼っていたそのハムちゃんたちは、ポコポコと次々に子を宿し、あれよあれよと子孫を増やしていきます。

その都度、真面目なKさんはハムちゃんたちのために小屋となる衣装ケースを増やしていき、ピーク時には86匹のハムスターズのために2部屋を潰してしまったといいます。

「なんだか、毎日朝から晩まで糞掃除やってる感じー。掃除するのは別にいいんだけど、これ以上増やしたら、あたしたちが家から追い出されちゃうよ」

そういって、繁殖防止活動に取り組んでおりました。

ハムちゃんずファミリーが片手で数えられるほどに減少した数日前、Kさんは一匹の仔犬@チワワを家族に迎え入れました。

生まれて初めて飼う、犬という生き物。飼育本を睨んで一生懸命です。

「やっぱり違うわねー、ハムスターとは。うんちの大きさとか臭いからして全然違う」から始まった彼女の犬飼生活の話は次第に愚痴っぽくなっていきます。ま、いつも笑顔で喋っているので、大変だとはいいながら楽しんでいるんでしょうが。

「ちょっといなくなると、すぐピーピー泣くから片時もそばを離れられなくて、買い物にもいけないの。昨日の晩御飯なんて、カップ焼きそばよ。隣の部屋に行くだけでもね、泣いちゃうのよ。雨降りなのに窓拭きができなかったし…」

「ご飯は、ふやかしたやつを1日に3回あげなきゃいけないらしいの。2度目はお昼の12時キッカリでしょ。だからパートもできない」

「決められたグラム数与えるとなるとね、ドッグフードの粒を割らなきゃいけなくて、あんなことまでしなきゃいけないなんて、凄い大変」

「ふやかせって書いてはあるけど、お湯の量は何CCがベストなのか、どの本にも書いてないんだけどー」

犬飼の先輩として、いろいろと助言を求められるんですが…。

知るかーっ、そんなこと。

なんて、言いませんよ。間違っても。聞く相手間違ってるよとは思いつつも、笑顔でちゃんと答えてますよ。

「うんとね、肩肘張らずにテキトーだよ」って(やっぱいい加減)。

「犬の生活に自分たちを合わせるより、自分たちの生活に慣れてもらわなきゃだから、始終ベッタリせずにたまには突き放してみそー」

綺麗好きのKさん、大きくうなずきました。意を決して、今度犬を放置して映画を観に出かけるといいます。

きっと大丈夫だよ。案外、大人しく寝ててくれるから。などと言いつつも、部屋中に糞尿やおしっこシートを撒き散らし、体中糞まみれになり、できればその糞を咥えている瞬間にKさん帰宅、という図を期待しているのはなんでだろう。

3月26日

ここのところ、物忘れが激しい。昨日も、友人とのチャット中にひさうちみちお氏の名前が出てこず、人民帽を被りシャクレ顎の彼の顔だけが浮かんでは消え、頭髪の中をシラミが這っている様な思いをした。そのくせ、名前が思い浮かんだときには、なぜ彼の名前を言う必要があったのかが思い出せない。今度はシラミが踊り出す。かゆかゆーっ。

痴呆患者の脳にはアルミニウムが溜まってるらしい。

腕はともかく、形からまず入る高橋家では、プロの職人が愛用しているようなアルミ製の鍋を真似して使っている。ほら、持ち手までアルミだから、素手で持つと大火傷をするとゆー面と手の皮の厚い人しか使えない(違)鍋だ。

これだな。アルミのせいだよ皆の衆。

「脳細胞は1日10万個死ぬと言われています。適度の運動を心がけ、歯を守り、頭のケガを避けるのも必要です」

ぎゃー!。

わたくしの歯はスキッパーだぞ。

ついでに連日、昼寝中に愛犬にボカスカと頭突きくらったりして脳細胞を破壊されてるぞ。

ちょっと不安になってきたので、脳内チェックなるものをやってみた。

結果は…新思潮革新タイプの脳ですと。

「あなたは既に何らかの形で、代表か社長またはリーダー的存在で活躍していることでしょう。あなたは発想が豊かというより、人とは180度違う発想をします。文学・哲学・美学などで能力を培ったのち、既成の仕事にこだわらず最先端をいく分野を創造してください」ですと。

え?

まぁ、そうだ。高橋家のリーダーだ(愛犬にとっては)。

人の顔を覚えず、計算に弱く、方向音痴で騙されやすいこんなやつが、社長になれる度数95%らしい…。まぁ、社長ともなると社員の顔なんぞいちいち覚えてられるか!シャーペン1本がいくらかなんぞ、知ったことか!ということか?

どうでしょう。そこの社長さん。

引退をお考えなら、わたくしが後を引き継いでやってもよろし…モゴモゴ(給料だけ)。

3月29日

江戸の桜を拝みに行ってきました。いやぁ、同じ日本とは思えぬくらいあちかったです。毎度のことながら、デジカメ画像を確認したら「なんぢゃこりゃ」写真ばっかだったので、世話になった皆様、思い出画像ください。

ええと、調子こいて右手の中指の爪を剥ぎ、ついでに右手の甲を負傷しました。手首から先に力が入らず、完全に機能停止になってしまい、要するにマスもカケない状態なわけですよ。そもそもマスがないのでカコうにもカケませんが。

放っておいたら紫色に変色した上、ブクブクと腫れ出し、キャッチャーミットのようになってしまいました。

外科と形成外科と整形外科の違いがいまいちわかっていないので、とりあえず、総合病院に行けばなんとかなるだろうとM病院へ。

初めて来院した病院とゆーのは、そのシステムがよくわかってないので総合案内受付でおねいさんに聞くのが一番です。

「手ぇ、こんななった。どーしよ。何科で見てもらったらいいんでしょね」

おねいさんは、傷を見るなりカウンタを回って出てきて、わたくしの肩に手を回すと「うちの病院は初めてですかぁ?」と聞いてきます。

「そうですかぁー。はーい、それぢゃぁ、新患受付のカウンタまで行きましょうねー。大丈夫ですかぁー、歩けますかぁー、こっちですよぉぉー」

歩けますかーって、怪我したのは手だっつの。何なら、ココで反復横跳びでもしてあげましょうか。つか、いつも気になるんですが、何なんですかね、看護婦さんとか病院の受付とかのおねいさんの、この人を馬鹿にしたような喋り方。

「あとは、こっちで指示があるからねー、名前、呼ばれると思うから座って待っててねー」

「わかりまちたー」

ちょっとカチンときたので、こう答えてやりました。思い切りアホ面で。おねいさん、汚いものを見るような顔して走って総合受付カウンタへ戻ります。

ケッ!

院内の壁にはいたるところに手すりが設けられていました。うむ、なかなか老人に優しい造り。が、この手すりが時として凶器に変わることがあるんですね。

新患受付で渡された番号札をハラリと落としてしまったので、拾って立ち上がろうとした瞬間、この手すりに後頭部を打ち付けたんこぶを一つ建造。イデデイデデェェ〜ォ♪

7番から12番の診察室の前へ移動してそこで待て!という指令を受けたので、出来立てほやほやの瘤を撫でつつキョロキョロしながら歩いていると、白衣を着たおにいさんに彼が押していたじーさんの車椅子を思い切り脛にぶつけられ青タンを一つ創作。

名前を呼ばれ脛と後頭部を痛そうに撫でながら診察室に入り、医者にどうしたのだと聞かれ「怪我した」と後頭部でも脛でもなく右手を差し出すわたくし。なんか、まるでコントを見ているようだなと。

「うわー、痛そうですなぁー」

「痛いです」

「うむ、こりゃ痛いだろうね」

「だから、痛いですってば。パンツの上げ下ろしもできんくらい痛いのですよ」

「ふーん。でも、ちゃんと履いてきたんでしょ」

「まぁ、そうですが」

「痛いのを我慢すれば、パンツの上げ下ろしはできるんですな」

「あぁ、まぁ」

「だったら、無理してでもパンツは履きましょう」

「え?」

消毒され、軟膏を塗られ、右手はしばらく濡らさないようにと注意され、パンツは毎日履くものだと諭され、再び待合室へ。

会計をしようとカウンタへ行くと、隣に立っていたジャージ姿のプロレスラーのようなおっさんが100円玉を落としました。

このおっさん、しゃがんで小銭を拾えばいいものを、背中を伸ばしたまま前屈し、その反動を使って左足を高々と上げたわけです。

ガッツーン!

太い足首が、わたくしの顎を直撃。泡噴いて倒れそうになるところを、マトリックスばりにえびぞりはしたものの寸でのところで持ちこたえた強靭なわたくし。

「あ、おったんですか、そこに。すんませんのぅ」

最後の最後まで衝撃三昧の一日ですよ。挙句の果てにはですね、調剤薬局に行ったら、パンツ履けと煩かったあの医者、処方箋にはおこちゃま用の分量の薬を指示してたみたいだし。

なんなんですかっ!ったく。

自宅へ戻ると、先日の健康診断の報告書が届いておりました。軽度の多血症で肝機能に僅かな以上が見られますが特に心配はいりません。そんなことより、酒の量を減らしなさい。ですと。

こんな一日だと、そりゃ血の気も多くなるっつの。え?多血症ってそゆ意味ぢゃないの?

3月30日

鼻糞健康法とゆーのがあるらしいです。

こちら

乾燥した鼻糞で、免疫力が強化できるんですと。

あぁ、勿体無い。

さっきテッシューに包んで捨てたマイ鼻糞。

拾って瓶詰めにしておかなきゃ…。

3月31日

牡蠣フライを食べて腹痛を起こすくらいしか具合の悪くならない夫が、昨日熱を出した。腹もキリキリと痛むという。あぁ、辛そう。インフルエンザだったら放っておくと大変なので、今日は会社を休んで病院へ行くようにと妻、適確な指示。

先日妻が初めて行ったM病院を勧める。

「すごいんですよ、個人病院の癖に医者がゴロゴロいて、診察室の扉はどれも自動ドアだし、各部屋の前に電光掲示板みたいなやつがあって、貴方の診察予定時刻は10分後とかテロップ流れたりするんですから。あっちこっちに高級ペッタンコテレビ(プラズマTV)が貼り付けてあったし、ロビーにあった一番でかいペッタンコテレビなんてきっと100万以上しますからね、いやぁ金に糸目をつけない病院だなと、きっと驚きますよ」

病院まで案内しようかと提案すると、いや、一人で行けるから大丈夫だと夫は妻の介護を拒否した。

3時間後、4種類の薬が入った袋を提げて戻ってきた夫が言う。

「すごいなー。綺麗だしなー。スタッフも多いよなー。受付のおねいさんたちなんて、皆耳にイヤホンみたいのつけてたしなー」

「そうだろぅ、すごいだろぅ」

「あれさ、携帯電話なんすか?って聞いたらトランシーバーだっつってたぞ。すごいなー」

え?あれは補聴器ではなくトランシーバーだったのか…。

M病院通院歴(1回)では先輩のはずの妻、なんか悔しい。

うーんうーん、夫が知らない贅沢情報は他になかったか…。妻の所有物ではないが、先輩風をどうしても吹かせたい。

「腰壁とか手摺に使われてた木材は、ありゃナラだな」

「・・・?」

「いや、知らんけど」

「どーでもいいけど、お前もさぁ、水虫の治療に行けよ」

え?突然何を言い出すんだ、夫よ。

「俺がさぁ、通ってたあの皮膚科。行けよ」

「ちょっと待て。病院繋がりとはいえ、それ全然話題違うし。それに、そもそもわたくしは水虫でもありませんから」

「夫が水虫の場合、その妻は99%水虫だって、医者も言ってたぞ」

「わたくしは、その1%の部類に入りますんで皮膚科は必要ないですよ」

「いや、その皮膚科の待合室なんてさ、椅子がでかくて一つ一つリクライニングできるようになってんのー。でさ、プラズマテレビの大きさつったらさ、M病院のロビーにあったのより2回りもデカくてさー、もぅなんつの、待合室がリラクゼーションルームっつかさー…」

自慢したかっただけかぃ。

 

 

 

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