■ 3月の戯言 ■

3月1日

「今さぁ、ユージの引越しの手伝いに来とんやけどね。ユージもヤッコ(ユージの嫁)も前住んどった家に荷物取りに行っておらんのよ。そうそう、アタシ一人。ダンボールの山っちゃ。手伝うっちゅっても、ほら、勝手に箱開けるわけにはいかんやろ。んもぅ、なーもすることないでから暇っちゃー」

弟ユージ夫婦が中古マンションを購入した。で、その手伝いに借り出された母が暇をもてあまして娘に電話をしてきたわけだ。

「部屋の電気だけはつくんやけどね…TVも見れんし、つまらんっちゃ。あ、電気なんか、裸電球なんよ。午後7時過ぎたら冷蔵庫の電源も入れていいらしいんやけど、いいんやろか、勝手に入れても。冷蔵庫の中、カラッポなんやけど」

弟夫婦が途中で買い物をして食材を持ち帰ってくることもあるだろうから、入れておいても問題はないんでないかと何も考えずに答えておく。

「アンタァ、ココ、凄いばい、ハァハァ」

冷蔵庫の件については、幼少の頃から頭がちょっとアレだった娘の答えなどどうでもよかったらしく、妻が喋り終わらぬうちに話題をコロコロ変える母。トシを重ねる毎に人の話を聞かなくなるのはお互い様なんだが。

「縦横180センチのでっかい鏡があるんよ、ハァハァ」

ほへー。

そういえば、ヤッコはモダンだかラテンだか妻にはその違いがさっぱりわからないダンスをやっていたっけか。

「決めた! アタシも買うことにしたっちゃ! ハァハァ」

えっ?

「こんなん大きくないでいいんやけどね。縦横150×180の鏡、ハァハァ」

な、な、なんでまた。つか、母、受話器近づけすぎ。鼻息荒いし…。

「アタシも今、鏡見て踊りながらアンタと喋りよるんよ、ハァハァ。いいよ、コレ。んもぅ、これからはアタシ、ナルシストになるけんねっ!ハァハァ」

いや、その、別にそんなコトを娘に宣言しなくても…。そんなことより、階下の住人に迷惑なんぢゃないだろうかドタドタと…。

実は、現在フラダンスを習っている母。

踊っている母を想像するに…ドタドタ、ハァハァ…ムームーを着て腰を振っている姿ではなく、何故か園山俊二原作「はじめ人間ギャートルズ」のおかあちゃんしか浮かんでこないのだが…ドテチン。頭髪に突き刺すのは、ハイビスカスではなく是非、骨を…。

3月2日

数日前に無事、前歯に新しい差し歯が入ったのですが…。

「ええと、一週間くらいは痛むかもしれませんが、その痛みも徐々にひいていきますからコレで過ごしてみてください。噛みあわせは来週調節しましょうネ」と歯科医。

両端のまだ健康である歯2本を、小豆粒ほどになるまで豪快に削ってそこにブリッジをかけたため、結局3本もの前歯が作り物ということになってしまった。ついでにその前歯3本、歯科医の言う通り、冷たい水を飲んでも温かい茶を啜っても、思わず尻が浮いてしまう程痛む。固形のモノを口に入れ噛もうとすると、その痛みは倍率ドンなわけで…。

それでも腹が減っているいぢきたない妻は、奥歯で噛んでやろうと必死なわけですが、左奥は既に2本抜歯しておりスカスカ(噛めないの)な為、右の奥歯を使って噛み砕こうとするわけですよ。でも、この右奥歯とゆーのも実は虫歯で治療中。

ナニを食っても砂を噛んでいるとゆーか、泥団子を噛んでいるとゆーか、味が分からず、その上痛い。

「痛い、痛い、あぁ痛い。まずい、まずい、あぁまずい。いやそれより痛い」と嘆きつつも、晩飯を完食(大盛り)。

その後しばらく、舌先を使ってスキッ歯の間に挟まった牛蒡や肉の筋などを取り除いておりますと(日課)、口内に貼り付いて取れない米粒を舌先センサーがキャッチ。

しかも2粒。

舌先をなんとか米粒の隙間に捻じ込んで剥ぎ取ろうとするも、張り付いた米粒はかなりの強情サンでビクともしない。

そもそも、歯の間でなくなんでこんなトコロに米粒が?

そう思って、口をアングリあけると鏡で確認してみた。

ギャー!

ナニコレ!?

米粒とゆーより、小粒のぶどう(デラウエア?)製造しとりますやん妻の口。舌先で「いいこ、いいこ」し続けたら巨峰にまで育つのか? つか、こんなのを背中に背負った蛙おったゾ、確か己が生んだ子を背負ってたんだヨ、てことは何れミニりえぴがココから生まれるとか?ウゲーッ。つか、色がキモーッ!

派手に作った血豆ナリ。

どうも、奥歯の痛い箇所を避けつつ食い物を噛んでいたら、口の内側をモシャモシャと間違って噛んでいたようです。晩飯を食いながら痛い、痛い!と嘆いていたのは、虫歯の痛みではなくコレだったのか(遅。

あぁ、次のお食事タイムで、高橋口内ワイナリーは2粒を3粒に増やしてしまうんでしょうか…(怖。

3月3日

HPで自分のメルアドを晒しているからか、最近頂くスパムメールの数がエラいことになってまして。

「『少女観察室』へのご登録、ありがとうございます!」とか(美少年観察室ならまだしも…)、SEXレスに悩む人妻サークル募集のご案内とか(別に悩ぢゃいませんて)。

一つ一つ削除していくのは面倒だし、スパムだとわかってるのに熟読してしまう自分が哀れなので、この際、スパム対策としてフィルターをかけてみることにいたしました(今更?。

まず、送信者のドメインyahoo.co.jpは片っ端から弾くように。

「援交」とか「未承諾広告」とか、あとは口に出すのも恥ずかしくなるような思いつくだけのエロ単語を登録し(でも、ちんことうんこは妻的には医学用語なので除く)、ギャルが使いそうな「♪」や「☆」、あと顔文字もセット。

お陰で、驚くほどメールの数が激減いたしました。ヤタァー!

でも、もしかしたら☆やら♪のマークつきでメールをくれる友人がいるのかもしれません。いや、♪マーク、顔文字なんか使う友人なんて、いないぞいないいないと思う思いたいいないですよねいないですええ。

3月4日

友人のTさんが毎週通っている太極拳教室を、暇だったので見学。教室に参加している生徒さんは、Tさん以外は殆どが年金生活を送ってらっしゃる優雅なおばちゃんたち。終了後、皆で昼飯を食べに行くことになり、妻も同行したわけです、暇だったから。

まず、誰が車を出すか。

ここで、おばちゃんらは口々に「うちのは軽だし、狭いからダメ」「あら、うちも軽だわ、乗り心地よくないし」と言い出し、あやうく我が家の車が出動することになるのか?こいつら初対面なのに!と不安になっていたところ、おばちゃんAが叫んだわけです。

「Kさんとこの車にしましょーよ! アタシ、乗ってみたかったのよ、外車に!」

K奥様(推定60歳)が運転しているのは、英国を代表する高級車ジャガー。

「アタシも乗りたい!乗ってみたい!乗せろ!乗るぞ!」とうろたえるK奥様を無視して勝手に乗り込むおばちゃん軍団(妻含む)。

「まぁ〜やっぱり外車は違うわねー」「みて〜、革張りよー、すっごぃー」「いい冥土の土産になるわ〜」と褒めちぎるおばちゃん軍団の言葉に、K奥様もまんざらではないようでニコニコしてたんですが…。

後部座席に乗ったおばちゃん2人(妻真ん中)、褒め言葉がだんだん怪しくなってきました。

「でもさー、やっぱ乗りなれないから長時間乗ってると居心地悪いわよね。革張りだと冷たいからか、おしっこしたくなってきた」

「あら、アナタも? アタシもなんだかおしっこしたくなっちゃったわよ。軽みたいに揺れないのって変だし」

「そうそう、軽のあの揺れがいいのよね。マッサージ効果ってゆーかさ」

妻を挟んでやり取りするおばちゃん二人。

「静かすぎるのも、ねぇ」

「つまんないわよねー」

「大きいと小回りも効かないしねー」

「ほんとー。場所とんのよね。スーパーの駐車場なんかで邪魔だなーと思った車って、大抵外車」

「そうそうー。やっぱ、軽自動車がいいわよねー」

「そうよねー」

乗せてもらっておきながら…つか、自分から乗り込んだくせに…おばちゃんって、ほんと、言いたい放題。

バックミラーに映ったKさんの引き攣った顔を見た瞬間、流石の妻も毛穴から変なシルが出ちゃいましたよ。

でも、多分、このおばちゃんたちは妻の数年後の姿…。

3月5日

普段は、長さ5ミリにも満たないくせに、片方だけが何故かニョキニョキと1メートル近くも伸びて、まるで蛇使いに踊らされるコブラのように先端がムックリと頭をもたげる。目はない。口もついていない。その不気味な伸びたヤツの先端は、次第に二つに分かれ、コブラの頭からコブラの舌に変ってしまった。

チロチロと動く舌先。

その舌先が妻の顔面を捉えた。

な、なにっ?!

驚いて口をかすかにあけると、コブラの舌先は妻の口に滑り込み、少々腫れて痛みのある歯茎を刺激する。

や"め"でーっ!

ちょっと気持ちいいけど、アンタが気持ち悪いよっ!

赤く腫れた歯茎を突付いたり、歯の間を引掻くように動くと、そのコブラは妻の口からサっと抜け出し、今度は妻の鼻先へ移動した。

やめてーっ!

うわー、ナニ、この臭い。

虫歯の香り。臭いけど、癒される。でも、アンタは気持ち悪いってば!

両手で何度追い払おうとしても、隙を突いて妻の口に侵入し、執拗に臭いを嗅がせようとする細長い蛇。

もぅイヤーっ!

アンタ、何者?

妻は勇気を振り絞り、細く長い不気味な細い物体を掴むと、力任せに引っ張った。蛇は殺すと縁起が悪い。裏山に放り投げるのダ、ヤァーッ!

ギャー!

痛い!

痛いはず。

力いっぱい握り、引っ張って、そして振り回そうとしたそのコブラは、妻の右乳首だったのだから…。

とゆー夢を見ました。

あぁ歯が痛い。乳首は無事でしたケド…。

3月7日

終に妻は正真正銘のババアになりました。

40歳ですヤッホー。

この日を、実は心待ちにしておったのでございます。

セーラー服の似合う(今でも多分似合うけど)高校生の頃、よく当たると評判の占い師に自分の将来を占ってらったことがあるのです。

よく当たると評判の占い師は、よく当たって繁盛しているだろうに、何故か商店街の外れのうらぶれたスゥパの1階の端っこに申し訳程度の場所を間借りして、お世辞にも上手いとは言えない自筆で「占い」と書いた看板を掲げておったのですが。

よく当てるらしい占い師のおっさんは、女子高生である妻の顔をペン先でいやらしくなぞったり、手を握ったり揉んだりセクハラまがいのことをしつつこう言い放ちました。

「あぁ、キミねぇ。モテないなー。男にモテない。年齢的に一番チヤホヤされる20代、モテないよ。ほんと男にモテない(しつこい)。彼氏ができたとしてもね、それ、キミのこと本当に好きで付き合ってるわけぢゃないから」

ギャー!

なんで初対面のおっさんにココまで言われなきゃならないわけ? と憤慨しつつも、よく当てるらしい占い師のおっさんの言うことだし…。このとき自分が夢に描いていた華やかな人生はガラガラと崩れたのであります。

ぢゃぁナニ? S男(当時付き合ってた男)はアタシのこのナイスバデーが目当てなの!?

もぅ死んでやる…。

生気を失った妻の目に気づいたのか、そのよく当てる占い師のおっさん。

「あ、でもね、望みがないわけぢゃないよ。結婚だってできる。うーんと、今付き合ってる男とぢゃないけどね。まぁ、モテないけど結婚はできる」

はぁ。

妻の人生で「モテる」とゆー時期は全くないのですかコンチクショー。

楽しくない将来だなテヤンデー。

「40だよ。40」

ほへ?

「40歳になったらね、モテるから。40歳」

えぇ〜? そんなババアになってモテたってしょーがねーぢゃん!

当時は唾を飛ばしながらおっさんに訴えましたが、全然しょーがなくないです。あの時の妻は間違ってました。

あぁ長かった。

ようやく春がきました。

さぁ、妻に心構えはできているのです。

今まで告白できなかったそこの貴方!

さぁ、さぁ、さぁ!

3月8日

ったく。運命の時から2日も過ぎたとゆーのに(せっかち?)、男からの告白メールが1通も来ないっつーのはどうゆーことなんでしょ。よく当てると評判だった占い師のおっさん、こうなったら責任取っておまいがメールよこせっ!(多分、もぅ死んでるって)

昨夜は寒さで何度も目を覚ましたのですが、その度に妻の目の前には夫の脂ぎった顔があって、夫のデカい鼻の穴から出ている50ノット近い鼻息(台風?)が寒さの原因だということがわり、頬をはたいたり鼻の穴に指突っ込んだりと暴風対策に忙しく、妻はα波出す暇もありませんでしたがなーっ。

北島三郎めっ! 息すんなとは言わん(死ぬし)、少しは遠慮しろっ! 

3月9日

「おかえり。今日も金にならない残業ですかー。もぅ11時過ぎてるよー。晩飯、食うの? あ、食うんだ…。こんな時間に晩飯食うのやめたら? いや、ほら、食ってすぐ寝るのは体に悪いってゆーしさー」

「はぁ〜疲れた。景気、悪くてさ。会社、大変なんだよね。…それで来月から一年間、給料が毎月3万近く下がるみたいなんだ。ついでに、ボーナスも半分くらいになるらしいよ」

「えっ?」

「…」

「で、土日、どんなアルバイト始めるの?」

「お前なぁ…一体、俺をどれだけ働かせたら気が済むんだよ」

「給料下がるんでしょ。新聞配達は? 朝刊だったら、土日だけぢゃなくて毎日できるんぢゃない? ほら、T町の先の工業団地、あそこだったら平日深夜の仕事もあるかもねー」

「…ぐぅ。お、お、お前なんか、毎日昼寝ばっかしてるくせにぃーっ!」

あるご家庭の夫婦の会話です。

酷い嫁ですよね。信じられませんね。鬼ですね。お前、何様のつもりだよ、って話ですよね。

ワタクシのことですけど。

3月10日

明け方、妻は「返せ! 返せ!」と叫んでいたらしいです寝言で。

人の意識は、睡眠中別の世界に行ってるから、ちょうど夢を見ているなんて時に現実の世界から話し掛けちゃったりすると、夢と現実の区別がつかなくなって戻ってこれなくなることがあるから、寝言に気安く受け答えしちゃいけないのだヨ。なんてコトが言われますが、夫は聞いてしまったそうです。

「どうした?」

「返せって何をだ?」

「何を奪われたのか?」と。

寝言の相手をしてしまった本当の理由が、「こんなクソ女、コッチの世界には一生戻ってくんな!」 だということは…言ってませんけど、それは口が堅いからだと妻は睨んでいます。

で、妻が目覚めたのも、自分が叫んだ「返せ!」とゆー、その声のデカさに驚いちゃったからなんですけど。

すっかり目覚めた妻に、しつこく聞いてくる夫。

「何を? 何を取られた?」

「よっぽど大切なものだったんだろ?」と。

流行のオープンカフェだと賑わうお店。しかし何故かその店は、どの角度から見ても我が家の近所のゴミ置き場。最近では店主の愛犬を「お店の看板犬です!」とアピールしているところがあるように、オープンカフェだと言い張るそのゴミ置き場にもお店の看板ナンチャラとゆーのがおりました。真っ黒いカラス。しかも看板カラス大量。で、この躾けのなっちゃいない看板カラスは客の食い物を横取りするわけですよ。客の食い物つっても、メニューは生ゴミを使ったものばかりなんすけどね。

「幻のS家生ゴミ、入荷しました」

「新鮮生ゴミで作った生ゴミプリン、始めました!」

なんつー幟が立ってたりして。

夢だもん、ありえるありえる。

で、看板カラスに混じって、近所のガキんちょが客の食い物をくすねようとするわけですよ。

オープンカフェなんつー洒落たもんを生活水準の低い地域に作るとこうなる、とゆー例なんでしょうか。

そして案の定、妻、看板カラスではなくガキに食い物を横取りされてしまったわけです。

つっても生ゴミなわけでしょ?とお思いでしょうが…。

他の誰もがお勧め日替わり生ゴミランチを旨そうに食べてる中、妻は育ちがいいので、一人だけカール食ってたわけですよ。おらが村のアノ、カール。それがどこかのご家庭から出たゴミの一部だったのかどうかは知りませんが、知りたくもないし、育ちがいいのでそんなモノを拾って食うとは思えませんから多分元々持ち歩いていたということにします。出かけるときは忘れずに、みたいな。携帯電話は不携帯でも、カールだけは持ち歩く、っつーか。だって、随分前におらが村の住民登録だってしてたしー(今日気づいた)。

それをガキに袋ごと奪われちゃったのですウガーッ!

袋は取り返したんですが、ヤツにいくつか食われてしまったのは確か。

「欲しかったら、『少し分けてもらえませんか?』てお願いするのがスジ、っちゅーもんやろうがっ!それをひったくりやがって。ま、お願いしたってお前みたいな礼儀も知らない小汚いガキにはやんねーけどなっ」

そう確か毒を吐いた妻。

詳細を思い出していくうちに、益々悔しさが募ってきます。

ガキめ、、許さんっ!

見つけたらタダぢゃおかねーっ!(下の団地の愛犬の糞を拾わない中学生だったことが判明。夢だけど)

夫が着替えているその横で、瞼を腫らし、睫にガッツリ目糞をつけたベンジャミン大仏(おらが村における妻の村民名)、握りこぶしを振り回しチクショウチクショウと唾を飛ばしていたのでありました。

取り返した袋の中。

何が悔しいって、残しておいた当たりカール(カールおじさんの形したやつ)がなくなっとったのですよっ!(夢だけど)

3月11日

鼻毛カッターなるものを持ってはいるんですが…。
引き出しの奥から引っ張り出すよりも、目の前にあるコイツで何とか処理できるんでわないか、と。
その誘惑が血を見ることとなったわけです。
やっちまった。
毛を切らずに、肉を切るとは…。
つか、太ると鼻の中の肉も盛り上がるのか?
で、怪我したときはコイツ…ですよね。
鼻血垂らしたまま、どうやって貼ろうか、マジで箱を握り締めて数分間考え込んでしまった自分が、なんだか憐れでなりません。

3月14日

うわーうわーっ、デっかい鼻糞が取れちゃったよー!

と思ったら、生乾きの瘡蓋でしたよドバー(鼻血再び)。

血が止まるのを待って、銀行へ行ってまいりました。

窓口のおねいさんに名前を呼ばれるまでの間、手元にあった週刊誌でも読んでいようとパラパラ捲って、クロスワードパズルのページにふと目が留まる。

銀行所有の週刊誌なのに、幾つかのマスが埋まっとるがなー。

しかも、震える汚い字でー。

どこの年寄りが記入したんかぃな、と思いつつも眺めていると、1箇所気になるトコロ発見。

「馬糞や紫がいます」という問題文。

その答えの欄は2文字。

どこの誰だかわからない震える字を書く人が記入してあった言葉は「ヒロ」。

「ヒロ?」

なんですか、そりゃ。

目を凝らすと、「ココに文字は入りませんヨ」とお知らせするための黒塗りになった欄に、震える字を書く人は「バ」と力強く書いてありました。強引すぎ。

「ヒロバ?」

答えは「ウニ」だろうに。

震える字を書く人、ははぁ、紫を柴と読み間違えたのか? で、柴を芝と勘違いしたのか? 広場には馬糞が落ちてたり、芝が生えてたりしますから、っつーわけか。

ヌルいのぅ。

とか優越感に浸った妻ですが、このサイトの9ステージめがどうしてもクリアできない、所謂ヌルいヤツなんです。

3月15日

ギャーッス!

何年も前になるけれど、安い割にはすんげーオシャレだと思って買ったジャケット。ソイツと同じモンを、旭川の橋の下で生活している方が着ておられるのをTVで発見しまして…同じモンだけど、アッチは妻のに比べるとたいそう痛んでいて暖かそうにも見えなかったんですけどね。袖口も擦り切れてたし。いや、別に橋の下で生活なさっている方がどーだとゆーわけぢゃないんですが…

うわーうわー、数ある防寒具の中でコイツを選ぶとは、この野営生活のベテランさんと妻はファッションセンスが一緒なんですか? とまぁ、軽いジャブをコメカミあたりに食らって、一瞬気を失いそうになっちゃいましたよ。

「彼が着てるスーツ、何年前に流行ったやつなんでしょうかねぇ。肩幅も広めに取ってあるやつだし」なんて、毒吐いてるけどお前が着てるスーツだって、その突き出た腹を無視して無理矢理着てんぢゃねーか。ネクタイの柄だって、それでイケてんのか? なんて、もぅドン小西のことをバカにしたりしません。

3月16日

「このサイトの管理人さんがお腹が痛いというので、今日はアタシ、犬糞の妖精スズキタエが書きます。

父も母も何処で何をしているのかわかりません。名前すら知りません。要するに捨てられっ子ってことです。子沢山なので、兄弟は大勢いるらしいです。多分、スープの冷めない距離にあちこちいるんだと思いますが、交流が全くないのでアタシには分かりません。

生まれてからずーっと孤独です。趣味は空を見上げることと、あと醗酵。風の噂で聞きましたが、兄や姉は風化が得意らしいです。

友達はいませんが、アタシに興味を持ってくれる方はいます。

ギンバエ君たちです。

むしろモテまくってます。

でも、体格差が余りにもアレなのでアタシはノーサンキューです。

早く素敵な誰かにギュっと抱きしめられたいです。特にチリガミに。」

うちの玄関前に犬のデカい糞放置してったやつーっ!

見つけたらタダぢゃおかねーっフンガーッ。

3月18日

ブチブチブチブチーッ。

耳を澄ますと、湿った屁の音が途切れなく聞こえちゃったりしてますが元気です。

ピヨピヨピヨピヨ〜。

目を閉じると、内山クンとか朝青龍とか、羽を生やしたデブタレ集団が目の前で飛んだり豚だりしてるんですが元気です。

ブォォォォーン。

ボリュームを上げないのに、ヘリコプターのプロペラのような音が聞こえてきますが(マイPC)、コイツは幻聴であることを願います。

このたび、25年もの付き合いでしたが、ヒモである彼ときっぱりと縁を切ることになりました。

追い出しました。

離婚です。

慰謝料とか手切れ金とか、請求させません、とゆーかされても困ります金ないし。

にしても、四半世紀の付き合いとゆーのは長かった。

知らず知らずのうちに、アナタ色に染まってたのねアタシのカラダ。

いつもの癖で、食後、どうしてもアナタが欲しくなります。

お腹いっぱいなのに、アナタが欲しい。

「欲しいか、欲しいんだろ、オレのコイツが」

アナタの懐かしくもイヤらしい声が聞こえる。

「ええ、欲しいの、欲しいのー、咥えちゃいたいのー、咥え込んぢゃいたいのー」

どんなにお腹いっぱいでも、アナタは別腹、みたいなぁー。

あぁ、なんて淫乱な女なんでしょ、アタシ。

ダメよダメダメ。

グッバイ、エコー。

アナタを忘れるまで、しばらくは分幻覚や幻聴に悩まされるのでしょうけど…。

できることなら、幻覚くらい登場人物考えんか?>じぶん。

デブタレとっととクビにして山下智久あたりを出演させるとか。もちろんまっぱで。

3月22日

日曜日の午前中にあった福岡県西方沖が震源の震度6弱の地震。

実家の様子が気になり、ようやく連絡が取れたそのときの母親の第一声は、

「アンタの言うた通りやったばい!」だった。

一体何のことかと思ったら…。

「揺れたよー。死ぬかと思った。もぅさ、人間いつ死ぬかわからんね。やけさ、やりたいコトは躊躇せずにやって、アンタの言うた通り、借金しまくってでも欲しいモンは片っ端から買っていった方がいいね。明日死ぬかもしれんのやし。借金は踏み倒せばいいんやが」

オンギャーとこの世に生まれて40年。

やっと、親に「教える」とゆーことができましたよイェーィ!

3月23日

インリン・オブ・ジョイトイ、安室奈美恵、菊川怜、雛形あきこ、持田香織、浜口京子、氷川きよし、ウォン・ビン…みーんなアナゴさんと同い年。そしてしばらくすると、みーんなアナゴさんより年上に。

サザエさんのHPのキャラ紹介に載せてもらえないとゆー酷い仕打ちが、彼をあんなフケ顔にさせたんすかね?

3月24日

レンジフードの汚れ。使いもしないのに出しっぱなしのミシン。2階の風呂に入ってシャワーを使うと、冷蔵庫の裏の壁からカンカン音がすること。ここのところ、連続で洗いあがった洗濯物に洗剤の塊がこびりついてやがること。持ってる靴下の半分が指先に穴が開いていて、残りの半分の全てが内側のつま先に毛玉がこびり付いてること。ゲームやってる最中にフリーズするパソコン。

竹島やるから別の島よこせ、なんてことはできないんですかね。それか半分ずつ平等に分けるとか。今度大きな地震が起きそうな場所はどこですか? 韋駄天の身代金って、保険会社が出したんすか? あと、それからそれから…。

子宮ガン検診問診票の「気になっていること 質問したいことがあれば」の欄が小さすぎて、全部書ききれません。

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ときめき。

それは喜びや期待で胸がドキドキしちゃうこと。

明日の健康診断のために、先ほど検便なるものをやりました。本来なら健康診断当日の、いや、できれば直前の新鮮な便を提出するのがベストなんでしょうけど…。

検便容器が入った袋に同封されていた流せるトイレシートを便器の底に敷き、そして力む。

けど、最初に出るのは糞ぢゃなくてしっこなんですけどージョバー。完璧に敷いたつもりのトイレシートが、妻の尿圧でズレていくんですけどーズルー。

まぁよい。

さてヤルぞ。

ウーン、ブリブリブリー。

トイレシートの上に上手くブツが乗ったかどうか気になるところ。よしよし。下半身は汚水に浸かってしまったけれど、上半身は無事だ。

検便容器のキャップを外すと、便器に屈みこみスティックで出したてのホカ便を突付いたり擦ったりしてみる。

今日のこの糞のグラデーションは昨日見た虹を思わせるよ。綺麗。芸術!おぉ、角切り人参がそのままの姿でっ! スティックに引っかかった糸状のコイツは昨日食った蕗の筋か? ここいら辺はさっき突付いたところより軟らか目ぢゃないか!何故だ。こうして細い棒で糞をほぐしていくと、ただの糞とは一括りにはできない発見があって面白い。

しばし己の糞観察。

パンツ下ろしたまま。

尻も拭かず。

「便をとりすぎると正しい検査ができません」とは書いてあるけど、妻は欲張りなので蕗の筋も角切り人参もできることなら採取したい。棒の先で角切り人参を細かくほぐし、そして突き刺す。

格闘すること10分。

おーし!

細い容器の小さな口に、この糞満載の棒を差し込まねばならぬ。

パンツ下ろしたまま。

当然まだ尻も拭かず。

右手に臭い棒を持って、尻を丸出しにしちゃってて、そのうえケツにこびり付いたうんこが乾燥してきちゃってる、今この瞬間にピンポ〜ンなんて呼び鈴が鳴ったらどうしましょ。

なんてことを一瞬思っちゃったもんだから、棒を持った手がプルプルプル震え出しちゃって…。

ダメーッ! 容器の口に糞がついちゃうぢゃないのっ!

ドキドキドキ。

キャップを留める螺旋状の容器の口(内側)に、努力して手に入れた角切り人参の破片がこびりついちゃったりしましたが、なんとか成功。

高鳴る鼓動。

湧き上がる達成感。

ひさしぶりに検便でときめいちゃいましたヨ。

ところで、どうでもいいですけど、検便中はうんこついたケツを拭くタイミングってないですよねー。

3月28日

喫煙2週間になる夫。

煙草を止めたお陰で、鼻糞がたまらなくなったとご満悦。

その代わり、体重が2キロも増量したんだとか。

つまり、妻の発見した法則によると、喫煙中の夫は2週間で2キロの鼻糞を掘り出していたことになるわけです。

ちなみに1キロブロック肉がコレ↓

夫の鼻の穴、すげーすげー。まぁ、妻の編み出した法則は、根本的に何かが間違ってるような気はしますが…。

3月29日

某アウトドアショップに頼んでいたものを引き取りに行ったついでに、金もないのにアレも欲しいコレも欲しいと品定め。2時間近く店内をウロつきまわって自宅に戻り、今日はショップのトイレを借りずにすんだヨ。でかしたマイ膀胱!と小さくガッツポーズ。

その後、お茶を飲んだりアイロンをかけたり、いつものように過ごしてさて放尿タイム。

トイレに入ってジーンズのボタンを外そうと、羽織っていたダブダブのパーカーとトレーナーを捲り上げる。

ボテッ。

何故か、くしゃくしゃに丸められたTシャツが妻の腹あたりから床に落ちた。

数日前に着ていたTシャツ。

その日の夜、洗濯しようかどうしようか悩み、臭いを嗅で「まだイケそう」とゆー判定が下されたのに、本日のお出かけ着として選ばれることはなく、ベットの脇に放置されてたハズのTシャツ。

そんなTシャツが、なぁぜぇーーーーーっ。

これまた洗濯しようかどうしようか迷って、結局本日着てしまったトレーナーの、その内側に入り込んでいた模様。

妻は腹に、丸めたTシャツを抱えたまま、某アウトドアショップを2時間近くウロついてたわけですよ。ちょっと妊婦風に。丸めたTシャツ1枚分の膨らみに、誰も何の違和感も持たなかったなんてーっ!

床に落ちた皺くちゃのTシャツを拾い上げて、再びトレーナーの裾あたりに捻じ込むと、2階へ駆け上がり姿見鏡の前に立った。

なるほど、わからん。

つか、赤子1人くらい隠せそう。それくらい、体型も態度も元から貫禄ありすぎ。

着ているトレーナーの腋あたりに使用済みの靴下が引っかかってたこともありんす。ダメ主婦とゆー以前に、女として、いや、人間として大丈夫なのか?と自分に問いたい。

3月31日

数日前から目の周りが異様に痒いんですけどーっ。

烏天狗の口みたいなマスクつけた近所の花粉症歴5年になるおばちゃんに、あんたソリャ、ウチらの仲間になったのだよウヘヘと言われる妻。

何ですか、その嬉しそうに緩んだ口元は。一緒にしないでくださいよ。まだそっちの世界には行きませんから。違いますって、違いますってば。これはね、朝起きて顔を洗ってないからですってば。ほら、睫についてるコレ。コイツがカリカリに乾いて糊の役目をしとるんですよ。目糞ね。そんなわけで、上瞼と下瞼がくっついちゃってて目を開け辛くしてるから、それで痒いだけなのですよ。痒いだけとゆーか、開けづらいだけなのに痒いと思い込んでるだけなのですよ、と苦しい言い訳。

花粉症であることを頑なに拒む妻。

目糞がなくなると言い訳もなくなる…。

花粉症であることを否定するために、顔を洗うことをやめました。

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3ヶ月に渡る歯科医通いも、奥歯の噛みあわせの診察を済ませた本日にて無事終了。

「いやぁ、途中で挫折することもなく、よく頑張りましたねぇ。偉かったですヨ」と年下の医師に言われ本気で喜ぶ妻40歳。

本気と書いて「マジ」と読んで欲しいよ。

頑張ったよ、自分。偉かったよ、自分。結構な額をキミに貢いだよ。年下の男に。

できることなら、頭の一つくらい撫でて欲しかった。

受付で治療費を支払うと、おねいさんに言われる。

「今後は歯が痛くなくても、定期的に診察を受けてくださいね。半年後くらいにまた」

えっ?

やだ。

来ないよ。絶対に来てやるもんか。

だって、先生、頭撫でてくれなかったもん。

 

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