■ 8月の戯言 ■

8月1日

「奥さん、来ちゃったのよぅ〜」

大きな杓文字を手にしたヨネスケ氏が、今日もズカズカととある一軒の家の中へと上がり込んでいく。

「いやぁ、クールビズ、実行してるね。偉いね。無駄な電気、全くつけてないしさ。でもどーなの、窓開けてるけど、部屋の中、なんだか熱気がムンムンだね。うわっ、家の中、真っ暗だから何かに躓いちゃったよ、イテーナオイ。なんだよコレ。うわ! 俺の足に当たったの、バ、バ、バ…バイ…ヴ? ヤバいよね、これは映せないね。カメラさん、映さなかったよね? え? 映しちゃったの? マズいよー。後でモザイク入れといてよね。

それよりいるの、ココ? いるよね。声がしたもんね。奥さーん、ドコにいんの? つっても、そんなに広いお宅ぢゃないからすぐ見つけちゃうと思うよ。

うわ、廊下に洗濯物がほら、干してありますよ。ナンだかどれも派手な下着だねー。紫とかレースとか…女性モノはさ、映すとあまりよくないだろうからカメラさん、気をつけてね。

こっちはおとーさんの下着? 凄いよ、これ。おとーさん、ビキニブリーフなんか履いてんだ。なんだコリャ、ちょっと、カメラさんカメラさん、これ映してよ! 凄いよ、おとーさんのTバック。しかもホラ、象さんの顔!こんなの履いてんだ、おとーさん。これ履くと、股間から象さんの鼻がズズーンって。凄いね。つーか、いいのかね、こんなの映しちゃって…それより奥さーん!」

ズカズカズカ。

「あ、いたいた、奥さん! 凄い洗濯物干してあったけどさー、玄関開けたら丸見えなのに、奥さんのパンツあんなトコロに干してて大丈夫なの? え? あれ下着ぢゃないの? そうなんだー。

顔、隠さないでよー。顔隠すくらいなら、洋服着て欲しかったんだけどー。暑いからシミーズ姿なの? うわ、それが洋服なんだ。で、さっき干してあったのもシミーズぢゃなくて全部洋服…そうかー。買い物行くのもアレ? 病院行くときも? 犬の散歩も? そっかー。ぢゃぁ、町内でも有名でしょう〜。刺激的だもんね。

だから顔、隠さないでってばー。下向いたら乳首、映っちゃうんぢゃないの? いいの? いや、俺は見えたほうがさ、嬉しいっつーかなんつーかウハハウハハ。

ちょっとだけでもいいからさぁ、顔、見せてよ。そんなに恥ずかしがることないぢゃない。オッパイほとんど出してんのに。

あれ? アナタ、どこかで見たことある顔だよね。てゆーか、見たことあるカラダだよねー。ゴーヂャスなカラダ…俺、鼻血出ちゃいそー。

あっちにいるのは? そっかー、妹さんかー。妹さんと二人暮らし? 嘘、男モンの下着、あったけど。干してたぢゃないの。おとーさんのでしょ。違うの? おとーさんぢゃない。親指たてちゃって…あ、彼ってことかー」

ADがヨネスケ氏に向かって腕をグルグル回すが、ヨネスケの視線は奥さんのオッパイから離れない。仕方なく、ADが冷蔵庫を開け、カメラがそちらへパーン。、

上段には、缶蓋が空けられ、上からラップがかけられた発泡酒が数本と鯵の干物、蓋が斜めになってきっちり閉まってない瓶詰めの佃煮数種。中段には乱雑に置かれたサプリメントの試供品がゴロゴロ。野菜室には適当にラップがかけられ、所々ベターっとクタりかけたレタスと、萎びて反り返った人参。

『ヨネスケさん! いいから早く晩御飯のインタビューやっちゃってくださいヨ!』

プロデューサーの言葉に、ヨネスケ。

「うっさい! オッパイ眺めてるのが、俺の晩ごはんなんだっ!」

なんつー感じで、叶姉妹の自宅へアポなし突撃晩ごはん、なんてないですかねー。しかも叶姉妹の家はすげー庶民的なのが理想。

8月2日

溶けちゃいそーなくらい暑くてヤル気が全くおきないので、ズボンを膝までズリ下げ、片足だけを出した状態で床に座ると、両足全開にして(こうやって風通しよくしとるのです)本を読んでばっかりいる。

時々そのまま寝転がったり、時々肩肘をついてたり、時々人差し指を鼻の穴に突っ込んだり、時々片手を尻の下に敷いて景気よく放った屁を採取して愛犬に臭いの塊を投げつけたりしながら(要するに、だらしない)。

午前中、とある宗教の勧誘のおばはんがチャイムを鳴らしたので、慌てて玄関先に出ようとしたらズボンの裾を踏んづけてしまい、尻を出したまま派手に転んでしまった40歳の夏。

小冊子を購入してくれと言われたけれど、今の妻にはそんなモノ必要ないのです。

「ええと、今日読む本は決めちゃってるのでいりませんさいなら、バタン」

きっぱりと断わることができました、妻、グッジョブ。

勧誘のおばはんを追い返したら、歩きながらズボンを膝までおろし、股割り体勢で再度読書。

本といっても、活字がビッシリの小説は頭が痒くなりそうなので(熱気で)、ぼんやりと眺めていても楽しめる、はた万次郎氏の文庫でございます。

「北海道青空日記」と「ウッシーとの日々@〜C」。

もぅ何回も繰り返し読んでる(とゆーか眺めてる)けど、毎回クスリと笑えちゃうところが好き(犬友達のIさんは「ウッシーってBJくんみたい」と云ってくれるし)。

そんなわけで、今朝から今の時間までに、既に上の5冊を読み終えてしまい、これからの時間、どうやって過ごそうかウームウームと唸っているところ。

彼の文庫で、もう一冊、「北海道田舎移住日記」とゆーやつがあるのだけれども…コイツは他の5冊のように全編漫画っつーわけぢゃなくて、挿絵付き日記なわけで。とゆーことは文字が適度に並んでるわけで。頭の毛穴から汗をダラダラと流している今の妻には、この適度な文字をも追っていくのは難しいわけで。

コイツは日が暮れた涼しい時間帯に広げることにして、もう一度北海道青空日記から読み返してみるかな、と。

ええと、別に今日の戯言は何のオチもないです。暑いから。

あ、犬飼いさんには特に楽しめる作品だと思うので熱烈におススメしとるわけですよ(今更っつー気もするけど)。

8月4日

愚犬の散歩の途中、前方より見たことのある男性が、これまた見たことある車を転がしながら妻の方へと迫ってくる。誰だったかなぁーと脳内コンプーターをフル稼働させるも、製造年昭和40年のソイツはあちこちガタがきているため、さっぱり思い出せず…。

うわ。軽くお辞儀されちゃったよ。にーちゃん、笑顔を投げかけてきてるしー。とりあえず、こっちも同じようにやっとけ!

脳内コンプーターから命令が送られてきたため、引き攣り気味の笑顔を送り返す妻。

車がソロソロと妻の隣にやってきて、助手席側の窓がウィ〜ンと下りる。

「こんにちわー」

運転席側から身を乗り出しておにーさんが声をかけてきた。

「あ…ども」

思い出しましたよ。笑うと眉毛も目尻もだらしなく垂れて泣きそうな顔になっちゃうその顔で…。新聞の集金のにーちゃんぢゃないですかっ!

「うあぁぁぁ…あのあのあの」

妻、ちょっと慌てる。

「今日は(今日も)ダメ。来てもらっても困るよ。ほら、まだ散歩に出たばかりだしね。ええと、2時間は家に帰らないしさ」

嘘。暑いし、愚犬は歩かないし、5分後には多分自宅に戻ってるんだろうけど…なんとかして集金を逃れようと言い訳をする妻。家にある全財産、258円ぽっちなんだもん。無理むりムリ。あたふたあたふた。

「あー、新聞代なら、先週頂きましたけどー」

8月5日

アンタガタドコッサ(字余り)

ヒゴッサ(字足らず)

うーんうーん。

おぉ、閃いた。

「ホイサッサ」

いや「エッサッサ」かもしれん。

升目を埋めて、回答をどこに送ったら何がもらえんだ?

などと勘違いをした金曜の朝。

つーかさ、コレってサニーレタスと違いますのん?

(写真は生協の宅配チラシ)

8月8日

今週11日から高橋家は途中野営をしつつ(岡山あたりを探しとるんですが、どっかいいトコないっすかねー)妻の実家、北九州へ里帰り致します。この糞暑いのに、南下するわけです。車で。その模様は、ファッキンホットログの方で、地味にアップできると思いますが…。

走行距離、片道約1500キロ。

宇宙までの距離、片道約100キロ。

宇宙よりもべらぼうに遠い妻の実家て…。

8月18日

15日の午前中実家を出て、資さんうどんで朝飯を食ったり、小倉でプラプラと買い物をした後高速に乗り、途中広島でお好み焼きを食べる為に高速を下りちゃったり、新潟付近で集中豪雨に見舞われながら、仙台の自宅に辿り着いたのは日付の変った16日の朝8時。岐阜辺りから夫に代わり、ずーっと妻が運転していたため、妻は眠れず夫も不安で眠れず夫婦揃ってヘロヘロだったわけです。さぁ寝るゾー。

目覚まし時計を正午にセットして、布団にもぐりこむ。

3時間後、トイレに行きたくなった頻尿妻は、ソロソロと布団から這い出て近くにあったジーンズを履き(ファスナーは上げず)、Tシャツを頭から被って暗闇の中(Tシャツから頭を出してないだけ)階下のトイレへ行こうとして足を踏み外し、残り4段の階段を尻で下りてしまう。

ドスドスドス〜。

あーもぅ痛いイタイ。尻も痛いけど、落ちるとき壁に右腕をしたたか打ち付けて擦りむいたところがもっと痛いよウエーン。ジーンズのファスナーは相変わらず全開のまま、半泣き状態で腕をさする。

と、いきなりグラグラー。

地震ですよ。

県内では怪我人42人を出したとゆー、アレ。

CDラックからバラバラとCDが落ちるし、食器棚に並べてた酒瓶がドミノ倒しのように美しく倒れて、家はなんだかメリメリベキベキ不気味な音を立てるし…。

愚犬の雌の方は、自ら頑丈なセンターテーブルの下に滑り込んだので大丈夫。もう一匹の肛門腺しょっちゅう垂らして臭いほうは?と振り返ると、ヤツは玄関前でボケーっと上を見上げとりました。

視線の先は、吹き抜けの天井から吊るされた玄関の電気。

地震の揺れに合わせてユ〜ラユ〜ラと揺れている、その電気を焦点の合わない目で見つめたまま動こうとしとりません。

隣にはピアノがあるし、ピアノの上に乗っかったいろんなモンが、そこにいたら落っこってきて、頭打って、今以上にアホになるぢゃんか! このウスノロエロガッパめ。

わー!とかギャー!とか揺れに合わせてわけのわからん言葉を叫びながらも、妻、BJをセンターテーブルの下に放り込もうと右手で抱き上げた。

グキッ。

13.2キロにまで巨大化したヤツの体重に、妻の豪腕見事に負ける。

筋、違えちゃいましたよ。んもーっ。

お陰で、地震後から2日経った今でも、右腕が上がりません。お箸も重く感じちゃうくらい。

病院に行けば、地震による怪我人としてカウントされるんでしょうか。

原因は豚犬なんだけど。

8月19日

ヂャスコでゴッソリと買い物をしてレジに並ぼうとしたら、どこもおばはん軍団の行列。その中で、唯一客が1人しかいなかったところを瞬時に見つけ出し走る妻。

ヤッホゥ、今日はツイてる。

まだ痛みのある右腕を庇いつつカートから籠を引き上げ、レジの上にドサリ。ついでに空のマイバスケットもレジ前方へ。マイバスケットを持参していけば、店員さんが自ら籠に商品を入れてくれるんである。

「ひらっひゃいまへー」

籠の中に伸びてきた馬の鬣の様にモッサリとした腕毛を見てシマッタ!と思う。

妻の目の前に立っていたのは、あのにーちゃん。

豆腐の上に揚げたて惣菜のコロッケを平気で置いちゃう、あのにーちゃん。

もやしの上にホールトマトの缶詰を乗せて客に文句を言われても、何のことやらさっぱり、っつー顔する、あのにーちゃん。

口を閉じてるとこなんか見たことがない、出歯のあのにーちゃん。

閉じてないから、時々手にした商品に涎落としちゃう、あのにーちゃん。

涎も垂らすけど、春になると酷い花粉症で鼻水ズルズルの、あのにーちゃん。

ズルズル垂れてきた鼻水を指先で拭って、そのテカった指で商品を掴む、あのにーちゃん。

あわわ。

ひらっひゃいまへー、の声で気づけよ妻。いや、気づいたとしても遅いか…。

今日は何事もありませんよーに、と神に祈りつつ彼の動作を静かにチェック。

「うわっ」

野菜の上に6本入りのビールケース置いちゃったよ。アリエネーッ!

んもぅ、やっぱコイツ、ダメダメー。何者?

そう思って彼の胸に付けてある名札で名前を確認しようとしたら…。

そこには、口を開けたままの彼の顔写真がペタリ。写真撮られるときくらい、口閉じろよー。つか、実物も酷いけど写真でもすげーマヌケ顔。なんつって、実際の顔と見比べたら、あら同じ。今も口思い切り開いてるし。うわー、写真と一緒いっしょイッショー!

とまぁ、写真に見とれすぎて名前なんてさっぱり見る余裕ございませんでした。

ある意味、見とれ具合は竹野内豊の写真と同等だったかも(ないない)。

8月22日

朝、夫を送り出した後、夏休み映画(映画?)「ドラえもん(違)VSしずかちゃん 尾道対決の巻」をTVでぼんやり見ていると電話が鳴った。

受話器の向こうで息もたえだえの主は、元気に出て行ったハズの夫。

「うーうーうー」

ど、どうしたんだよ。

「腹の調子が悪くて…ゲ、ゲ…下痢みたい」

そういわれても。

そのままバスに乗るのは危険だからと、一旦自宅へ戻ってくるので車で送って欲しいという。

途中、我慢できずに糞まみれで帰ってくるかもしれないと、妻、新しいパンツを引っ張り出しに二階へ駆け上がったり駆け下りたりドタドタ。

バス停から走れば3分程度だというのに、一向に帰ってこない夫。もしや、うんこ漏らしながら歩道に倒れてるんぢゃないだろうか…。うわー。

もし道路に倒れてる人を見つけたら、走って駆け寄って助けるけど、その倒れてる人がうんこ漏らしてたらどうする? 妻だったら、見なかったことにするよなー。てことは、助けられもせず、倒れたままなのか夫。てことは、うんこ漏らして倒れてる夫を助けるのは妻しかいないぢゃないか! どうしよう。助けに行くべきか? でも、できることなら他人のフリしちゃいたいよ、トホホ。

などと思っていると、やっと帰ってきました。

「ファミマでうんこしてきた」

そうか。間に合ったのか? よかった。

第二波は襲ってきそうにないとゆーので、そのまま夫を車に乗せ、会社へと向かう。

それにしても、何が原因で腹を壊しちゃったんだろう。口にしたものは妻と同じなのに。

うーむうーむ。

昨日食べたものをいろいろと思い返していると、なんだか今度は妻の腹の調子が悪くなってきた。

あうあう、妻もなんだかうんこしたい。

会社近くで夫を下ろし、そのままモゾモゾゴソゴソしながら自宅へ向かう。

気を抜くと漏れそうだよフンガーッ! 頭皮からなにやら不気味な液体(脂汗)が流れてくるけど、自宅に辿り着くまでのあと20分、頑張るよ。

折立の交差点に差し掛かったとき、目の前で乗用車同士がクラッシュ。その衝撃で軽自動車が見事に横倒しに。

ぎゃー!

朝からものすんごい衝撃現場に出くわし、いやはや引き締まる思いしました、肛門が。

お陰で、便意がすっかりひっこんで妻は助かりました。ブラボー。

8月23日

帰省中のレポーツをアップしよーとしたら、FTPでパスワードを入れろとかメッセージがでくさりまして、妻が入れるパスワードをコヤツ、ことごとく弾いてくれちゃいますの。お陰でアップできません。うえーん。キャベツ(ケーブルテレビ)のバカバカ。地震とか雷とか、か、か、関係してないっスよね…(汗

**********************************************

中尾彬が薀蓄垂れながら飯食ってるシーンを見るにつけ、箸の持ち方がなっちゃいないオメーにそんなコトいわれても不愉快なだけだわぃとケチをつけたくなります。いやぁ、最近、ちゃんと箸が持てない人って多いっすよね。そーゆーやつをTVに出すなよ、と思うのは妻だけですか?

その昔、食事中作法に厳しい上品な親によく言われました。

「口を閉じて食えタコ!」

「クチャクチャ音を出すなアホ!」

「箸を舐めるなボケ!」

「茶碗は持てよクソッタレ!」

「なんで箸で茶碗を寄せるんぢゃクラスッゾ!」

「肘をついて食うなボテクリコカスッゾ!」

等など。

お陰で、食事中のマナーはこう見えてもすこぶるよろしい妻です(最近では、ボロボロと零すようになりましたけど@病気?それとも老い?)。

言っても直らない人、直そうとしない人には、やっぱ荒療法しかないんぢゃないかと。

↑先日の地震があった日、尻で階段を滑り降りたときに作った右腕のでっかい青タンです。腫れは幾分ひいたんですが、いやはや疼くうずく。肘をつこうにも痛くてつけませんヨ。

「うちのコ、何度言っても食事中に肘ついて食べるのよねー」とお困りのお母さん。

息子さんの腕を、木刀で思い切りぶん殴ってみてはいかがでしょうか。

8月24日

ヘノサト村にある広々としたシリアガリ牧場を訪れる。牧場の片隅には何故か鉄棒ではなくオリンピックで見るようなアノ吊り輪が2組設置されていて、ものは試しとチャレンヂしてみる妻。ちびっこの妻でも、ちょっと爪先立てば届くとゆー、とっても良心的な(そうか?)高さだ。

ブーンブーン。

十字懸垂、十字倒立、回ったり捻ったり、そんな技は到底できやしないので、ブーラブラと体を前後に揺さぶってるだけ。でも楽しい。

その姿を足元で見ていた我が家の愛犬サラ。

もう1つの吊り輪の、支え棒をサルのように華麗によじ登ると、アラヨっと吊り輪に前足をかけた。指先で吊り輪を握ることはできないので、吊り輪を腋に挟む感じで。そして、犬とは思えない驚くような技を連発する。

吊り輪にぶら下がったままポカ〜ンと眺めているだけの妻。

と、サラの体がグルグルと回りながら弧を描き前方へ飛んでいった。見事着地か?…と思ったら、足を骨折したのか立てないようだ。

ぎゃー!ぎゃー!どうしようどうしよう。うろたえながら夫を呼ぶ。

牧場内をBJと散歩していたはずの夫が、妻の叫び声を聞いて走り寄ってきたのだが、夫もBJも顔面血だらけだ。

何故? なに? どうして?

「子供たちに『くんな!』『消え失せろ!』とか言われて、石を投げられたんだ」

なんだとーっ!

怒り狂った妻、骨折したサラを抱きかかえ、石をぶつけたとゆーガキどもを探しに走る。

いた。奴らはいた。川っぺりにたむろして、水面を優雅に泳ぐ水鳥目掛けて石を投げていた。

ガキの一人の首根っこを捕まえ、村の集会所になっているらしい空き家に入ると、親を呼びつける。

何事かと集まってきた親たちに、人に向かって石を投げるとはどーゆー躾け方しとるんだ!と激を飛ばす妻。

その言葉に「いやぁ、この辺は田舎だしね。都会の子供らに比べたら、遊ぶところも少ないし…」と一人の親が言いつつ頭を掻く。

「10年後、20年後は、おめーら子供たちがこのヘノサト村を支えていくんぞ! 親がそーゆー考え方で、このヘノサト村が栄えていくと思うのかーっ!」などと唾を飛ばしながら説教垂れること数時間。

隣でショボくれていた顔面血だらけの夫に「妻、もぅいいから」と袖を引っ張られ、やっと目覚めました。

んもぅ。なんつー夢だよ。いつもだったら竹野内とかイイ男が絶対出てくるのにー。今日は洟垂れ小僧と無精髭に目が落ち窪んだおっさん連中と夫だけぢゃん! 目覚めたとき、汗ぐっしょりだしさ。すげー疲れた。寝た気がしねーっ。首も寝違えて痛いしーっ。低反発枕のくせになんでだよーっ!

しかも起きてからも、ヘノサト村とシリアガリ牧場(たしかそんな名前だった)ってのが実在するんぢゃないかって、必死になって探してる自分が哀れだ。

8月26日

とっても懐かしい方からお電話を頂く。

仕事で今日の夕方仙台にやってくるのだけれど、都合が合えば一緒に飲みませんかとゆー内容。もし今晩会えれば、10年振りの再会になる。

行くよいく! 台風だけど。

でも待って。

10年振りってことは、最後に会ったときの妻は10年前の妻ってことだよね。

今より10キロ以上痩せてたぢゃんか。

果たして、彼は妻に気づいてくれるのだろうか。

あうあう。

10キロなどと贅沢なことは言いません。せめて5キロ。5時間で5キロ痩せる方法があったら誰か教えてください。

つか、その前に財布に千円札が一枚しか入ってないくせに行く気かよ、っつー話ですな(銀行の通帳とカード、夫が会社に持っていっとるがなっ!)。

8月29日

目覚めてから今の時間まで、やったことといえば…。

犬用のオヤツが入ったタッパーを探す(タッパーごと食われたか?)。

先週まで読みかけだった本を探す(うえーん、どこだよ)。

携帯電話を探す(自宅の電話から自分の携帯電話へピポパ。よかったバイヴにしてなくて)。

デジカメを探す(やっと探し出せたんで、ファッキンホットログに昨日のデイキャン模様アップでけましたホッ)。

起きている時間の、半分以上は探し物をしている妻。

うああ。

このまま夢の中へ。

夢の中へ。

行ってしまおうかと思ってます。グガーッ。

8月30日

じーさんの運転する白い軽自動車が、住宅街を抜けてバス通りに出ようとしたところ、坂を上ってきた少年の運転するチャリと出会い頭に衝突。地味に衝突。怪我人はナシ。少年の運転していたチャリも、壊れた様子はないし問題なさそう。

でも、慌てたじーさんドライバー、泣きそうな顔で何度も少年に頭を下げ「すいませんすいません」を連発している。その声が車外まで聞こえてきてるし。

心臓バクバクなんだろうなー、手足も震えちゃってるかもー、と思ったら、じーさんドライバー、頭を下げるだけぢゃなく、ついでに車も下げようとギアをバックに入れて…。

動揺が足の先に伝わったのか、思わず急発進。ブィーン!

後方に並んでいた乗用車にガツン。

今度は派手に衝突。

あぁぁぁ。

保険会社のよくできたCMのワンシーンを見ているような数分間でありました。出演者の表情も真に迫ってたし〜(違!

8月31日

藻だらけのネットに貼り付いて海中を漂っている自分の手足が、いつの間にか何本もの触手とゆわれる気持ち悪いものに変化していて、うわー、こんなんぢゃちゃんとお箸が持てないぢゃんかーと嘆いていたら、自分の姿そのものがエチゼンクラゲに変身してることに気づき、なーんだ、だったら米が主食ってわけぢゃないし、お箸なんか必要ないネと一安心。いやまてよ、エチゼンクラゲってのは「大量発生しくさりやがって、漁業妨害しとる悪いヤツ!」なんて毛嫌いされてるアレですやん。もしかしてこの藻だらけのネットって…あらイヤン、妻、捕らわれちゃったわけ〜。

どんどん狭まっていく回遊エリア。

その中を他の魚さんたちとユラユラ泳ぎながら、ボンヤリ自分の行く末を案じていると、突然海が荒れてコントロール不能に。

きゃー、どうしましょ。

と、そこで目が覚めたんですが、ユラユラ泳いでるのは夢の中ぢゃなくて、実際家が動いてたからでした。

午前3時半。地震ですよ。

仙台に住んで以来、2度のでっかい地震を経験してしまったため、妻の触手(股間に生えてる地震感知センサー)は微震でも察知してしまい、脳に危険信号を送るようになりました。お陰で、布団の中でピグモン降臨。

地震だよ地震!わーおわーおと隣で寝ている夫を叩き起こすと、あぁ、そうだねグガーッ。一言発しただけで、再び眠りに落ち、相手してくれたのは耳障りな鼾だけでした。くそぅ。

今月の16日に起こったあの地震は、想定していた宮城県沖地震ではなく「今後も、遠くない将来マグニチュード5後半の地震が起きると考えておいた方がいい」などと専門家のおっさんがTVで注意を呼びかけたりしとります。

遠くない将来てことは、近い将来ってことですよね。

近い将来ってことは、近日中ってこともあり得るっつーことですよね。

16日の地震で、我が家の2階のPC部屋は酷い有様になりました。

突っ張り棒をしていたので、本棚が倒れることはなかったけど(それでも突っ張り棒の1本は抜け落ちてた)本はドヒャーですよ。

そして、あれから2週間が経つとゆーのに、相変わらずドヒャーのままです。

↑こんな感じ。

だってさ、片したってどーせまた来るんだろ。

遠くない将来に。

だから来るならコイ!

早くコイ!

待ち合わせに遅れている彼氏を待っているような、そんな気持ちでいるわけです。本の山に囲まれつつ。

(言い訳してもいいですかねハァハァ。ええとね、手前に出来た本の山。この山から一冊づつ手にとって本棚に並べようにも、山が邪魔して本棚に手が届かんのですわ。腕がマジックハンドみたいに自由に伸びたらいいのに…いえ、すいません。ただ単にだらしない女っつーだけです)

 

Back