■ 11月の戯言 ■
11月1日
風呂から上がり、PCの前に座りボンヤリと面白くもないゲームに興じる。髪の毛を乾かす為。ドライヤーを使わずに自然乾燥させれば、電気代の節約にもなるしね(とかいいつつPCの電源入れてちゃしょうがないけど)。そんなわけで夫よりもちょっとだけ夜更かし。
冷えた体をベットに滑り込ませた午前0時。
パラパラパラパラ…。
聞き覚えのある不穏な音が遠くから聞こえてきた。
そう、確かこの音は王城寺原演習場近くの牛野ダムでキャンプをしていたときに耳にした音。
ドーンという大砲の音は、遠く離れた我が家にもかすかに聞こえることはあるけれど、マシンガンの音がするはずはないのに。
しかも深夜だ。こんな時間に演習するはずはない。
「も、も、もしかして戦争? 日本が平和だと思ってたのは幻想だったのか…どうしようどうしようどうしよう」
妻、なす術もなく体を小さく丸め息を凝らす。
もしも戦争がおっぱじまったのなら、ええぃ、なるようにしかならんわぃ。せめて深い眠りについている夫は、痛い思いをせずに昇天させてあげよう。
そして妻も、最期の時は美しく死のう。
天井を向き、爪先を揃え両手を腹の上で組もうと体勢を整え…。
ようとしたとき、掛け布団の僅かな隙間から異臭がしてきた。
モワ〜ン。
屁の香り。
ナ、ナ、ナヌゥーッ!
妻がマシンガンの音だと思ったあの長く続いたパラパラ音。
夫の屁でござった。
本日、早朝、夫は江戸へと旅立ちました。
最後っ屁を妻に浴びせて。
11月2日
昨晩遅く、夫から電話。
数ヶ月間を過ごすウィークリーマンションには、炊飯器があるので米を送って欲しいという。ドリップ式の安いコーヒーやその他もろもろ必要なものものを挙げたのち電話を切ろうとした。
おいちょっと待て。
住所知らんがな。
「あぁ、そうかそうか」
その住所をメモに書きとめ電話を切ると、10分後、再び携帯が鳴る。
「もしもし?」
「フッキン…フッキン…フッキン」
電話の主は夫。
なんだよ、フッキンて。
都会でモテるためのトレーニングのしすぎで、腹筋でも痛めたのか? 病院いけよ。
「違うちがう、フッキンフッキン」
むむむ、何かの暗号か…。
山といえば川。
フッキンといえば?
うーんうーん。ハイキン? ソッキン? シャッキン?
妻、唸る(風呂に入ろうとしてたのでマッパで)。
「テーブル拭いたりするさぁーアレ。ないのよ、そーゆーのが。だから送って欲しい」
なんだよ、布巾かよ。
ったく、東北人は渇舌悪いから困るね。
わかったわかった。送るよ送る。明日、カップ麺や洗剤なんかも買って、ダンボールに詰めて送ってやるから。そういって電話を切った。
本日の朝8時。
普段より長い愛犬の散歩から戻り、朝飯をゆっくり食べていると妻の携帯が鳴る。
電話の相手は夫。
「あのさー、宅急便、もぅ送ってくれた?」
アホか!
寝言は寝て言え。
11月7日
ぎゃー!
11月だというのに暖かいからなのか、てんとう虫がウヂャウヂャとしゃしゃり出てきましたーっ。
北海道ではアブラムシが大量発生とかゆーニゥスが報道されとりましたが、もしや仙台でもそうなのか?と思い、ご近所の奥様たちに電話しまくる。
「ねえねえ、窓にてんとう虫がたくさんいない?」
「え〜?別に…」
調整池に面した我が家だけでした。
外を眺めると、調整池の真上をブーンブーンと大量のてんとう虫集団が飛び回っております。
てんとう虫って、1,2匹だったら可愛げがありますけど、こうも沢山いるともぅキモいったらありゃしない。しかも地味に動くし(生き物だから当然ですが)。
2匹をしっこに出そうと窓を開けた途端、飛び込むてんとう虫軍団。
何がキモいって。
ブ〜ンと飛んでビタっと窓にへばりついた瞬間。
水玉模様の硬い羽の内側にあるペラペラしたあの羽を、必ずはみ出させてるのですよ。もぅだらしないとゆーかなんとゆーか。ズボンずり下げてパンツのゴム部分見せて、シャツべろ〜んの若者みたい。
「ちゃんとしまえーっ!」
思わず叫びたくなります。
幼虫なんか、可愛いなんてお世辞でもいえるようなナリぢゃないですしね。
(↑バブバブ赤ちゃん…おもっくそ可愛くない)
サンバに合わせて踊っても、むしろこんだけ大量にいると怖気が走ります(カメムシ異常発生よりはまだマシですけど)。
11月10日
某銀行の受付カウンタに鎮座していたタヌキさん。
何故か大切なアノ部分に赤い張り紙が。そしてその張り紙には「注意」の二文字。
下のプレートを読めば「振り込め詐欺に注意」の意味だっつーのはわかるけど。
どうして赤い張り紙なんだ。
しかもタンタンタヌキのそんなトコロに。
注意、ちゅうい、チュウイ!
何があるんだ、その下には。
剥ぎ取りたい衝動を抑えるのが大変でございました。
11月16日
先週末のキャンプで、夫が寝汗をガッツリかいたため、テントの中に敷くインナーシートに小さな汗染みを作ってしまいまして。
空には分厚い雲がかかってましたが、ところどころ青空も見えるしってんで、昨日そのどデカいインナーシートを裏庭の塀に引っ掛けて干したのであります。ちゃんと布団挟み3個を使用して。
「雨が降るかもしれないし、降らないかもしれない…」
ちょっと不安だったのですが、その間に近くのスゥパに買い物に行くことに。
30分で行って帰ってくれば大丈夫だろう、そう思ったから。
車を飛ばしてスゥパに入り、店内を走りながらあらかじめメモしていた食材を籠に投げ入れる妻。
スゥパを出ると、ポツポツと雨粒。やばっ!早く帰ってインナーシートを取り込まなくちゃテーヘンなことになっぞ!
自宅へと車を走らせていると、あら、高速道路をくぐったこちら側の路面はちっとも濡れてないぢゃないの。てことは?
家の中に飛び込んで、ダイニングキッチンから裏のデッキを見る。
「うん、デッキは濡れた様子ナッシング! ラッキー」
スゥパの付近は雨が降っていたけれど、我が家周辺は降ってなかったわけです。おし、今のうちに取り込むぞ、と塀を見たら…。
ない!
ないないなーい!
布団挟み3個できっちりガードされてたハズのインナーシートが、忽然と姿を消しているぢゃないですかっ。
「も、も、もしやドロボー!? 18,000円もしたのにぃーっ! ひゃ、ひゃ、ひゃくとーばんしなきゃ?」
デッキの上でオロオロする妻。
で、ひょいと塀の向こうの調整池の土手を見下ろすと、5メートルほど離れた向こうの鬱蒼と茂る葛の葉に埋もれてグシャグシャと捩れたこげ茶色の塊が。
ぎゃー!
無残、落ちとりまーす。
多分、風で飛ばされて。
カムバーック、インナーマット! 夫の長靴を履いて慌てて表の通りに出ると、ガードレールを跨ぎ藪の中へ入っていく妻。前へ進もうにも、葛の蔓が足に引っかかって何度も転びそうになります。それでも腰まで伸びた草木を掻き分け、前へ前へ。
やっとのことで目的の場所まで辿り着き、まずは布団挟みを3つ、両腕に引っ掛ける。
そしてインナーマット。
こいつ、ただのマットのくせに、重量4.5キロとゆー代物。藪の中(しかも急斜面)で綺麗に折りたたむのは不可能だったので(しかも、この結局はムダだった作業中に雨がポツポツ降り出しやがった)、適当な箇所を持って頭に乗せる。
身長150センチもないばばあが、270×270cmのシートを頭に乗せて歩いたらどうなるか。こげ茶色の小さな山とゆーかテントとゆーか、妖怪とゆーか、摩訶不思議な物体が動いてるようにしか見えんわけです。
しかも、夫の長靴は大きすぎてガボガボで脱げそうだし、重くて足は上がらないし、時々蔓に足を取られてずっこけそうになってるしシートで前は全然見えないし。
やっとの思いで自宅の玄関まで辿り着いたら、汗びっしょりでした。
インナーシートも雨でびっしょり。
(それから1時間もしたら、雨は完全に上がって真っ青な空が広がっとりましたが、これもまたコンチクショーです)
何やってんだか。
本当なら、この日、午後から笹倉山にでも登ろうか、なんて思ってたんですけど、インナーシート救出作業で妙な筋肉痛。山登り以上の体力を消耗したようです。
ぐったり。
足腰肩にシップ貼るより、頭に氷嚢乗せたほうがいいのかもしれませんけどね。
11月17日
「昨日Aさんに会った」という事実があったとする。
Aさんに会ったのか、Bさんだったか。はて、一体誰に自分は会ったんだっけ…。
こういう場合は単なるド忘れなのだけれども、「昨日Aさんに会った」という自分の行動自体をすっかり忘れてしまうのが認知症なんだとか。
車検のため、車屋さんが我が家の愛車を引き取りにきた。
その代わりに置いていった代車はフィット。
この小さな車を転がして、妻はジャスコへ買い物に。
「米がなくなったので再度送って欲しい」と連絡してきた夫のために、一緒に箱詰めするレトルトや乾物を入手するため。30分後、荷物をどっちゃり乗せたカートを押し駐車場へ出てきて、妻、しばし呆然と立ち尽くす。
「車がないっ!」
ないないない(昨日の戯言の続きのようだけど)!
もぅマジで泣きそう。
自分が停めた、そう確か5番エリア、その左からええとええと、何番目だったっけ?と自問自答しながらも一番隅の車から確認していく。
ちがーう、ちがーう、これもちがーう、これもやっぱりちがーう。
あれ? 5番ぢゃなくて4番だったっけ、それとも3番?
ジャスコの広い駐車場をガラガラとカートを転がしながらもあっちへ走り、こっちへ走り。
やっぱり絶対ココだと思ったその場所に鎮座していた車を数秒見つめて、ようやく思い出しました。
今日乗ってきたのは代車のフィットだったことを。
停めた場所もうる覚えの上、何に乗ってきたのかも忘れ、代車を運転してきたことも失念。挙句の果てには「盗まれたかもしれない」と心臓バクバクさせたアホっぷり。
重度の認知症の上被害者意識が強く強迫観念に駆られてるだなんて、もぅ救いようがないとゆーかなんとゆーか。
11月24日
すっかりサボり癖がついてしまいましたイカンイカン。
それにしても寒いですね。
寒いから鍋です。
ここだけの話、昨晩はイイ男と鍋を囲みました。夫が留守なのをいいことに。いけない若(←突っ込み却下)奥様です。
名前を言っちゃったりすると、メディアがほっとかないから公言できないんだけど。
あぁ、でも言いたい。
言っちゃうよ。
愛しの竹野内豊と。
きゃー。
二人で並んで一つの鍋をつついて。彼の箸と妻の箸先が鍋の中でぶつかったりして、あらまぁこれって間接キッス。同時に頬を赤らめちゃったりする二人。
楽しいお話も沢山いたしました。
二人の将来について。
充実した一夜でございました。
あ、夢ぢゃないですよ。
夢なんかぢゃないですからーっ。
妄想です。
11月25日
構造計算書を偽造した姉歯1級建築士。
聴聞会に赴いた際、多くのリポーター陣に取り囲まれておりましたが…。
どさくさに紛れて、彼の髪の毛を引っ張る記者が絶対いるハズだ!と期待していたのに、だーれもいなくてガッカリ。
偽造の真相だけでなく、妻(だけか?)が抱いているあの髪型のヅラ疑惑も、なんとか解明していただきたいものです。
11月30日
今日、車をぶつけてしまいました。
いや、ぶつけたんぢゃなくてコツけたとゆーか、擦り寄ったとゆーか、密着したとゆーか、撫でたとゆーか、抱きついたとゆーかモゴモゴ。
今朝見た某番組の血液型占い選手権ではB型の運勢が一番よかったのにーっ!
場所は丸森町のコンビニの駐車場。頭から駐車するときに、ナンかやだなぁ〜って感じはあったんですよ。スペースが異様に狭くて、下りるのも腹が痞えて大変だったし…。
んで、どーゆー状況だったかっつーと、温かい缶茶を買って、さぁ目的地へ向かうぞとバックで出ようとしたら、ハンドル切るのが早すぎたために(とゆーか、後ろばっか気にしてて右前をちっとも見てなかった)、右隣に駐車してた車の左後ろのバンパーに妻の車の右前バンパーがゴリゴリジョリジョリ。あぁ、タイムマシンがあったら1分前に戻りたい。つか、最初のゴリで気づけアホ!
ゴリゴリジョリジョリの直後、隣の車からサラリーマンが「うわーっ、やっちゃいましたねー」と降りてきたわけです。
イタリアだかフランスでは、狭いスペースに駐車するときやそこから車を出すときには前後の車のバンパーに思い切りぶつけながら自分のスペースを確保するっていいますやん。咄嗟に妻、ボンズール、なんちってフランス人になっちゃおーかと思ったんですが、うわ、顔、なんか怒ってるよー。眉間に皺寄ってるよー。
どうしようどうしようオロオロ。
すると、この男性、妻に「保険には入ってますか?」と尋ねました。
「あぁ、ええ、ついこないだ車検でして…んでそんときに保険も更新しまして…金ゴッソリ取られまして…(←聞かれてもないのに)」。
財布から自動車保険のドライバーカードを取り出して男性に見せる。
「あぁ、うちの会社ですね」
ほへ?
この男性、妻が契約している保険屋の、しかも自動車事故の調査をしている主任さんだったわけです。
これって不幸中の幸いってこと?
B型だったからラッキーってこと?
男性、妻がぶつけた、いやコツけた、いや擦り寄った車から書類を取り出し、サクサクとなにやら記入をし、「一応、この場所と状況を簡単に安心110番(←事故があったときのサービスセンタみたいなとこ)に連絡しておいてください」とその後の段取りも説明してくれ、最後には何故か妻に向かって「ありがとうございました」と何度も頭を下げて立ち去りました。
妻がぶつけた、いやコツけたのにありがとう。
ひょえ〜。
でけたお人や(違。
結局、妻の車、前バンパー総とっかえらしいです。
塗装がちょっとハゲただけだけど…。
板金必要ないらしいけど。
そのほうがお徳らしいので…。
どうせ保険だし。