■ 7月の戯言 ■

7月6日

2匹を連れて、かかりつけの病院へ。

平日だというのに、待合室には座る場所がないほどの患者さん(座ってるのは飼い主ばっかだけど)。

ちょっと太目のおばちゃんの隣が空いていたので、そこに腰掛け壁に掛かったTVをぼんやりと眺めながら名前を呼ばれるのを待っておりました。

面白くもない番組。

それは、ドキュメンタリータッチで作られた青汁のCMでした。

『立ち仕事だから腰が痛くなったりするんですよねー』

画面の中にもおばちゃん。

レポーターに職業を聞かれて、画面の中のおばちゃんが『ウエイトレスです』と答えたその直後、妻の隣に腰掛けていた太目のおばちゃんがボソッ。

「ウエイトレスて…ウエストレスやん、ねぇ」

誰ともなしに同意を求める最後の「ねぇ」。

いやいや、画面の中のおばちゃんも横幅かなりあるけど、貴方だってウエストレスなんぢゃ?…という目で思わず隣のおばちゃんの腰の辺りを見ちゃったんですけど、それを察知しちゃったのか…。

「あ、それはアタシかぁ…ブヘヘヘ」

なかなか見事な一人突っ込みでした。

こんなおばちゃんに、なり…。

あ、なってる。腰回りは確実に(涙。

7月10日

レジの前でおばちゃんにカードを手渡すと、「お支払いは?」と聞かれる。

人差し指を突き出して「1回で」と元気よく妻が答えた瞬間、おばちゃん…。

「はうっ!」

半歩後ずさりして、息を飲んどりました。

朝っぱらからニンニク4片入りのペペロンチーノは、やっぱ迷惑だったでしょうかプハァァ〜(臭。

口臭って自分ぢゃ気がつかないんだけどー。

でも、香りの沁み込んだ左手の人差し指の先っちょは、間違いなくすんげー臭い。

そのすんげー臭い指を臍の穴に突っ込んでグリグリ。そして嗅いでみる。

不思議。

ニンニク臭は何処へ。

ニンニク臭にも勝る臭さを放つ妻の臍。

お見事。

妻の体がものすごーく柔らかくて、口が臍に届けば、ニンニク臭い口臭とおさらばできるのに…。

って、口が臍臭いってどうよ。

7月20日

連日ワイドショーを賑わせている畠山鈴香容疑者。彼女のやったことは許されないこと。そりゃ分かってる。で、それはコッチ(どっち?)に置いといて…。

卒業文集だか寄せ書きだかで、同級生が書いた言葉ったら、そりゃもぅ凄いものでしたよね。

「会ったら殺す」、「もうこの秋田には帰ってくるなョ」、「秋田から永久追放!」、「秋田の土はニ度とふむんじゃねぇぞ」とか。

声に出して言うだけならともかく、卒業時の寄せ書きなんて後生残るものぢゃないの?  もしも耳を塞ぎたくなるような、そんな言葉ばっかが書かれた寄せ書きを自分が貰ったとしたら…。

人を信じる心なんて、育つわきゃないよね。

子供って、言うこともヤルことも時として残酷だったりする。それを正してやるのが大人の責任。当時の寄せ書きを目にした大人たち、特に担任の教師ってなーんの対処もしなかったのかなぁと。子供がもって帰ってきた寄せ書きを見た親たちも、誰一人として意見しなかったのかしらと。

だとしたら、そっちのほうが長い目で見れば物凄く怖いことなんぢゃ?

こんな教師や、その教師が受け持った生徒たちが第二の鈴香を造りだすような気がするし。

ワイドショーには当時の彼女がどんなだったか、リポーターが同級生に意見を求めてたりしてましたよね。

TVに写ったその同級生の顔は旨い具合にフレームに入ってなくて、音声も変えられちゃってるけど、妻にしてみりゃ「アナタ、あの寄せ書きのどの部分を書いたの?」ってそっちが気になるわけですよ。あんなコト書いた昔の自分が恥ずかしい? それとも「あー、コレコレ、この文を俺が書いたんだよー」なんて今でも自慢気に話すの?

同窓会で久し振りにあった彼女の変貌ぶりに、同級生たちは驚いたっつーけど。

中には当時からオツムも心も成長しきれてない人なんかがいて、「なんでオマエがココにいんだー!」なんて罵ってたりして。

なんてことを思いながら裸足でリビングをペタペタと歩いていたら、右足の土踏まずにヒンヤリとした感覚。

ソロリと右足を上げてみると、そこには妻の体重に耐え切れず息も絶え絶えの蛙が。んもぅ、柄に似合わないようなコトを考えたりするからコレだよ。

いや、それよりも…

「なんでオマエがココにいんだー!」

思わず罵ったのは妻の方でした。

そしてグッタリした蛙をテッシュに包んで…。

便器に放り込んでしまいました。

蛙だから溺死はないよな。いや、でも流しちゃったら死ぬかな。

なんて便器をぼんやり見つめながら。

んで便器を見てたら、膀胱が尿意サイン送ってきたんだもん。その尿意が小波から大波に一気に変わって我慢できなかったんだもん。

無意識のうちにジョバー。

便器の中の蛙を流すこともなくジョバー。

蛙にジョバー。

スッキリしたら、今まで考えてたこともスッカリ忘れ…。

蛙の面に小便を確認する絶好のチャンスだったのにー!と便器を覗き込みながら地団駄を踏む妻。

テッシュで包んでるから、読み取れやしないぢゃないか、アホ!って、残念がるところがちょっとズレてますかね?

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